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旅をする木

これも旅の前に読んだんでした。

星野道夫著。
本屋に行くと、しょっちゅう目につき、ずっと前から気になっていた本です。

でも、アラスカの話でしょ。
私は自然ばかりのところは得意じゃない。
興味があるのは、人間の暮らし。営み。
しかも、しみじみしていて、じっくり味わう本でしょ。
そういうのも、実はあんまり得意じゃないのよ。

と思って、ずーっとスルーしていたのですが、今回、ブック○フで108円だったので、ちょっと勇気を奮って読んでみたのです。

1999年第1刷。2016年第33刷。
すごいロングセラー。いつも本屋にあるわけだ。

読んでみて

確かにしみじみ。
じっくり味わうタイプの本。
でも、思いのほか楽しめた。
星野さんの文章力に負うところが大きいと思う。
厳しい大自然に囲まれてみたいという気になる。

さらに、とても意外だったことがひとつ。

星野さんがアラスカに惹かれたきっかけは、北のさいはての集落の写真。
厳しい大自然の中で暮らす人々が、彼の興味の対象だったのだ。

そこにぐっときました。
星野さんを身近に感じました。



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by foggykaoru | 2017-08-25 22:07 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

その名にちなんで

実家に山とある本の中から、拾い上げてきた。
なんでもかんでも古本屋に払うのも申し訳ないと思って。

ジュンパ・ラヒリというインド系アメリカ人作家の小説である。

インド移民二世である主人公に与えられた名前は「ゴーゴリ」。
彼の半生をとても淡々と描いている。アイデンティティ探しの物語。

もともとすごく読みたかったわけではないうえに、この本を読んでいる最中に「不可触民」を古本屋で見つけて、インドの暗黒面を読んでしまった。
なので、再びこの本に戻るときは、「しょせんはカーストヒンズーの恵まれた話だよねえ」という、かなり白けた気分だったのだけれど、物語としては悪くない。淡々としているけれど、退屈はしない。
小説好きにはお薦めできる。

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by foggykaoru | 2015-06-21 21:37 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

チャリング・クロス街84番地

半身浴のおともは本。お風呂のふたの上に本を置いて読むのです。本はまったく濡れません。みなさんもお試しを。というわけで、最近、読書がはかどっています。

この本は映画化されていて、昨年、ARCのクリスマス会で観ました。その後、古本屋で見つけて、「これは読めってことね」

ヘレーン・ハンフ編著。
なぜ「編」の字があるかというと、実際にやりとりした手紙をもとにしているから。

ニューヨーク在住のハンフが、ロンドンのチャリング・クロス街にある古本屋に本の注文をする。そのやりとりが何十年も続く。

映画を観てあるので、すべてネタバレ状態で読んだのですが、よかったです。読み終わってすぐ、読みなおしました。なんともしみじみしていて、いい味なのです。

この味わいは翻訳の良さに負うところもあると思います。日本語が美しい。
訳者は江藤淳。彼の文章はまともに読んだことがなかったのだけれど、さすが。

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by foggykaoru | 2013-04-03 20:00 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

アーミッシュに生まれてよかった

前項からの勢いでご紹介。
かなり前に読んだ児童書です。作者はミルドレッド・ジョーダンという人。

主人公はアーミッシュの村に生まれた少女。
まず、その禁欲的なコミュニティーの描写に単純にびっくりです。

確か、主人公はリボンか何か(←記憶曖昧)に憧れるのですが、衣服のボタンすら虚飾として禁じるアーミッシュに許されるはずもない。
小さな胸のうちにうずまく葛藤。

ガーンときました。
子どもは生まれてくる環境を選べない。
リボンすらつけられない主人公のこの境遇は不幸せなのか。
これと決まった正解はないのです。
ひとりひとりが自分にとっての正解を見つけ出すしかない。

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by foggykaoru | 2012-08-18 22:53 | 過去に読んだお薦め本 | Trackback | Comments(0)

刑事ジョン・ブック 目撃者

ヨーロッパ往復の機内で映画を数本観ました。
航空業界に吹きすさむ経費削減の嵐の中、KLMではエンタメ関係の機内誌がなくなっていました。
モニター画面の英語の解説文を読んで選択しなくてはならないわけで、かなりやりにくかったのですが、
新しいところでは
「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」(←やっぱりあのモーリアティーはオーラ不足だと思う)
「バトルシップ」(←あまりに荒唐無稽で開いた口がふさがらなかったし、アメリカの保守層べったりなのに辟易。早送り早送り!)
「Thousands words」(エディ・マーフィー主演の「最後の一葉」的なお話。エディー・マーフィーの映画は初めて見たが好きではないと思った。彼主演のドリトル先生がドリトル先生ファンの間で不評だったのに納得)
を、
古いところでは
「ロック・ユー」(原題「A Knight's tale」を見ても、すぐにはわからなかった。日本語吹き替えがなかったのだけれど、超お気に入りで何回も観ているから英語でも大丈夫。関連記事はこちら
そしてこの作品を観ました。

原題「Witness(目撃者)」。1985年公開。
かねてからアーミッシュを扱っているということを聞き、興味があったのです。
あと、監督がピーター・ウィアーだということにも惹かれて。

秀作です。
最後まで緊張が途切れず、色恋沙汰にも抑制が効いているあたり、さすがP.ウィアーだと感心しました。
機内の小さな画面で見ると、「普通」レベルの映画でも途中で飽きてしまって早送りしたり、観るのをやめてしまったりするのですが、これはじっくり堪能しました。
若きハリソン・フォード演じる刑事と惹かれあうアーミッシュの女性が、「マスター&コマンダー」に一瞬だけ出てきた唯一の女性の面差しに通じるところがあるような気がしたのは、単に私の思い込みかもしれません(笑)


それにしてもアーミッシュ。
原発をやめるなら、あの生活を目指さなくちゃいけない?
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by foggykaoru | 2012-08-17 20:03 | 観もの・聞きもの | Trackback | Comments(8)

アーティスト

観てきました。

フランス語が一言も話されないフランス映画だということは知っていましたが、話されないだけじゃなかった。
画面に表示される言語がフランス人スタッフやキャストの氏名以外、全部英語です。
(たとえば「presented by」とかね。「presente par」ではないのです。)

つまり、徹頭徹尾アメリカでヒットすることを狙った映画なのです。その目論見が大アタリしてアカデミー作品賞まで取っちゃった。やったじゃーん!

とにかく、古き良きアメリカ映画をよく模しています。
なにしろ性的な場面が皆無なのです。男性と女性が心を通じあっているのに。フランス映画だったら、あんな交流があったら、絶対にベッドにGO!のはず。ロマンチックなシーンがあっても、ギリギリのところでプラトニックなままで抑えているのが、いかにも昔のアメリカです。フランス人がこんな映画を作るとは・・・と妙なところで感心してしまいました。褒めてるんです。100点満点!

そして物語。
20世紀初頭の映画界となると、どうしても最近見た「ヒューゴ」とかぶってしまいます。
それと、大昔テレビで観た「雨に唄えば」。
この2つを足して2で割ったような印象でした。
とても楽しかったんですけどね。
でも私には「ヒューゴ」のほうが新鮮でした。

私にとっていちばん面白かったのは俳優の演技です。
無声映画はずーっと昔、チャプリンの映画がリバイバル上映されたときぐらいしか観たことがないので、実質的には今回が初体験でした。

台詞無しで観客に理解させるためには、ある程度大げさな演技をすることが必要になる。でも、この映画はコメディーではない。笑わせるのが目的ではないし、現代の観客を引かせるほど大げさにするわけにはいかない。誰にでもわかりやすい「定番」の動きや表情を、やりすぎない程度にはっきりと見せる必要がある。
「こういうときにはこういうふうに見せるとわかりやすい」というお手本みたいなアメリカ人(演じてるのはフランス人だけど)の演技をじっくり見ることができるという点で、ESSで英語劇をやっている学生サン必見の映画です。
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by foggykaoru | 2012-04-24 21:38 | 観もの・聞きもの | Trackback(6) | Comments(0)

長いお別れ

ご存知レイモンド・チャンドラーの代表作。
特にハードボイルドが趣味でない私ですら、この題名と主人公の探偵フィリップ・マーロウの名前は、何十年も前から知っている。

たまたま目にとまったので、全然趣味でなくても読んでみようかと思った(苦笑)

面白かった。さすが名作。そんなに趣味じゃないけど(←くどい!(自爆))
英語で読んだらもっと面白いんじゃないかな。(根拠はない。なんとなく)
大富豪、絶世の美女、ラスベガスの大物etc. と、いかにもアメリカな人々がからみあう。
あちこちから「この件からは手を引け」と言われるのに、マーロウは逆らう。別に何の義理もないのに。
んまあ、ある意味バカなのです、客観的に見て。でもそこが魅力。
日本のヒーローにもこういうのはいそう。

原題は「The long good-bye」
「長いお別れ」のほうがずーっとかっこいいじゃん!と感動したのは何十年も前(←くどい!(自爆))
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by foggykaoru | 2012-04-22 16:13 | 推理小説 | Trackback | Comments(5)

ユーコン漂流

この本はユーズドでしか買えません。
著者の野田知祐氏はカヌーイスト(そういう単語、あったんだ)。
題名どおり、ユーコン川下りの記である。

カヌーで世界的に知られた川を下るなんてことは、逆立ちしてもやらないだろう、それならせめて本で味わおう、と思って読んだのだが、実はユーコン下りというものはそんなに難しいことではないらしい。野田氏が途中で知り合うカヌーイストの中には「カヌーは2回しか乗ったことがない」という程度の人が珍しくないのだ。
カヌーに乗って、何もせずにただ下っていればいいところも少なくなくて、野田さんはカヌーでご飯を炊いて食べたりしてる。だったら、1人では無理でも、カヌーをやっている友人さえいれば(いるんだな、これが)、私にも十分に可能なわけだ。もしも機会があったらやってみたい。

ユーコン川というとアラスカを連想するが、最上流はカナダなのだ。
そして、いわゆる「川下り」、つまり両側に岸辺が見えるのは、上流のほう。下流は川幅が数キロにわたるので、延々何日間も何も景観が変化しないし、水も泥で濁っているらしい。
だから一般人には「2,3週間でカナダ領内をキャンプしながらのんびり下る」というのが現実的。

毎日計画的にせっせと下れば、数十日で河口にたどりつくことも不可能ではないらしいが、野田さんは3年刊、夏の2カ月かけて旅した。
気が向けば、上陸してしばらく滞在する、というスタンスで。
長旅なのでテンションが下がる時期もあり、そんなところは読む側もダレたりするが、そういうところがあるからこそ、読む側もユーコンの長さを感じることができるというもの。

カナダ領内は、白人カヌーイストが多いこともあって、キャンプ場もあるし、なんとなく洗練された雰囲気だが、アメリカに入ると「インディアンの世界」になる。(最下流はエスキモーの世界。)白人カヌーイストは差別されたり。日本人である野田氏は難なく溶け込めたが。

インディアンの生活は、決して豊かではないが、アラスカで石油が発見されて以来、アメリカ政府から手厚い保護を受けていて、暮らしに困ることはない。働いていないわけじゃないけれど、お酒ばっかり飲んでるみたい。寒いし、他に娯楽がないからしょうがないのかな。
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by foggykaoru | 2012-04-15 08:46 | エッセイ | Trackback | Comments(7)

メープルヒルの奇跡

ヴァージニア・ソレンセンという作家による児童書。
舞台は第二次世界大戦終わって間もないアメリカ。
都会から大自然に囲まれた「メープルヒル(=かえでが丘)」に移り住んだ一家の物語。

期待どおり?メープルシロップ作りが出てきます。
ローラ・インガルス・ワイルダーに親しんだ人には懐かしいはず。

自然っていいな、と素直に思わせてくれます。
心身が疲れた人を癒してくれるのは自然だ、と。

もしも子どもの頃に読んだとしたらハマっただろうか?と考えてみたのですが、結論としては「ちょっと微妙」。
小学校高学年向きだと思うのですが、そのわりには主人公が精神的に幼い。自己同一化しにくいんじゃないかな。


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by foggykaoru | 2012-03-16 22:00 | 児童書関連 | Trackback(1) | Comments(2)

ハリスおばさんモスクワへ行く

ポール・ギャリコの「ハリスおばさんシリーズ」4つの物語の最終巻。
「国会へ行く」は未読だけれど、読んだ3作の中では最初の「パリへ行く」がいちばん。
特にこの話、おばさんが窮地に陥って、そこから抜け出すくだりに無理がある。無理無理。無理やりの力技。わけがわかんない。

ハリスおばさんがソ連だったころのモスクワに行く。
ホテルにトイレットペーパーがないというところで、「日本でも不足している」とある。石油ショック直後に書かれた本だから。

ちょっとちょっと、ソ連と一緒にしないでちょうだい!
日本でトイレットペーパーが不足したのは、「そのときだけ」だったんだから!

このシリーズの魅力の1つは亀山龍樹の古風な訳。
「らちもないもの」とか、私は絶対に使いこなせない日本語だ。


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Wikipedia見たら『ポセイドン・アドベンチャー』はギャリコ原作なんだそうだ。知らなかった・・・
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by foggykaoru | 2012-02-16 21:47 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)