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木暮荘物語

三浦しをんの小説。
木暮荘というおんぼろアパートの住人たちの人間模様。
「性」がメインテーマだったのにはちょっと驚いた。

今まで読んだ彼女の小説は、どれも5段階の3.8~4ぐらい。
そこそこ面白いけれど、5はつかないのです。
この作品もそう。
間違いなく面白い。読みやすいし、味わいもある。
でも、なーんとなくちょっぴり物足りない。
(「風が強く吹いている」は、たぶん物足りなくない作品なのだと思う。でも私は、その直前に「一瞬の風になれ」を読んでしまったので、二番煎じみたいに感じてしまったのだと思っている)


「舟を編む」では「えーっ、ここはすっとばし?」と思った。
今回は「えーっ、この人はこの後どうなるの?」

あと、結末がちょっと意外です。
そっちにワープして終わるんかい、という感じ。
(悪いわけじゃないけど)

彼女は「小説家」というより、「エッセイスト」なんじゃないかな。

今まで読んだ彼女の本の中で、私のイチオシは「あやつられ文楽鑑賞」です。
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by foggykaoru | 2016-02-23 21:09 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

パクセーの夕暮れ

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ラオス南部のパクセーは、フランス植民地時代のなごりを感じさせる静かな町。
ホテルの屋上レストランからの眺めです。
日没はきれいに撮れたのだけれど、町の様子が全然見えないのでボツ。

メインサイトにて「東南アジアまったり駆け足旅」連載中。
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by foggykaoru | 2016-02-20 10:59 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(0)

他諺の空似

米原万里さんの遺作だそうだ。
副題は「ことわざ人類学」
「他諺」は「たげん」と読むそうな。

同じような意味を持つ、世界中の諺を紹介している。
興味深いけれど、その量があまりにも多くてゲップが出そう。
各項目の「つかみ」は、色っぽい話が多くて、そこだけはさっさと読めたんだけどね(苦笑)
忘れたころになってほんのちょっぴり読み進む、という感じで、読み終えるのに3か月ぐらいかかってしまった。

この本が書かれた当時の小泉政権をビシビシ批判している。
でも、今の政治ってあの頃どころの騒ぎじゃないかも・・・
と、暗澹とした気分になってしまって、それがなかなか読み進むことができなかった、もう一つの理由。

裏表紙の紹介文にあるように、まさに米原ワールド炸裂!
悪いのは、受け止めきれなかった私です。

ユーズドでしか入手できません。
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by foggykaoru | 2016-02-18 21:49 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

最初の刑事

副題は「ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件」
著者はケイト・サマースケイル。
この人のデビュー作「ネヴァーランドの女王」は、ランサムの言及を見つけたのに、全然うれしくなかったという稀有な例として、忘れられない本。

1860年に実際に起きた殺人事件の顛末。
舞台は田舎のお屋敷。
使用人がいっぱい。
家族もいっぱい。
お金持ちの立派な家族かと思うと、まるでゴシックロマンのような人間関係があって。
いつまでたっても解決がつかないので、被害者が埋葬された後になって、ようやくロンドン警察の腕利き刑事が派遣される。
この人が、今でいう犯罪捜査官のはしりで、だから「最初の刑事」
でも、いくら有能でも、ろくな証拠が残ってないんだから、そりゃ大変。

ハードカバーを一気読み。
英国の推理小説が好きな人にはたまりません。
なにしろ、小説顔負けの舞台設定。
というより、この事件が、後々の英国推理小説をインスパイアした、ということらしい。
(RPG好きな人が、「指輪物語」を読んだり映画を見たりして、「なーんだ、RPGみたいじゃないか」と言うけれど、そもそも「指輪物語」こそが、多くのRPGのもとになっているんだよ、、という話を聞いたことがある。それとおんなじこと)

高野秀行氏が2015年度のベスト10ノンフィクションとして挙げている本の1冊。
他にも読みたい本があって、どうしようかと悩み中。

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by foggykaoru | 2016-02-14 21:48 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

王への手紙

「CREA2月号」の「大人になっても読みたい少年少女文学100のリスト」で知った。
オランダで最もよく読まれている児童文学なのだそうだ。

思いがけず隣国の王への手紙を託された少年の「行きて帰りし物語」。

非常にテンポが速いです。
岩波少年文庫で上下巻に分かれているというのは、長いと言うべきなのかもしれないけれど、長さを感じさせません。
次から次へと降りかかる試練。それをどんどん乗り越える主人公。
飽きさせずに読ませるけれど、個人的にはちょいと物足りませんでした。
深みが無いというか。

でも、そこが万人受けする要因の一つでもあるのでしょう。。。

作者トンケ・ドラフトは学校の先生だったそうで。
目の前にいる生徒を楽しませようとして書いた物語として、大成功していると思います。


翻訳に関して。
「そなたは」という台詞の中に「~というタイプ」という言葉遣いが混在しているのは絶対におかしい。
あと、「ブラウン修道院」も「茶色の僧院」のほうがよかったのでは?
他の地名が「青い川」とか「みどりの森」「白い丘」なんだから。

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by foggykaoru | 2016-02-09 21:43 | 児童書関連 | Trackback | Comments(7)

昭和史のおんな

澤地久枝著。

とりあげられているのは
東郷青児と心中未遂事件を起こした女性
満州事変直後、軍人である夫の出陣前夜に自害した女性
息子に保険金をかけて殺した母とその娘
堕胎罪に問われ、女優生命を絶たれた女性
女優岡田嘉子のソ連行きに同行した杉本良吉の妻
医学生である夫が一人前になるまで支えて捨てられ、チフス菌入り饅頭を送りつけた女医
性研究にまい進する夫を支え続けた女性
著名な学者をその妻から略奪した女性

保険金殺人は昨今もあるけど、他の事件はまさに「昭和」な事件。
女性の問題は、結局のところ相手の男性の問題でもあるのだなと深く思った。

昔は心中事件が非常に多かったという。
なにしろ、いろいろ制約とか障害がある。
男性は30歳、女性は25歳になるまで、親の許可無くして結婚できなかったんだそうだ。

今とはぜんぜん違う。

今多いのは、親子間の殺人。


暗い話ばかりだけれど、興味深い。
澤地久枝のジャーナリスティックな筆致が冴えわたっています。
が、ユーズドでしか入手できません。
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by foggykaoru | 2016-02-06 09:03 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(2)