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有頂天家族

森見登美彦の京都ファンタジー。
狸の家族の物語です。能天気です。阿呆です。

解説を書いているのは上田誠という人。
森見原作のアニメ「四畳半神話体系」の脚本を書いた人だそうで。
「物語の核を見極めて、それ以外のところをそぎ落していけばいいだろう」と思って脚本を書き始めたら、大変なことになったそうで。
なぜなら、そぎ落としてしまうと、物語のいちばんの魅力がなくなってしまった。。。。

なるほどね、と思いました。
この作品も、どーでもいー話で満ち満ちていて、それをそぎ落としたら、大したものは残らない。
なにしろ阿呆な狸たちの物語ですから。
阿呆なエピソードのひとつひとつを味わって楽しむ物語なのです。
読んでると極彩色の絵柄が脳内に描かれます。

それは悪くない。ぜんぜん悪くない。

でもしょせん狸。
ユーモラスだけど、ロマンチックじゃない。
そこんとこが私にはいまいち。いまに。いまさん。

今まで読んだ森見作品の中で、いちばんロマンチックなのは「宵山万華鏡」です。

以前からうすうす感じていたことが、はっきりしました。
私は、脳内映像がかっこよくないファンタジーには魅力を感じないのです。
だから「指輪物語」はOKだけど、「ホビット」がダメなんだ。



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by foggykaoru | 2017-04-27 20:35 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

ブラック・ジャックは遠かった

副題「阪大医学部ふらふら青春記」からうかがえるとおり、阪大出身のお医者さんが過ごした学生生活の思い出の記。

著者の久坂部羊(くさかべ・よう)という人を知らなかったので、あとがきを読んでみたらこんなことが書いてありました。
単行本になると決まったとき、彼女(著者の奥さん)が最初に言ったセリフはこうだ。
「そんな本、買う人おるん?」
私がムキになって「おもしろいことも書いてるやろ。昭和の医学生の記録にもなってるし」と反論すると、彼女はこう言った。
「わたし、基本的に他人のことは興味ないから」
「夫は他人かい!」と、そんときは悶絶しながらツッコんだ。
<中略>文庫化が決まったときも、彼女は反射的にこう言った。
「えーっ、大丈夫? わたしやったら、ぜったい出さへんわ」
わはははは・・・。これは楽しそうだな、と思って読んでみたのでした。

まあ、どうってことないけれど、面白いです。

南木佳士が自らの学生時代をもとに書いた「医学生」とは全然違う。
あっちは暗い。暗くても面白いけど。
こっちは明るい。能天気です。
あっちは秋田大学の学生のバイブルになってるそうです。
こっちはバイブル・・・・ではないかも。
こっちは私と限りなく同世代なので、その時代感がよーくわかるところが、個人的にはツボです。
のんきでいい時代だったなあ。


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by foggykaoru | 2017-04-17 20:29 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

バイエルの謎

副題は「日本文化になったピアノ教則本」

私が子供だったころ、ピアノ教則本といえばバイエルだった。
それがしばらくして、「バイエルはいまいち」と言われるようになった。
本当にいまいちかどうかはわからないけれど、とにかくつまらなかったことだけは確かである。
でも、そもそもピアノ自体が大嫌いだったので、バイエルの責任かどうかすらわからない。
遥かなとても薄い記憶によると、和音が単調だったような。
ドミソ(コードで言えばC)、ドファラ(F),シレソ(G)ばかりだったんじゃないか?
バイエルって作曲者の名前だよね?と思ったことも覚えている。
でも、他にどんな曲を作ったんだろう?と思ったことも。

同じ疑問を抱いたのが、この本の著者である安田寛という人。
音大の修士を出て、大学教授になった人だそうです。
この本は、安田氏の行った探索の旅の記録です。
だから、結論をまとめて書いてしまうと面白くない。
興味がある方は、著者と一緒に旅しましょう。

この本を読んで、もう一度バイエルを弾いてみたくなりました。

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by foggykaoru | 2017-04-11 20:25 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密

ポール・アダム作。
イタリアのクレモナ在住のヴァイオリン職人ジャンニを主人公とするシリーズの第二弾。
(第一弾はこちら

天才演奏家とはパガニーニのこと。

思い切り歴史ものです。
どこまでが史実なのかはわかりませんが、パガニーニがナポレオンと同時代の人であることとか、ナポレオンの兄弟姉妹たちがどこでどんな暮らしをしていたか、、というあたりは史実なのでしょう。
そのあたり、西洋史好きな私にとっては実にツボでした。
推理とか、事件解決は後付みたいな感じで、内田康夫の浅見光彦シリーズを思い出してしまいました。
もっとも、主人公ジャンニはおじいちゃんですけど。




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by foggykaoru | 2017-04-03 22:08 | 推理小説 | Trackback | Comments(0)