タグ:ファンタジー ( 73 ) タグの人気記事

夢の書

O.R.メリングの妖精ファンタジーシリーズ最終巻。
なんと上下2冊、しかも二段組み!!

書き進むにつれてどんどん長くなっていったシリーズとしてはハリー・ポッターが記憶に新しいけれど、最後になってこれって何?!
しかも、ただ長くなっただけではない。
またもやうまくなっている!! 
3巻でケチつけた表現力というか、「映像喚起力」ですが、この巻はすごいです。文句のつけようがない。
ホップ・ステップ・ジャンプの次は何と言うんだろう・・・?
女の子が主人公、そして胸キュン場面あり、ということで、明らかに女性向きではありますが、勇気のある男性にもお薦めです。

メリングさん、1巻と2巻、書きなおしませんか? 
それが無理ならせめて1巻だけでも。

翻訳は・・・
「スピリット」が気になります。
「精霊」って訳しているところもあるんです。邪悪なほうに関して1か所。
こっち側はすべて「スピリット」。
よけいな知恵のある大人は、「なんで素直に精霊じゃないのかい。酒の意味でもふくんでいるんかい?」なんてよけいなことを考えてしまったりして(苦笑)
あと、フランス語の振り仮名が少なくとも2か所間違ってます。
井辻さんは「影の王」でも、ロンドンの地名の発音を間違ってたんですよね(ぶつぶつ)

O.R.メリングの著作はこちら
うーん、、、品切れが多いですねえ。
1960年代に刊行されたランサム全集は忘れたころに増刷してくれていたけれど、あれは岩波。腐っても岩波(笑)
「メニム一家の物語」は1990年代後半刊行だけど、いっこうに増刷の気配無し。忘れ去られるに任せてる。講談社はそういう会社? それとも、そういうご時世なんでしょうか?



そして

トロント在住経験のある友よ。
あなたにはさぞかしツボだったことでしょう。
それにしても「妖精王」でかなりめげていた私に、あなたの励ましは貴重でした。
正直、あれがなかったら読まなかったです。
フィンガルが出てきたときにはおったまげました。
あなたのブログをまた見に行きました。あの洞窟には入れないですよね。
聖ブランダン関連の話、今まで流しちゃってましたが、何を読むべきか教えてください。


タグが「イギリス」だと申し訳ないので、「ファンタジー」新設しました。
最近はそれほどファンタジー体質じゃなくなっていると思って、あえて作ってなかったのですが、なんとなく今後読むチャンスが増えそうな予感(!)がするので。

ネタバレです。
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by foggykaoru | 2010-10-03 08:29 | 児童書関連 | Trackback(1) | Comments(6)

光をはこぶ娘

O.R.メリングのアイルランド妖精ファンタジー第3弾。

友人の言葉どおりでした。
第1作第2作、そしてこの作品と、どんどん良くなっています。
「メリングさん、小説の書き方がわかってきたじゃん」と肩をたたいてあげたい感じ(笑)

この作品は段落が変わったとたんに場面が飛ぶようなところは皆無。
ということは、第2作は抄訳じゃなかったようです。
濡れ衣着せちゃってごめんよ>講談社

翻訳に関しても、カタカナが多めなのが気になる程度で。

そして作者のアイルランド愛の深さ。
最初からある程度感じられたのですが、作品を追うごとにどんどん濃厚になっています。
この愛の強さは、アイルランドに生まれ育ったのではなく、一度アイルランドを離れたことがあるからこそなのでは。

ずっと同じ場所にいるよりも、一度は離れてみたほうが、愛する気持ちが強くなる、ということはあるんじゃないでしょうか。
「場所」というのは、地理的な意味だけでなく、精神的なよりどころも含めます。

たとえばC.S.ルイス。
ずっと無神論者だったのが、中年になってキリスト教徒になった。
あのキリスト教讃歌とも言えるナルニアを書いたのは、彼にとってキリスト教がまさに「マイブーム」になったときですから。



タグは相変わらず「イギリス」です。
メリングさん、ごめんね。

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by foggykaoru | 2010-09-30 22:17 | 児童書関連 | Trackback | Comments(6)

夏の王

オバサンにはひじょーにしんどかった「妖精王の月」でしたが、「シリーズの後のほうになるとどんどん深く、良くなっていく」という友人の言葉に励まされ、図書館でちらっと読んでみたら、、、
ふむふむ、これは確かに前より良さそう。

というわけで借りて読んでみたのです。

オバサンが必要としていた「日常」もある程度描かれているし、こっちはかなりイケました。

でもやっぱりちょっとめまぐるしい。
「タメ」とか「間」が足りないのです。
芝居でも「間」はとても大切。
同じ台本でも、「間」や「タイミング」が適切であるかどうかで、観る人に与える感動が大きく違ってくる。

もしかしてこれは抄訳なんじゃないでしょうか。
じゃなければ「訳抜け」が多い。
段落と段落の間にせめてあと1文あれば、というところがたくさんあるんです。

かの岩波ですら、(誤訳や校正ミスはもちろんのこと)ちょいちょい訳抜けがあるということは、「ランサム・サガ補完計画」関係者には周知の事実。
ましてやこれは講談社です。

悪いけど、私は講談社には個人的な恨みがあります。
「メニム一家の物語」シリーズが何巻目なのか、字が小さすぎて読めず、うっかり後の巻を先に読まされてしまったという恨みが。

あと、やっぱり翻訳です。
「どうもここってうまくないんじゃないの? 私だったらこう訳すわ」
なあんて思ってしまうんです。
原文読んでない読者にそんなことを思わせる翻訳ってどうよ。

あと、異世界がぱーっと現れる場面の感動度が、たとえば「闇の戦い」シリーズあたりには遠く及ばない。
原作者の力量の差なのか、はたまた翻訳者の責任なのかはわかりませんが。
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by foggykaoru | 2010-09-29 21:19 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)

ブリジンガメンの魔法の宝石

ジェットコースターみたいな「妖精王の月」についていけなかったので、もうちょっと古典的なファンタジーを読んでみようということで、アラン・ガーナー作のこの作品を手にとりました。

うん。こっちのほうが入れます。

ガーナーは「ふくろう模様の皿」しか読んだことがないのだけれど、ウェールズの山々を見たくてたまらなくなったものでした。その後、「灰色の王」を読んで、さらにその気持ちを強くして、「クーパー&ランサム合わせ技の旅」に出たのです。(このときの旅行記はメインサイトの「児童文学の旅」にあります。よろしければどうぞ。)

で、この作品。
「妖精王」に描かれる、パステルカラーの少女マンガみたいなアイルランドとうってかわって、とにかく暗い。これって土地柄の違い?それとも作風の違い?

両方ありそう。
アイルランドを旅したときは毎日雨に振られたけれど、暗いイメージはあまりなかったのです。
一方、ウェールズの旅、、予想外の好天に恵まれたけれど、ちょっと暗かった。山は全然高くないのだけれど、とにかく迫ってくる。そして、谷間の底には何かがいそうな感じがしないでもない。

物語としては、なんというか、指輪物語を思い出してしまいました。

あと、ガーナーっていきなり終わるのね。
「ふくろう模様」は、どんどん広がっていって、「おいおいっ、ここで終わるんかい!」と思ったもの。
この話は解決を見ているから、終わっていいんだけど、それにしてもいきなりです。

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by foggykaoru | 2010-09-25 18:13 | 児童書関連 | Trackback | Comments(4)

妖精王の月

O.R.メリングという生粋のアイルランド人作家による、アイルランドを舞台にしたケルト妖精ファンタジー。

いまだに疲れが取れないので、するする楽に読めそうなものをと思って手に取ったのですが・・・
ふう。。。ぜんぜん楽じゃなかった。
却って疲れてしまいました。

従姉妹同士である2人の少女たちが、ひょんなことから妖精と関わりを持ち、最後は壮大な戦いに立ち向かう。その間に胸キュンな恋もあり・・・という、とっても女の子向けのお話です。

人間が異世界と関わりを持つというタイプのファンタジーに、私は十分慣れているはずなのだけれど、前ふりがなくていきなりドッカーン!というのには驚きました。
まるでジェットコースター。
私としては、その前にまず、その人物の日常をしっかり描いてほしい。
日常とか現実あってこそ、異世界の輝きが増すというものでしょ。

こういうのが今どきのファンタジーなのかなあ。

映画「天使と悪魔」を連想してしまいました。
あれは「殺人オリエンテーリングinローマ」だったけれど、これはさしずめ「フェアリー・オリエンテーリングinアイルランド」。

そして、読みにくさは単に私の頭が疲れているせい?
井辻さんの翻訳なのだけれど、たびたび登場する「フェアリーランド」という表現、私好みではありません。「サイドディッシュ」なんて表現も出てくるし。そりゃあ「おかず」と訳すのは抵抗があるでしょうよ。

でもね。
なんでも日本語で表わそうと悪戦苦闘したちょっと前の翻訳家に比べて、今の人は楽ですねえ。

それとも、昨今の女の子たちにはこういう翻訳のほうがウケがいいと思ってそうしているのでしょうか。

あえて言わせえてもらえば、そういう態度は志が高くないと思います。

かなりけなしてしまったけれど、ケルトの伝承を下敷きにしているから、お気に入りの「闇の戦いシリーズ」に共通するところ、似ているところがあるのは、ちょっと嬉しかったりしました。


便宜的にタグは「イギリス」にしておきます。
アイルランド人、ごめん!



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by foggykaoru | 2010-09-24 23:58 | 児童書関連 | Trackback | Comments(11)

「テツ」の感想を知りたいです

「ロスト・トレイン」読了。
去年から個人的に注目している作家・中村弦氏の第二弾です。

建築をモチーフにした前作のほうが、この作家ならではの作品だったのだろうけれど、もはや「ファンタジー読み」ではなくなってしまっている私にとっては、推理小説の匂いのある本作のほうがとっつきやすく、一気に読んでしまいました。

表題どおり、鉄道、特に廃線をめぐる物語。
私みたいな素人は「ふむふむそうなのか」と読むしかないのですが、「テツ」が読んだらどう感じるのでしょうか。とても興味があります。

(前回も思ったかもしれないけど)今回つくづく思ったこと。
文章に魅力があります。
読みやすくて、ほんのりと温かみがある。
それに加えて映像的。
引退した「ファンタジー読み」である私ですら、クライマックスはまるで映画を観ているよう。脳内に描かれるめくるめく映像に魅了されました。
新潮社のサイトのインタビュー記事を読むと、もしかして「ひねり出した」ネタなのかな?と思わないでもないのですが、こういう文章が書ける人は、あんまりネタがなくても、なんとなく人を惹きつける作品を書き続けられるのではないでしょうか・・・なあんてね。そんな偉そうなことを言う資格があるのか私に(自爆)

結末に関しては、不満を持つ人もいるかも。
でも私は納得です。
人と人の関わりは、本質的にはそういうことだと思うから。

小河内線は実在するのですよね?
ちょっと行ってみたかったりして。


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by foggykaoru | 2009-12-05 20:15 | 普通の小説 | Trackback | Comments(14)

『かはたれ』『たそかれ』

Titmouseさんご推奨の児童書。ずっと前から読まなくちゃと思っていた。

『かはたれ』は最初の4分の1ぐらいまでは遅々として進まなかった。どうも入り込めなくて。
以前から思っているのだが(そしてしばしば口にしているのだが)、私は英国児童文学で育ったためか、児童書を読むときには無意識のうちに「英国の香り」を求めてしまうようで、あんまり日本の児童書はぴんとこないのである。
今回も「河童かあ・・・。ネズミの騎士とかエルフとかのほうが好みなんだけどなあ」と、図書館に返してしまおうかとすら思ったぐらい、のれなかった。
でも、主人公がめちゃくちゃかわいいので、それに免じて我慢していたら、突如あるところでギアがトップに入り、あっという間に読了。
涙をふく間も惜しんで『たそかれ』に突入した。
そしてついさっき、喫茶店で読み終わった。
お勘定をするとき、目が赤くなっているのを店の人に気づかれやしないかと、気が気じゃなかった。

著者の朽木祥という人と私は同世代。
そして、私と同じような本を読んで育った(ということを確かな筋から聞いている)
若いときにそれと知らずにすぐ近くにいて、すれちがったこともあるかもしれない。いや、絶対にあったはず。
ああ、あのころに知り合えていたら、どんなに感動したことだろう。
(そういう人、少なくないんだけどね。ラッコ庵さんとか。)

妙にツボだったのは以下のくだり。
そもそもお父さんは、フィクションはあまり読まない。『さまよえる湖』とか『エンデュアランス号の漂流』とか、そういう類の本が好きなのだ。

なーんとなく、フラム号の本棚を物色するドロシアを彷彿とさせません?


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それにしても渋いタイトルだこと。
子供に媚びないっていうか。
編集者は異議を唱えなかったんだろうか?
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by foggykaoru | 2009-10-08 19:49 | 児童書関連 | Trackback(2) | Comments(4)

床下の小人たち

メアリー・ノートン作。
名作の誉れ高いこの作品、子供のころに読んだことはあったのだけれど、すっかり忘れてしまったので、前々から再読してみたいと思っていた。

読んでみて。
いかにもイギリスの児童文学だ。(ノートンはアメリカに住んだこともあるそうだけれど。)
この作品の小人は、おそらくケルトの伝説あたりからヒントを得たものなのだろう。
そして、昔からの空気がそのまま動かずにとどまっているような、古くて大きいお屋敷が必須。
たとえば「メニム一家の物語」あたりが、こういった作品の延長上にあるのだろうな。

でも、大好きかどうかと問われると、ちょっとね。(メニム一家は大好きだけど。)
だからすっかり忘れてしまったのだろう。
名作と呼ぶことには異存はないのだが。

たぶん、私にとっては、ドキドキハラハラの部分が多すぎるのだろう。
まったりのんびりした場面が少ないのだ。
私にとってはね。

小人一家の日常生活の描写が少ないわけではない。でも、一家とは言っても、たったの3人しかいないから、丁寧に書いても知れてるのです。
そして、主人公アリエッティと人間との交流。これもきちんと書かれている。
でも、まったりした部分はあんまりなくて、話はどんどん展開していき、あっと言う間にピーンチ!になってしまうわけだ。

最後の盛り上がりはすごい。
そしてメイおばさんの最後の一言。うまい。
もしかしたら、続編はもっと私好みなのかもしれないという気にさせる終わり方です。
(これを書いた当時、ノートンに続編を書く意思があったのかどうかは知らないけれど。)

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by foggykaoru | 2009-07-24 21:22 | 児童書関連 | Trackback(1) | Comments(4)

緑の模様画

ちょっと前に私の周囲で話題になった児童書。著者は高楼方子という人。

なぜ話題になったか。
このブログをいつも見てくださっている方なら予想がつくはず。

というわけで、物語はランサム、、、ではなくて、とある有名な児童文学作品をめぐって進行していきます。
そして、プロットは、ランサム、、、ではない、もうひとつのとある有名な児童文学作品に酷似しています。その作品に「インスパイアされて書いた」ということなのでしょう。でも、「パクリだ」と批判されてもしょうがない・・・かも。

でも私はじんわり感動しました。
もとネタの作品よりも切なくて、泣きました。

限りなく同年代なんです。この著者は。
この作品は年のいった人でなければ書けない。
そして、年のいった人のほうが泣ける。

で、なぜ話題になったか。
著者がランサム好きだということが明確にわかる部分があるから。
そこにランサムが出てこなければならないという必然性はゼロ。なのに、わかる人にはわかるように書かれている。(知らない人には何がなんだかわからない。)ということは、高楼さんはランサムが大好きなのです。間違いない。

思えば、今をさかのぼること10年前、1999年2月のある日、インターネットなるものを始めたばかりの私は、思いもしないところでランサム関係のウェブサイトにめぐり会ったのでした。(詳細はこちら。) あの出会いはその後の私の人生を変えました。

愛読書をともにする人の存在は、かけがえのないもの。
そのことを身をもって体験しているだけに、この本は心にびんびん響きました。


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by foggykaoru | 2009-05-19 21:49 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)

「天使の歩廊--ある建築家をめぐる物語」

中村弦著。今年度の日本ファンタジーノベル大賞受賞作。候補作品の中でダントツだったそうで、即受賞が決定したとか。

その内容は・・・帯に書かれたコピー以上のものは書けません。まさにこのとおり。
天使の幻影に魅入られた造家師と、その優しい奇跡に酔いしれる人たちの華麗な輪舞曲
造家師というのは、今でいうところの建築家。
要するに天才建築家と、彼に家を注文した顧客、そしてその家の物語です、、なんて言い方すると、夢もへったくれもなくなってしまう(苦笑) 私の紹介なんかよりも、実際に作品を読んでみてください。コピーがいかに的確であるかがわかるはず。

建物というのはその中に住む人、あるいは一時的であってもその中に身を置く人に、なんらかの影響を及ぼすものです。

たとえば旅の宿。居心地の良い宿と悪い宿の違い。これはアメニティーが整っているかどうかなどということとは全く次元の異なる問題だと思います。スタッフの心遣いも大きく影響するけれど、それはおいといて。
そこに身を置いたとき、ほっとする空間であるかどうか。
私が今までに泊まった宿の中で、最高に居心地がよかったのは、上海の浦江飯店。あまりにも居心地良くて、うかうかしていると観光に出かけそびれるほどでした。(携帯で撮ったピンボケ写真はこちらのページの下のほうにあります。)
その次に印象に残っているのは、南仏アルルのホテルの、部屋、じゃなくて階段。毎日上り下りするたびに感動してました。(写真はこのページの一番下。)

日本では残念ながらそういう体験をしたことはない(というか、私は日本ではほとんど旅をしないのです)けれど。
あっそうだ、表参道ヒルズにはちょっと感動しました。なだらかなスロープで地下におりていく周回路と吹き抜けに。あそこは屋内で散策が楽しめるという点で、稀有な建物ではないでしょうか。バリアフリーとかいった配慮を優先する人には評判悪いだろうけれど。それに、あの建物はただ散策されるだけではダメなんですよね。買い物しようという気にさせなくてはならない。そういう意味ではあまり成功していない?

話がずんずんそれてしまいました。

この小説は短編集のような体裁で、それが最後にはひとつにまとまります。
短編は二つのタイプに分かれます。
「天才建築家のたどった人生のエピソードに関するもの」と「彼が建てた家に関するもの」に。
私が好きなのは後者です。それぞれ温かい余韻に包まれている。特に「忘れ川」の最後の一文が好きです。

「ファンタジー」という点を重視するなら、建築家自身をあまり登場させないほうがよかったのかもしれない。つまり、彼の人生を謎に包まれたままにするほうがよかったのかも。

でも、もしそういう形だったら、逆に欲求不満を覚えたかもしれない・・・。かもしれないどころか、絶対にそう。

小学生のころ建築家になりたかった私は、住宅がポイントになっている小説では間取り図が無いことを物足りなく思うことがままあるのですが、この小説に関しては、そういう不満はありません。というか、この場合、そんなものがあっては台無しです。

建物が好きな人、ノスタルジックな雰囲気が好きな人に特にお薦め。
歴史好きにも。

この本に関する情報はこちら

著者の中村弦氏に興味のある方はこのページをご覧ください。
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by foggykaoru | 2008-12-11 21:16 | 普通の小説 | Trackback(1) | Comments(13)