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秘密の心臓

ここのところ、肩胛骨に疲労がたまり、ダウンしてました。
ようやく復活の兆し。

で、読んでからけっこうたってるこの本。
『肩胛骨は翼のなごり』のデイヴィッド・アーモンドの作品です。
現実と非現実がないまぜになっているのがこの人の作風なのでしょうが、なんだかちょっと無理があるような。
そもそも私は「悩めるティーンエイジャーが何かに出会ったことがきっかけになって、問題を乗り越え、成長していく」ということがテーマになっている作品は、あまり得意ではないのです。
それでも『肩胛骨~』には私の好み云々を言わせないだけの力があった。この作品はちょっと弱い。

翻訳の面でもいろいろ「?」と思うところがあったのだが、1つを除いてすべて忘れてしまった(涙)
「翻訳って難しい」と思った点は次のポストに書きます。


この本はユーズドでしか買えないようです。
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by foggykaoru | 2012-03-29 19:00 | 児童書関連 | Trackback | Comments(0)

テメレア戦記Ⅱ: 翡翠の玉座

前巻で英国空軍でナポレオン率いるフランスと戦ったテメレアが、今度は長い航海の末、中国にまで行きます。
そもそも中国がフランスに送った卵を分捕ったといういきさつがあるので、たとえ英国にとっては正統な戦利品であっても、中国に文句を言われると弱いわけで。

で、この巻のポイントは
長~~~い航海
そして
異文化交流

航海がほんとうに長い。
もうちょっと短くてもよかったなんて言ったら、石投げられるでしょうか?

異文化。メインは中国です。イギリス人から見た中国(人)。
お粥にげげーっという顔をされると、同じ極東の住民であり、お米を食べてきた人間としては、かなり微妙な気分になる・・・というあたり、『女海賊の島』に共通するものがあります。

でも、最終的には、異文化理解・受容の方向になるところが、なかなかです。
世界史をきちんとふまえて書かれているところもすごい。

中国のドラゴンは学があって、書をたしなんでいたりするのです。
いいえすねえ。絵になりますねえ。

それにしても、つい先日、色素欠乏症の人物が登場する小説を読んだばかりなのに、今度は白いドラゴンだとは。

私にはわからない船関係の翻訳がばっちりだということだけは確か。なにしろ、あとがきに書かれている助言者がすごいですもん。

あとがきと言えば、、、このシリーズ、P.J.が映画化するつもりらしいです。
そりゃ彼の好みだわな。
きっと人間よりもドラゴンが人間らしく描かれることでありましょう。


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by foggykaoru | 2012-01-20 20:09 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)

テメレア戦記Ⅰ(追記あり)

かねてから友人@英国海軍ファンに強く勧められていた作品。
副題は『気高き王の翼』。原題『His majesty's dragon』を上手に訳してある。


時はナポレオン戦争下。
英国海軍のフリゲート艦の艦長ローレンスは、フランスのフリゲート艦との戦いに勝ち、戦利品としてドラゴンの卵を得て、ほどなくして生まれたドラゴンをテメレアと名付ける。
昔から人間はドラゴンを空飛ぶ戦艦として使っていたのであった・・・というファンタジー。

冒頭シーンがあまりにも既視感あふれていてびっくり。
あとがき読んだら「作者ナオミ・ノヴィクは映画『マスター&コマンダー』にハマって大きな影響を受けた」と書いてあり、二度びっくり。
なんだなんだ仲間じゃないの(爆)
「テメレアって確かフランス艦の名前じゃなかったっけ?」なんて思い当たるようになったのは、まさにあの映画に関連してナポレオン時代の海戦にアンテナを張るようになって以来だし。

階級感覚とか、海軍の流儀とか、あらゆるところに英国臭さがたちこめている。(作者はアメリカ人だけど。)英国マニア必読かも。

あと、ドラゴン。
人間よりもずっと上等な種(特にテメレアがその中でも最上等)が、こんなにも人間に尽くしてくれるなんて、飛行士とはなんとやりがいのある仕事なんだろう・・・絶対になれないんだけどさ。ドラゴンいないし(笑)

熱帯雨林のレビューを読むと、翻訳に関してあれこれ言われてます。
私はあまり違和感持たなかったのですが、ひとつだけ。
スコットランドの「ロック・ラガン」という地名が出てくるのですが、これは「ロッホ・ラガン」としたほうがいいのではないでしょうか。
たぶん「Loch」だと思うんです。
「ロック」というのも間違いとは言い切れない(外国語の発音をカタカナで表記すること自体、ほんとうは不可能なんだから)のでしょうが、ネス湖のことを「ロッホ・ネス」と呼ぶことはあっても、「ロック・ネス」とはあまり言いませんよね。。

ドラゴンの空中戦の記述は、もしかしたら帆船に詳しい人にはツボなのかもしれません。
私はさっぱりわからなくてすっとばしでした。子どものときからいつもそう(自爆)


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[12月8日追記]
「ロック・ラガン」の綴りは「Loch Laggan」だと教えていただきました。当たった!
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by foggykaoru | 2011-12-06 20:33 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

肩胛骨は翼のなごり

これもキャンプ前に読んだ本。

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最近、周囲でこの本が話題になり、「なんたる題名! でも面白そうだな」と思っていたら、ひょんなところで別方面から貸してもらえた。
原題は「スケリグ」。
主人公の少年の名前がマイケル。スケリグ・マイケル。そうかー

ジュブナイルです。ファンタジー仕立てで。
でも、結局どうなったんだ?と、理屈っぽい人は不満を覚えるかも。
味わいを楽しむ物語です。
でも、匂いとか、みょーに現実感があります。そう、匂い。

貸してくれた人曰く「私のいちばんのお気に入り」なんだそうです。
確かに素敵な話。私も気に入りました。

翻訳にカタカナが多すぎるのがちょっとね。
ブラックバードってのはいただけない。
昔、何かを読んだとき、この単語は「ムクドリ」だった。
辞書を引いてみたら、正確にはムクドリではないらしいけれど、せめて訳注をつけてちょうだい。
リフトが止まってケージから降りるってのも。エレベーターでしょっ!


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by foggykaoru | 2011-07-26 19:32 | 児童書関連 | Trackback | Comments(12)

クロノスの飛翔

中村弦著。
2008年に建築にまつわる作品で日本ファンタジーノベル大賞を受賞したこの人、私はちょっと注目しているのですが、1年に1作しか書かない(少なくとも今のところは)という寡作な作家なので忘れかけていて、久しぶりに行った本屋で偶然見つけました。ああよかった。

クロノスとは、なんと伝書バトなのです。もうそれだけでランサムファン必読です。
しかも大活躍する。私に言わせれば主役です。あっ、だからタイトルになったのか(笑) 
読み終わったとき、クロノスのファンになってました♪

伝書バトが昔はどれほど重要な通信手段だったかを知らない人には、新鮮な驚きが多いかも。

ただし、帯(裏表紙にわたっているほう)はネタバレなので読まないほうがいいです。
私は表しか見ないで買って、(頼んだわけじゃないのに)その場でカバーをかけられてしまったので、佳境に入ったときの感動は相当なものでした。
あの本屋のカバー、過剰サービスだと思っていたんだけど、今回ばかりはニッポンの本屋に拍手!(爆)

ちょいと「公安もの」が入っているので、最初のうちは、以前けっこう読んでいた逢坂剛とか高村薫を思い出したりしました。最終的には全然似てないんだけど。なにしろファンタジー大賞取った人だから。

この作家の特徴は読んだあと、心がほっこりするところ。
その温かさを甘さと見て、批判する人もいるかもしれないけど、私は好きです。
高村薫よりも10倍好き。
あの人の作品はすごいけど、読んだ後どうしようもなく憂鬱になっちゃうから読むのをやめたのよ。

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ネタバレです。
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by foggykaoru | 2011-06-16 20:28 | 普通の小説 | Trackback | Comments(8)

グリーン・ノウの石

ブリティッシュヒルズに行く前にテンションを上げるために取りかかった「グリーン・ノウ」シリーズでしたが、この最終巻は帰ってきてから読みました。

大団円。
これを楽しむには、このシリーズを読んであることが必須条件。
終わりの寂しさはあるけれど、この巻があってよかった。

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一応ネタバレ
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by foggykaoru | 2011-05-10 20:50 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)

グリーン・ノウの魔女

グリーン・ノウ・シリーズの第5弾。

このシリーズの主人公は
第1作と第2作がトーリー
第3作がアイダとオスカーとピン
第4作がピン
というふう変遷をたどっています。

これはランサムで言えば
『ツバメ号とアマゾン号』『ツバメの谷』の次に、いきなり『オオバンクラブの無法者』がくるようなもの。
そのあとにDきょうだい単独の作品があって・・・

この『グリーン・ノウの魔女』は、そのあとにようやく出た『長い冬休み』みたいな作品。
ここに至ってトーリーとピンが顔を合わせるのです。
読者としては嬉しくないわけがありません。
その上、オールドノウ夫人と最強のトリオを組んで活躍してくれます。
この点は「買い」です。

で、内容なのですが、表題どおりの作品。魔女と黒魔術のオンパレード。
第4作とはえらい変わりようだが、これはこれで面白かった。
特に魔女の描き方がうまい。
でも、カーネギー賞を取れるのは第4作のほう。

それにしても、このシリーズの作品は突然終わるなあ。
まるで「シロクマ号となぞの鳥」みたいだ。


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by foggykaoru | 2011-05-05 16:39 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)

グリーン・ノウの川

「グリーン・ノウ」シリーズ第3弾。

前2作とはがらりと趣を異にする。
登場人物も違うし、なによりも、「古い屋敷」とそこに住む霊の話ではない。
今回の舞台はタイトルどおり「川」。
子どもたちがボートを漕いで、屋敷の周囲を探索する話なのである。
だから、ちょびっとランサムの匂いがする。
そこは悪くないんだけどね・・・。

でも、うーん・・・

なんだか中途半端なのです。
結末も変だし。

正直、続きを読もうという気分にはなれませんでした。
「次は面白いよ!」という強いプッシュがあれば、読むかもしれないけど。

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by foggykaoru | 2011-04-23 19:14 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

パワー

『西のはての年代記』の最終巻。

このシリーズは巻を追うごとに「不可思議」系要素が薄くなる。そしてこの本、3冊の中でいちばん厚い。

舞台は「西のはて」にある都市国家。その奴隷制に基づく社会システムが、主人公である少年奴隷の目を通して、丹念に描かれる。やがて、運命に翻弄された彼はさまざまの環境で、さまざまの経験をしていくのだが、その描写は非常に説得力があるし、わかりやすい。歴史小説の肌合いで、時として「文化人類学入門」?
近代国家において、奴隷制を採用している社会は無いのだけれど、果たして我々は真に自由人となったのだろうか?奴隷ではないと言えるのか?・・・なあんてことを考えさせてくれる。

なぜか最初はとっつきが悪かったのだけれど、そこさえ乗り越えるとあとはとても読みやすかった。途中でやめられず、1日で読了した。読み終わったとたん、あちこちを読み返した。そのぐらい気に入った。

ル=グインに慣れたのかな?(笑)


本の内容とは関係ないけれど、この3部作、いまどきの作品名ですよね。
「ギフト」は作品中で「たまもの」と訳されているのですが、作品名としては採用しにくい。
「声」「力」というのもねえ。
一昔前だったら、原題とはまったく違ったものにしたことでしょう。
(『Peter Duck』が『ヤマネコ号の冒険』、『Miss Lee』が『女海賊の島』になったという実例がある)

この際、タイトルには文句言いません。
でもこれだけは言わせてください。
「カウボーイ」は「牛飼い」でしょう! 西部劇じゃないんだからさ。


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『西のはての年代記』の他の巻の感想文はこちらこちら
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by foggykaoru | 2011-04-17 20:30 | 児童書関連 | Trackback | Comments(6)

ヴォイス

『西のはての年代記』の2作目。

若干SFの匂いがした前作とは違い、こちらは100パーセント、フォークロアっぽいファンタジーなので、ほっとしました。
そして、前作では抑圧のタネが父親で、「少年の苦しみと成長」がメインだったのに対し、こちらは侵略者からの抑圧に耐える民の話。このほうが気が楽でした。
どうやら、自分の内にある問題よりも、外的抑圧のほうが、まだ耐えられるようです。(こう感じるのは私だけなのでしょうか、それとも一般的にそうなのでしょうか?)

敵である侵略者も、主人公の側も、のっぺりと一面的でないところがいい。

そして、タイトルともなっている『ヴォイス』、つまり声。つまり語ること。
何かを語る声が、ここぞというときに、どれほど力を持つか。
難局においてリーダーに求められる資質のひとつなのでしょう。

注:このへん脱線です。作者がこの本にこめたことは多岐にわたっていうので、興味のある方はご自分で読んでみてください。
それにつけても我が国のリーダー、語れませんなあ(ため息)
今の日本に必要なのは、まともな語り部なのだと、実感しました。
(まともじゃない語り部は不要。それは単なる扇動者。)


まだ3作を読んでいないから、早すぎるかもしれませんが、あえて言ってしまいましょう。
このシリーズは、多感な10代にこそ読んでもらいたい。
普通にファンタジーだと思って楽しみながら読んでいるうちに、心の中に「知」の種が播かれることでしょう。それは教科書や授業では、おそらく教わることがない、深い「知」なのです。

でも、というより、だから、あまり私の好みではないのです。
人生後半にさしかかったオバサンには、そういうことすべてが透けて見えてしまう。それがうるさいのよ。身も蓋もなくてゴメンね。

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ここから後も脱線。
本とは直接関係ないのでご注意ください。

日本には、ビジョンを語り、将来へ導いてくれる人がいない。

昔から「日本は国民は優秀だけど、トップがダメ」という話はありましたが、福島原発問題を通じて、そのことが全世界に知れ渡ってしまったんじゃないかと。

今まで数十カ国を旅して、いちばん優しい人々に出会ったのはミャンマーでした。
「こんなに優しい人たちが、なぜ軍事政権にひどい目に遇わされなければならないのか?」という疑問を抱き、「もしかしたら、優しいからこそ、いいようにやられちゃうのではないか」と思いいたりました。
そして、その思いは自然に我が日本へ。
「日本の場合、国民が真面目でおとなしいから、リーダーが育たないんだろうな」と。
理屈っぽくて自己主張の強い国民を抱えた国(たとえばフランスね)のリーダーは、普段から自国民に鍛えられてるから、良きにつけ悪しきにつけ、リーダーらしさが身に備わっているのではないかと。サルコジは嫌いだけどさ。
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by foggykaoru | 2011-04-14 20:04 | 児童書関連 | Trackback | Comments(6)