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遥かなるチベット

副題の「河口慧海の足跡を追って」。
鎖国中のチベットに禁を犯して入国したため、慧海はそのルートを秘した。
この本は1992年にそのルートを探索し、たどった記録。

著者は根深誠という人。
登山家だそうで、あとで検索したら、白神山地の保護活動をやったり、なかなか偉い人みたい。

実は、数十ページ読んで、飽きてしまって、2か月ぐらい放っておいた。
思い立って、最初から読み直したのだけれど、読み通すのにかなり努力を要した。
文章があんまり、、なのです。
慧海の「チベット旅行記」があんなに面白いのに。

同じことをするなら、高野秀行氏にやってもらいたかった。
彼ならずっと面白く書いてくれただろうに。
そもそも高野秀行がやりたかったんじゃないか、とか、やりたかったのに根深さんに先を越されちゃったんじゃないか、とか、いろいろ考えてしまいました。

けなしてしまいましたが、胃に穴が開きそうなくらいに体調が悪いのに、頑張った根深さんは偉い!
というか、なんでそんなに具合が悪いときに行くのか・・・と呆れ返ったり。

根深氏は、ネパール領内で、チベット国境まで慧海のルートをたどった後、飛行機でチベットのラサに飛び、そこからジープで慧海がチベット入国後まず行った聖地カン・リンポチェ(カイラス山)に向かう。
この聖なる山の周囲の巡礼コースは1周52キロ。
これをチベット人は1日で歩くんだと!
1日休養して、また1日で歩く! ということを繰り返すんだと!!
なんてタフなんだ!
でももっとすごいのは、五体投地をしながら1周する人もいるということ。
信じられない!!!
(さすがに1日ではない。尺取虫みたいに進めるだけ進んで、車で宿に帰り、翌日、またそこまで車で行って、五体投地で進んで、、、ということを続けるんだそうだ。それにしても。)

チベットの中国化の現状が語られている。
この本が書かれてすでに四半世紀。
チベット文化はもう瀕死状態だろう。
ああ、行きそびれたなあ。



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by foggykaoru | 2017-12-31 20:34 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

明日はいずこの空の下

児童文学作家の上橋菜穂子の本。
でも小説ではなくて旅エッセイ。あら珍しい。

彼女の専門分野である文化人類学つながりで、オーストラリアの話が中心です、上橋さんは英国児童文学を読んで育った人なので、イギリスの旅の思い出もあります。
しばしば名前があがっているのは指輪物語やグリーンノウ。
この2つのファンにとっては嬉しいエピソードが多い。

もちろんアーサー・ランサムの言及も1か所だけ、あります。
しかも、読んでいて「そろそろ出そうだ」と期待したところで出てきます。
上橋さんは「機会があれば必ずランサムを持ち出す」ということを自らに課しているとしか思えない。
律儀なお方です。

旅エッセイとしては普通ですが、上橋さんに興味がある人、英国児童文学やアボリジニに興味がある人に貸したら、楽しんでもらえそう。
なので、英国児童文学ファンの人優先でお貸ししますね。





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by foggykaoru | 2017-12-30 21:39 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

犬が星見た ロシア旅行

武田百合子の旅日記。
ダンナである泰淳のエッセイに描かれる彼女に興味を惹かれたので、彼女の有名な「富士日記」でも読んでみようかと思っていたのだが、たまたま図書館でこの本を見つけてしまったので。

昭和50年ころのロシア(正確にはソ連)旅行。
泰淳に「旅行に連れていってやるから日記を書け」と言われて書いたんだそうな。
若干、言葉遣いの粗さが見受けられるけれど、読ませる文章です。

今は昔ということが多い。トイレとか、今のロシアは全然マシだし。
旅情報としては役立たない(けれど、そもそもそんなものを必要とする人はこの本を読まないだろう)、けれど、読み物として面白い。
結局、彼女のキャラが面白いのです。まさに炸裂してます。
そして、1か月近くの長旅とは言え、1回の旅でで文庫本1冊分の文章を書けるのはすごいなあと、旅行記を書く身としては感嘆しました。
観光名所の説明なんかほとんどない。
でも切り取り方がうまいんです。
たまたま出会った人、たまたま見た光景を詳しく書いている。それが面白い。

旅行記がずっと読み継がれるかどうかということは、そこにかかっているのだろう。


ハバロフスクから入り、西に進み、ウズベキスタンの後、グルジア(今のジョージア)に入ったとたん、食生活が目に見えてよくなるのが印象的。

去年、私たちの旅の最後は、モスクワのデパート内の高級ジョージアレストランでのディナーでした。
引率者のふゆきが「ジョージア料理なら美味しい」と太鼓判を押すので。

ジョージア、行きたいなあ。

旅の最後は北欧(ストックホルムとコペンハーゲン)なんだけど、ここでの料理は洗練はされているけれど、ごく簡素なカナッペになってしまう。

一緒の便でストックホルムに行ったモスクワ特派員夫妻が「ソ連からこっちに来るとほっとする」的なコメントを言うが、百合子本人は西欧社会に物足りなさみたいなものを感じたようだ。
わかるような気もする。

でも、私はやっぱりモスクワ特派員の側だな。



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by foggykaoru | 2017-12-28 20:34 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

実戦・世界言語紀行

更新を怠り、読んだ本がたまっております。
もう何がなんだかわからなくなりかけてますが、とりあえずこの1冊。

文化人類学者・梅棹忠夫の、言語学習の記録というか思い出というか。
文化人類学のフィールドワークのためには、研究しに行く土地の言葉を知らなければどうしようもないので、「道具」として言語を学習しなくてはならない。
というわけで、梅棹さんはどんどんいろんな言語を勉強するわけです。
頭いいなー

どうってことないエッセイだけど、言語に興味がある人には楽しめると思います。

そしてしみじみと、
高野秀行さんは、きっとこういう学者になりたかったんだろうなあ
と思いました。

言語学の大物・泉井久之助のエピソードもある。
忘れちゃったんだけど(涙) とにかくすごいなあと思ったことだけ覚えている。
そうそう、彼と外国人の誰かさんの共通語がラテン語だったから、ラテン語で交流していた、、、とかなんとか。もう目が点。

最後のほうで、梅棹さんは「日本語はローマ字表記にしたほうがいいんではないか」なんて暴論を吐いていらっしゃいます。あんなインテリでもそんなこと言うんだ・・・

それはそうとして、
彼の文章は妙にひらがなが多くて、かねてから奇異な感じを受けていたのだけれど、ようやくなぜそうしているのか、気がついた。
漢字は、あくまでも音読みをするときしか使わない。訓読み、つまり和語は全部ひらがなで書く、という基準を自らに課している。
気づくのが遅すぎる?

それはそうとして、ちょっと前に「京都ぎらい」なんて本を読んでしまったために、梅棹さんの名前を聞くと、あ、この人は京都人、それも京都の中の京都人で、京都のはずれの出身者に対しては理不尽な「いけず」な一面を見せていたんだよね、、、など思ってしまうようになった私なのでありまする。








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by foggykaoru | 2017-12-02 21:58 | バベルの塔 | Trackback | Comments(0)

スシバリン

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アイスランドはレイキャヴィクで見つけた「sushibarinn」

「なんとかバリン」という名前の飲食店がちょくちょくあるので、「barinn」イコール「bar」なのかなあと思って、オンライン辞書で調べてみたのですが、よくわかりませんでした。

アイスランド旅行記はメインサイトで連載中です。



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by foggykaoru | 2017-11-03 10:17 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(0)

零下59度の旅

椎名誠の本。

「シベリア追跡」の姉妹編・・・それもとても小さな妹。
旅の際の写真に文章を加えたもの。
内容的にはかぶっているし、「読み」応えはない。
でも、視覚的に訴えるので、古本屋で買って読むぶんには悪くなかった。



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by foggykaoru | 2017-10-25 06:25 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

シベリア追跡

椎名誠の旅もの。
彼の旅は多くの場合、テレビ等の企画がらみだが、これもそのひとつ。
江戸時代にアラスカに漂着し、ユーラシア大陸に戻ってからロシアを横断し、エカテリーナ女帝に謁見したあげく、やっとの思いで帰国を果たした大黒屋光太夫の足跡をたどる。

椎名誠の本はお気楽路線であるが、この本はちょっと真面目。
なにしろ旅がつらい。
凄まじい風の吹きすさぶアラスカの離島。
そして、今のロシアじゃなくて、ソ連。
ゴルバチョフ時代なのだから、それ以前よりはマシなのだろうけれど、今のシベリアと比べると、非常に敷居の高いソ連。
そこに、極寒の時期に滞在する。
なにしろ光太夫の体験にならわなければならないのだから。

シベリア鉄道の北に、第二シベリア鉄道と呼ばれる鉄道が走っていることは知っていた。(シベリア旅行のとき、そちらに行く列車を見た)
その沿線は永久凍土地帯なのだけれど、、、
いやーーーー  
人間が住むところじゃないよ。

行っちゃったはいいものの、飛行機が飛ばなくていつ戻れるかわからない、それもサービス不在のソ連で。
という苦労をしたあとで訪れるイルクーツクが、ほんっとに鄙にもまれないいところだということがよくわかる。

椎名さんたちテレビクルーは、そののち、夏にもソ連を訪れるけれど、なんと冬のほうがいいんですと。氷に閉ざされて美しいから。


なにしろ古い話だから、どなたにもお薦め、とは言わない。
私には非常に面白かった。シベリア鉄道の旅をして、そこそこ土地柄を知っていることが大きい。
というわけで、あの旅に誘ってくれた友人には、自信を持って強くお薦めしたい。




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by foggykaoru | 2017-09-20 07:07 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

東南アジア 全鉄道制覇の旅

副題は「タイ・ミャンマー迷走編」
著者はバックパッカーの大御所・下川裕治氏。

バックパッカーに超超超お薦めです。
別に「テツ」でなくても大丈夫。(現に私はそうじゃない。)

東南アジアの鉄道なら8割がた乗っている、という自負のある下川氏。
じゃあ、もうちょっとで制覇できるぞ、と思ってやり始めたら・・・

もうたいへん。

後悔の連続。

まず、タイ。
今のバンコクから想像しちゃいけない。
バンコクはタイの中でも例外なのです。
タイ全土に漂うのは、あいかわらず、ゆるーーーーーい 田舎の雰囲気。
で、時刻表はぜんぜんあてにならない。
時間があてにならない、というレベルではないのである。
(もちろん、時間はあてにならないのだ)
田舎には時刻表には載っていない列車がざらにある。
下川氏の考えでは「タイ人は、面倒くさいと省略するから」

!!!!!

で、おつぎがミャンマー。
この国の鉄道が相当ヒドイというのは、下川氏の他の本でも読んだけど、、、

ほんとにヒドイ。

整備されていないし、地元の人でさえ、どこをどう走っているのか、よくわからなかったりする。
聞いても、人によって答えが違ったり。

どちらの国も、移動手段として、バスのほうがメインになってしまって、鉄道はまあ「どーでもいー」存在に成り果てているということなんだけど。

それにしても
下川さん、ほんとうにお身体大切に。

そして、私たち読者のために「トホホ」な旅を続けてください。









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by foggykaoru | 2017-09-09 14:03 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旅をする木

これも旅の前に読んだんでした。

星野道夫著。
本屋に行くと、しょっちゅう目につき、ずっと前から気になっていた本です。

でも、アラスカの話でしょ。
私は自然ばかりのところは得意じゃない。
興味があるのは、人間の暮らし。営み。
しかも、しみじみしていて、じっくり味わう本でしょ。
そういうのも、実はあんまり得意じゃないのよ。

と思って、ずーっとスルーしていたのですが、今回、ブック○フで108円だったので、ちょっと勇気を奮って読んでみたのです。

1999年第1刷。2016年第33刷。
すごいロングセラー。いつも本屋にあるわけだ。

読んでみて

確かにしみじみ。
じっくり味わうタイプの本。
でも、思いのほか楽しめた。
星野さんの文章力に負うところが大きいと思う。
厳しい大自然に囲まれてみたいという気になる。

さらに、とても意外だったことがひとつ。

星野さんがアラスカに惹かれたきっかけは、北のさいはての集落の写真。
厳しい大自然の中で暮らす人々が、彼の興味の対象だったのだ。

そこにぐっときました。
星野さんを身近に感じました。



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by foggykaoru | 2017-08-25 22:07 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

探検家、40歳の事情

ご無沙汰いたしました。旅に出て、帰ってきました。
感想文がたまっております。
まずは旅行前に読んだこの本。

角幡唯介著。

この人と高野秀行の本は新刊で買うことにしています。
多大な経費をかけて、しかも体を張って、絶対に私が行けない(行かない)ところに行ってくれてるんだもん。印税をあげなくちゃね。

著者の日常や、過去の思い出を綴ったエッセイ集。
あとがきでご本人がおっしゃっているとおり、とても軽い。
「ネタ話」的な色合いが濃いものも散見。

で、いちばん記憶が残っているのは最初の話。
角幡氏は結局、どこに家を買ったのかしら?

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by foggykaoru | 2017-08-21 07:06 | エッセイ | Trackback | Comments(0)