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マクドナルド著「ふんわり王女」(太平出版社刊)

脇さんの本を読んで、読んでみたくなったマクドナルド。
最初に図書館で見つけたのはちくま文庫の「黄金の鍵」でした。
でも、koujitu3さんが、お薦めなのは違う訳だと教えてくださったので、再度図書館に足を運び、借りてきたのがこれ。

読んでみてなるほどと思いました。
まさに「ふんわり」した訳で。

たとえばこんなふうに。

この公女は、年とったまえの王さまと、とても気まずいことになっていました。それで、まえの王さまは、ゆいごん状を書くときに、公女のことをわざとわすれてしまいました。


きれいな日本語だわ~
でも、「気まずいことになる」って、もとの英語では何なのかしら?
そう思って、ちくま文庫の「黄金の鍵」に収録されている「かるい姫」を見てみたら、

マケムノイトは実はふたりの父である前王と仲たがいをしていたので、前王が遺言分けの遺言状を書くときにマケムノイトの名前を落としておいた。


なるほど。こっちは原文が透けて見えるような訳です。おそらくこっちのほうが正確さという点では上なのでしょう。

私としては、「ふんわり王女」のほうに軍配を上げたいです。

もしも私が小さいときに、この訳者によるこのシリーズに出会っていたら、きっと片端から読んだことでしょう。koujitu3さんのお子さんは幸せです。

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by foggykaoru | 2006-12-09 18:19 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

ファージョン作「ムギと王さま---本の小べや1」

脇さんの本にファージョンの「リンゴ畑のマーティン・ピピン」についての言及があり、面白そうだなと思って図書館に行き、勘違いして借りてきてしまったのがこれです。

電車の中で読んでいて、乗り越してしまったのが1回。
同じく、電車の中で読んでいて、目頭が熱くなってしまい、ちょっと焦ったのが1回。
というわけで、かなり、いや、非常に、気に入ったのでした。
古典とか、名作と呼ばれるものの持つ力を思い知らされました。

私が子どもだったころ、岩波少年文庫の「ムギと王さま」は1冊だけでした。今は収録作品を増やして2分冊、つまり「本の小べや1」と「2」になってます。

この本に収録されているのは以下のとおり。

(1)ムギと王さま
(2)月がほしいと王女さまが泣いた
(3)ヤング・ケート
(4)名のない花
(5)金魚
(6)レモン色の子犬
(7)貧しい島の奇跡
(8)モモの木をたすけた女の子
(9)西ノ森
(10)手まわしオルガン
(11)巨人と小人
(12)小さな仕立屋さん
(13)おくさまの部屋
(14)七ばんめの王女

まず、(1)でちょっと驚いた。題名のイメージから、もっとほんわかした王様の話だと思い込んでいたので。
(2)はめくるめくナンセンス。こういうの、私は好きです。
(4)はなんとも微妙な味わいのあるお話。「大人の社会に対する批判」とか、一言で片づけるのは簡単だけど。
(5)(6)(7)(8)あたりは、下手をすると、道徳の教科書に載せられてしまいそうなお話。そして、親というのは、ついつい「ためになるから」と思って、こういう話を子どもに読ませたくなるものかもしれませんが、そういうのは邪道だし、逆効果だと思います。子どもにとって、本は面白ければいいのであって、本から教訓をくみ取らせようとするのは、大人の勝手です。
(9)は主人公の若い王様と、その小間使いのキャラが新鮮で爽快。
(10)は小品ですが、「これぞファンタジー」と私が言いたくなるのは、こういう作品。
(12)は定石どおりの話かと思ったら、やられました。
(14)は、、、、何と言えばいいのでしょうね。このおきさきさまの気持ち。王さまとしては、すべて「よかれ」と思ってしたことなのですが。深く考えさせられます。これは大人のためのお話かも。


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by foggykaoru | 2006-11-22 20:28 | 児童書関連 | Trackback | Comments(10)

ルイスとトールキン

いつまでも「世界ふしぎ発見」を引っ張ってごめんなさい。あともうちょっとだけ。

「ナルニア」の名前の由縁と、ルーシィがなぜルーシィなのかということを説明してましたが、そのネタもとは、たぶんこの本
なぜピーターがピーターなのかということも書いてあります。

この本の著者は、日本の大学で英文学を教えているイギリス人神父。オックスフォードで学んだ人で、ありし日のC.S.ルイス教授とトールキン教授を見知っています。学生の目に映った2人はいろいろな面で対照的だったようです。

私にとって、今回の番組の一番のツボは「子供たちからのファンレターに、ルイスは『ナルニアの物語の残りを書くのはあなたです』という返事をした」というところでした。
指輪愛読者からいろいろ訊かれるたびに、「あっ、また質問がきちゃった! いかんいかん」と、延々「終わらざりし物語」を書き続けたトールキン教授。

どこまでも正反対の2人です。
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by foggykaoru | 2006-02-22 20:19 | 児童書関連 | Trackback | Comments(7)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著「魔法使いハウルと火の悪魔」(徳間書店)

c0025724_14195336.jpg泣く子も黙るジブリアニメ「ハウルの動く城」の原作。

老婆に変えられてからのソフィーの心理描写がいい。
「実際に年を取ってみたら、思っていたほど恐ろしいことではないし、却って楽なこともある」
うんうん、この感じ、わかるなあ。身体のあちこちにガタがきたりもするが、年をとってからの人生というのは、意外に楽しいものだなあと、私は実感している。(まだ90歳にはほど遠いひよっこの私がこんなことを言うと、ソフィーに笑われるかもしれないが。)

若いお嬢さんたち、オバンになることを恐れることはないのですよ。

感受性が鋭くて吸収力のある子供のときに、この本を読んで、そういうことを知っておくのは、悪いことではないと思う。物事を多面的に捉える助けにもなろう。

それにしても、こんなふうに書けるのはオバンに違いないと思ったら、作者が52歳の時の作品だそうだ。やっぱりね。

このソフィーの気持ちを、アニメではどのように表現しているのだろうか。一番簡単なのは、台詞で直接言わせることだが。
また、この作品を映像化するには、魔法使いハウルを魅力的に描けなければお話にならないが、この点に関しては、既にアニメを観た友人たちが「彼を観るだけでも、十分観に行く甲斐がある」と言っていたので、きっと大丈夫なのだろう。
個人的には、スライスしたタマネギの輪っかをハウルが指でくるくるする場面が妙に印象に残ったのだが、アニメにはそういう場面はあるのだろうか? たぶん無いだろうな。

この本を読んだ直後、ひょんなことから「7リーグ靴」という題名のフランス文学作品を見つけた。(原題"Les bottes de sept lieues")  マルセル・エーメ作の短編である。まだ最初の数ページしか読んでいないが、舞台は現代のパリのモンマルトルで、子供たちが「おい、古道具屋に7リーグ靴が出ているぜ」とか言っている模様。最後まで読むかは未定。元気があったら読みます。なにしろ原書なので(汗)

7リーグ靴のことが気になったので、さらに調べてみると、イギリスの「親指トム」と、フランスの「親指小僧」(←ペローの童話)に出てくるのだということがわかった。この2つの話は、題名には耳なじみがある(ひょっとしたら読んだことがあるのかもしれない)が、どちらもはっきりとは内容を知らない。きっと元は同じものなのだろう。そして、それはケルトの伝承であるに違いない。ペローの「青ひげ」も、元はと言えばブルターニュの言い伝えらしいし。(「騎士と妖精」参照) そして、ハウルはウェールズ出身。イギリスの場合、魔法とか魔法使いというと、やっぱりウェールズとかコンウォールなのだわねえ・・・と、このところ妙にケルトづいた読書傾向になっているのは、単なる偶然なのだけれど、間接的には指輪物語の影響です。

ちなみに、翻訳者は経歴からして神宮輝夫先生つながりの人。なんとなく嬉しかったりして。
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by foggykaoru | 2005-01-13 21:10 | 児童書関連 | Trackback(2)