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週末ちょっとディープなタイ旅

下川裕治著。
「週末」シリーズの最新刊。
タイトルに「旅」とあるけれど、旅本だと思って読むとあてがはずれるだろう。
正確には「プミポン国王亡きあとのタイの現状」という感じ。

この本を読んで初めて知ったけれど、下川さんはタイ在住なんだそうです。
国王の死に際しての国民の反応等、定点観測してないとわからないことが書かれていて、非常に興味深い。

でももっともっと書けることがあるのに、抑えているのだろうと思う。
たとえば新しい国王はかなり問題がある人だということなど。
(新聞社勤務のダンナがバンコク支局勤務になったために、現地に数年住んだ友人から聞いた話なので、かなり信頼できる情報です)
下手なことを書いて、それがタイ当局に知られたら、きっとタイにいられなくなるだろうから。





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by foggykaoru | 2017-03-26 09:16 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

バウルの歌を探しに

著者の川内有緒という人。
彼女が書いた本としては、「パリでメシを食う」というのがあり、非常にそそられたけれど、未読。
そしてこの本もまた、かなり前からタイトルだけは知っていた。
でも、ずっと「パウル」と読み間違えていて、ヨーロッパ関係の話かと思いこんでいた。
ほんとうは「ハ」の上に点々。「バウル」。
ヨーロッパどころか、なんとバングラデシュの話だったのでした。

今回、古本屋で見つけて購入した決め手は、解説が高野秀行氏だったこと。
「新田次郎文学賞受賞」というのにも惹かれた。
なんだかんだ言って、賞をとった作品はそれだけのことはある、と常々思っています。

「バウル」とは、バングラデシュ(正確にはインドの一部も含む、ベンガル地方一帯)にいる、吟遊詩人のような人々のことをさす。
彼らの歌が、ユネスコの無形文化遺産になっているんだそうだ。

川内さんはパリでの国連関連の仕事に見切りをつけ、帰国し、バウルの歌を聴きに行こうと思い立つ。
でも、彼らがどこにいるかはわからない。
バングラデシュ人に聞いても、何がなんだかわからない。
雲をつかむような話なのだけれど、頼りになる相棒を見つけ、有能な現地ガイドとともに、バングラデシュをめぐる。

そして、ちゃんと見つけ出すのである。

よくよく人の縁に恵まれているというか。
あるいは、幸運を引き寄せる賢さを備えているというか。

きっとその両方なのだろう。

バウルについて、ヨーロッパでいうジプシー(今や「ロマ」と呼ぶのが正しいそうだ)のような存在なんじゃないかと想像したけれど、全然違いました。
修行をする人々なんだそうだ。
そして、その修行の奥義がスゴイ。すべての宗教を超越している。
古くからの存在だというけれど、一周廻って今や時代の最先端になっているんではないかと思わせる。

ユネスコの遺産になることによって、注目され、保護されるかというと、世の中そんなに単純ではない。
ある意味、保護されるのだけれど、変質する恐れもある。
保護されなくても変質する可能性はあるけど。

とにかく、とてもとても不思議な存在なのです。

ほんとにいったいどんな歌なんだろう?


バングラデシュの人々はとても親切なんだそうだ。
「インドなんかよりもよっぽどバックパッカー向き」だと、川内さんは言う。

ふーん。

でも、観光名所なんてないし、行って何する?


バウルを探すんだ!(爆)




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by foggykaoru | 2017-03-08 20:36 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

謎のアジア納豆

副題は「そして帰ってきた<日本納豆>」
高野秀行氏の新刊。
「ソマリランド」以来、待ち焦がれてましたよ。

今回のテーマはタイトルどおり「納豆」
納豆は日本独自のものかと思っていたけれど、もしかしたら他の国や地域でも食べられているのかも、ということで、高野氏の探索が始まる。
あちこちに行って「納豆らしきもの」を食べる。作り方を習う。

ミャンマーの奥地に行ってアヘン作りをやって、ついでにアヘン中毒になっちゃったときと、やっていうことは同じなのかもしれない
が、
食べるのは納豆。中毒になんかならない。それどころか健康的そのもの(笑)

相変わらずの高野節なんだけど、その実態は研究書という趣。

ソマリランドみたいなスリルに欠けるし、地味なんだけど、高野ファンは必読です。
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by foggykaoru | 2016-07-27 23:15 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

「裏国境」突破 東南アジア一周大作戦

下川裕治著。
「裏国境」突破とは、あんまりメジャーでない国境を越えること。
タイ→カンボジア→ベトナム→ラオス→タイ→ミャンマー→タイというコースで、ガタぼろバスに揺られたり、殺された動物と一緒のボートに乗ったりして、越えられるかどうか定かでない国境を目指す。
うーんいいですねえ。バックパッカーですねえ。
それにしても、下川さん、アラカンにもなって相変わらずハードなお仕事をなさってますねえ。
くれぐれもご自愛ください。

私は古本屋で購入したけれど、ほんとうは新刊で買うべきだった。
下川さんに印税が入るように。

それぞれのお国ぶりも興味深い。
やっぱりラオスはしみじみ田舎なのです。そこがいいんだけど。
そして、昔よりもはるかに自由に動けるようになったとはいえ(なにしろ、国境からヤンゴンに陸路で行けるようになったのだ!)、混迷度抜群のミャンマー。そそられます。



この本に関する情報はこちら
紙媒体はユーズドのみになってしまっているようだけど、Kindle版はちゃんとあります。
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by foggykaoru | 2016-03-23 21:46 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

パクセーの夕暮れ

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ラオス南部のパクセーは、フランス植民地時代のなごりを感じさせる静かな町。
ホテルの屋上レストランからの眺めです。
日没はきれいに撮れたのだけれど、町の様子が全然見えないのでボツ。

メインサイトにて「東南アジアまったり駆け足旅」連載中。
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by foggykaoru | 2016-02-20 10:59 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(0)

週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分

下川裕治著。
バックパッカーの教祖的な存在の下川さんがシンガポール?!
と思って読んだら、ご本人もそう言っている(笑)

私はシンガポールには数時間いただけ。
トランジットの間にマーライオンを観に行ったのだ。
で、それまでは、世界有数の大都市・東京の住民としては、海外の都会に行って「負けた」と思ったことはなかったのだが、シンガポールには「負けた・・・」と思った。

で、きれいで便利。
だけど、別にぜひ再訪したいという気にもならず。

でも、最近、とみに軟弱になってきて、楽なところならどこでも(?!)いいんじゃないか?
だったらシンガポールだっていいじゃないか?、、、なーんて思ったり。
マレーシアという国にもさっぱり興味が湧かなくて、別にわざわざ行くこともないんじゃないかと思っていたのだけれど、これまた楽そうだし、行ってみたっていいんじゃないか?

という、不純(?)な理由でちょっと興味がわきかけているこの2国。

旅情報として、ある程度は役に立つ。
たとえば、シンガポールで気楽な食事がとれるのは、1にも2にもホーカーズ、なんだそうである。
あと、シンガポールは週末になるとホテルの料金がどんと上がるんだそうである。

でも、この本のメインは、あくまでも下川さんの目を通して見た、下川さんにとってのシンガポール、マレーシア。
そこがいい。
と思う人でないと、読んでがっかりするかも。

シンガポールが華僑の国だということは知っていたけれど、の分離独立の経緯とか、ぜんぜん知らなかった。
喧嘩して出ていったのかと思っていたら、追い出されたんですって。
マレーシアはマレー人中心。
マレー鉄道が有名だけど、バスのほうがずーっと便利なんですって。
なぜかというと、鉄道はマレー人がやっている。
マレー人は優遇されているから、なんとなくいろいろボケてるらしい。
バスは他の民族(インド系とか多いらしい)が中心にやってるから、気が利いているんだそうです。

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by foggykaoru | 2016-01-17 10:46 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

その名にちなんで

実家に山とある本の中から、拾い上げてきた。
なんでもかんでも古本屋に払うのも申し訳ないと思って。

ジュンパ・ラヒリというインド系アメリカ人作家の小説である。

インド移民二世である主人公に与えられた名前は「ゴーゴリ」。
彼の半生をとても淡々と描いている。アイデンティティ探しの物語。

もともとすごく読みたかったわけではないうえに、この本を読んでいる最中に「不可触民」を古本屋で見つけて、インドの暗黒面を読んでしまった。
なので、再びこの本に戻るときは、「しょせんはカーストヒンズーの恵まれた話だよねえ」という、かなり白けた気分だったのだけれど、物語としては悪くない。淡々としているけれど、退屈はしない。
小説好きにはお薦めできる。

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by foggykaoru | 2015-06-21 21:37 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

不可触民

副題は「もうひとつのインド」
著者の山際素男は「マハーラーバタ」の翻訳で賞を受賞した人だそうだ。

不可触民(不可触賎民という言い方のほうが普通?)の実態に迫ったリポート。

以前、「女盗賊プーラン」を読んだときのショックほどではないけれど、やっぱり衝撃的。
すさまじいです。
他人様の信仰についてどうこう言うべきではないのでしょうが、ヒンズー教、カーストというのは問題だと思います。(バリ島もヒンズー教だけど、あそこはちょっと違う。かなりユルイ。なにしろ牛肉も食べちゃうんだそうで)
言うなれば、インドという国は、国をあげて「いじめ」を黙認、奨励しているようなもんです。

なんだかんだ言って、「愛の宗教」を自称するキリスト教は悪くない。
キリスト教にだって負の歴史は山ほどあるけど、「お前たちにはマグダラのマリアをさげすむ資格はない」とか言ったイエス様はかなり偉い。

昔、何かで読んだけど、日本にキリスト教の宣教師がやってきたとき、日本の民は自らの手を汚して働く宣教師の姿を見て、「この人は偉い」と評価した。
でも、インドで同じことをしたら、全く尊敬されなかった。
インドの人々は「あんなことは下位のカーストがやること。自分でやるなんてどうかしてる」と思ったので、とても布教しにくかったんだそうで。
確か、ザビエルってインドで死んだのですよね。きっと失意の中で。

ガンジーなんかダメ、だそうです。
彼は不可触民のことを「ハリジャン=神の子」と呼んだそうですが、それは「おためごかし」である、と、一部の目覚めた不可触民は口をそろえる。

不可触民の中には、イスラム教や仏教に改宗する人が少なくない。(その結果、イスラム教徒や仏教徒がさげすまれることがある。)
だから、パキスタンが分離独立したのは、イスラムだから、というよりも、カースト社会から脱却するためだったという側面があるのだそうです。

インドを個人旅行していて、いろいろ被害に遭う女性の話をちょくちょく聞きますが、「虫けらのように扱ってもかまわない人間」の存在を当たり前とする環境に育ったら、たまたま出会った異国の女性をどうしたってかまわない、という気分になりやすいはず。

インドって今、経済成長著しいそうで。
中国の経済成長にかげりが見え始めた今、これから投資するならインドだ、とか言われます。
でもインド国民の4分の1が不可触民なんですって。
数億の人々が常に飢えていて、農奴、あるいは家畜同様の扱いを受けている国。
もしかしたら、家畜以下かも。なにしろ死んだって惜しくないんだから。
そういう国が経済成長するって、何なのかなあ。

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ついでに「女盗賊プーラン」に関する情報はこちら
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by foggykaoru | 2015-06-18 21:51 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(4)

モンゴル紀行

司馬遼太郎「街道をゆく」の第五弾。
1978年、つまりソ連健在なりし頃のお話。
日本→ハバロフスク→イルクーツク→ようやくウランバートル という旅程で、当時のソ連が聞きしに勝るストレスフルな国だということがよくわかる。
誰かさん(←もう忘れてる)が「ソ連は今残っている唯一の外国」と言ったんだそうだ。つまり、他の国とぜんぜん違うということ。

違ううちに行ってみたほうが、辛くても興味深かっただろうと思うと、何か損した気がしないでもない・・・と思ってしまう、性懲りの無い私。

ソ連がそんな国になってしまった要因の一つとして、モンゴルの騎馬民族があるかも、と司馬さんは言う。
なんでも、ロシアが国の体をなす以前に、モンゴル騎馬民族がやってきた。
モンゴルはロシアの民をは徹底的に搾取し、「タタールのくびき」という表現を残した。
そして、ロシア人は「国というのはそういうもの」と刷り込まれてしまった。
これがソ連という国家にも脈々と続いているのかも、と司馬さんは思ったのである。

多民族を徹底的に抑圧したモンゴルだけれど、騎馬民族のおおらかさというものがあった。
だから社会主義国家となったモンゴルは、ソ連とは違って、人々にとって居心地の良い、ゆるやかさのある国になった、とか。

司馬さんは数学ができなくても入れた大阪外国語学校蒙古語学科で学んだ。ろくすっぽ教材の無い状態だったので、学生が自分たちで辞書を作ったんですって。印刷会社にもわたりをつけて。単語集に毛が生えた程度だったらしいけれど。元気でいいなあ。
モンゴル語は言語学的に、けっこう日本語に近いらしい。それがキリル文字を採用しちゃったんだ・・・うーむ。

馬乳酒ばかり飲むのは、それが乾燥した地域では、水分をとる手っ取り早い方法だから。
そんな気候風土が私の身体に合うとはとても思えないけれど、やっぱり1度は行ってみたい。

古い本だけど、ちゃんと増刷されている。さすが司馬遼太郎。
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by foggykaoru | 2015-05-31 07:34 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

ガンジス川でバタフライ

たかのてるこという人の旅行記。
この人の本はわりとよく目にするので、気にかけていた。

旅を始める前の彼女は、ものすごい怖がりだったという。
でもこんな自分じゃダメだ!と思い切った。
旅好きの兄がいたというのも大きい。

思い切ったらいきなりノープランの旅なんだから。
信じられん。

もっとも、彼女には大きな武器があった。
それは大阪のお笑いのノリ。
羨ましいなあ。そういうのを持ち合わせている人って。

旅をしているうちに、「一期一会」ということを強く感じるようになり、、、
うんうんそうだよね。
大阪のお笑いのノリがなくて、彼女ほど多くの出会いに恵まれていない私ですらそう思う。
でも、一期一会は旅先だけのことではない
人生すべて、日常生活すべて、一期一会なんだよ
と思いながら読んでいたら、彼女もやがてそう思うようになる。

ガンジス川でバタフライをしてもお腹を壊さなかった彼女は、この後、世界を旅するようになるわけで、本も何冊か出している。
読もうかな。
この本、とっても面白かったし。

でも、1回読んだらもう2度と読み直せない本なんです。
私はけっこう読み返すんです。
全部読み直すことはあまりないけれど、パラパラめくってエピソードの一つか二つを読み返すことはしょっちゅう。
でもこの本はそれすらできない。
読んで、笑って、読み終わって、本をとじたらもうおしまい、という本なのでした。

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by foggykaoru | 2015-05-05 07:05 | ルポ・ノンフィクション | Trackback(1) | Comments(0)