タグ:旅心 ( 236 ) タグの人気記事

モンゴル紀行

司馬遼太郎「街道をゆく」の第五弾。
1978年、つまりソ連健在なりし頃のお話。
日本→ハバロフスク→イルクーツク→ようやくウランバートル という旅程で、当時のソ連が聞きしに勝るストレスフルな国だということがよくわかる。
誰かさん(←もう忘れてる)が「ソ連は今残っている唯一の外国」と言ったんだそうだ。つまり、他の国とぜんぜん違うということ。

違ううちに行ってみたほうが、辛くても興味深かっただろうと思うと、何か損した気がしないでもない・・・と思ってしまう、性懲りの無い私。

ソ連がそんな国になってしまった要因の一つとして、モンゴルの騎馬民族があるかも、と司馬さんは言う。
なんでも、ロシアが国の体をなす以前に、モンゴル騎馬民族がやってきた。
モンゴルはロシアの民をは徹底的に搾取し、「タタールのくびき」という表現を残した。
そして、ロシア人は「国というのはそういうもの」と刷り込まれてしまった。
これがソ連という国家にも脈々と続いているのかも、と司馬さんは思ったのである。

多民族を徹底的に抑圧したモンゴルだけれど、騎馬民族のおおらかさというものがあった。
だから社会主義国家となったモンゴルは、ソ連とは違って、人々にとって居心地の良い、ゆるやかさのある国になった、とか。

司馬さんは数学ができなくても入れた大阪外国語学校蒙古語学科で学んだ。ろくすっぽ教材の無い状態だったので、学生が自分たちで辞書を作ったんですって。印刷会社にもわたりをつけて。単語集に毛が生えた程度だったらしいけれど。元気でいいなあ。
モンゴル語は言語学的に、けっこう日本語に近いらしい。それがキリル文字を採用しちゃったんだ・・・うーむ。

馬乳酒ばかり飲むのは、それが乾燥した地域では、水分をとる手っ取り早い方法だから。
そんな気候風土が私の身体に合うとはとても思えないけれど、やっぱり1度は行ってみたい。

古い本だけど、ちゃんと増刷されている。さすが司馬遼太郎。
この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2015-05-31 07:34 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

わが青春のハプスブルク

副題は「皇妃エリザベートとその時代」
「マリー・ルイーゼ」の著者・塚本哲也による歴史エッセイ。タイトルどおり、自らの青春時代も回顧してます。

塚本さんの本は読みやすいです。
ただ、このお方、「ブリリアント」という言葉が妙にお好きなんですよね・・・
「マリー・ルイーゼ」とかぶるところがもちろんあるけれど、思ったほどではありませんでした。
西洋史に興味がある人にはお薦めします。

シューベルトの生涯あたり、ウィーンに行ったときに彼の家を訪ねているので、興味倍増。
(その旅行記はメインサイトの「旅日記」の中の「のだめカンタービレの旅」に掲載してあります)

話題は現在のオーストリアとかハンガリー、チェコあたりだけではなく、ハプスブルク支配地域全体に及ぶので、イタリアやイタリア人の話題も出てくる。ヴィスコンティとか。
現在の国境で論じてはいけないんだな、という、当たり前のことを今更ながらに感じました。

実はハプスブルク文化圏の内陸部の街並みはそれほどツボでない私。
(あまり路地裏が無いので、路地裏フェチには物足りないのです。私のイチオシは地中海沿岸の路地裏)
でもザルツブルクとその周辺の自然の美しさを思い出し、今度はインスブルックに行きたいと思いました。

今までオーストリア関連の記事のタグを無理矢理「東欧」としていたのですが、やっぱりこれは単独タグが必要。「オーストリア」か「中欧」? うーん・・・

そうだ、「ハプスブルク」にしよう!

この本は・・・あらら、ユーズドでしか購入できないのでした。
[PR]

by foggykaoru | 2015-05-16 08:20 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(4)

ガンジス川でバタフライ

たかのてるこという人の旅行記。
この人の本はわりとよく目にするので、気にかけていた。

旅を始める前の彼女は、ものすごい怖がりだったという。
でもこんな自分じゃダメだ!と思い切った。
旅好きの兄がいたというのも大きい。

思い切ったらいきなりノープランの旅なんだから。
信じられん。

もっとも、彼女には大きな武器があった。
それは大阪のお笑いのノリ。
羨ましいなあ。そういうのを持ち合わせている人って。

旅をしているうちに、「一期一会」ということを強く感じるようになり、、、
うんうんそうだよね。
大阪のお笑いのノリがなくて、彼女ほど多くの出会いに恵まれていない私ですらそう思う。
でも、一期一会は旅先だけのことではない
人生すべて、日常生活すべて、一期一会なんだよ
と思いながら読んでいたら、彼女もやがてそう思うようになる。

ガンジス川でバタフライをしてもお腹を壊さなかった彼女は、この後、世界を旅するようになるわけで、本も何冊か出している。
読もうかな。
この本、とっても面白かったし。

でも、1回読んだらもう2度と読み直せない本なんです。
私はけっこう読み返すんです。
全部読み直すことはあまりないけれど、パラパラめくってエピソードの一つか二つを読み返すことはしょっちゅう。
でもこの本はそれすらできない。
読んで、笑って、読み終わって、本をとじたらもうおしまい、という本なのでした。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2015-05-05 07:05 | ルポ・ノンフィクション | Trackback(1) | Comments(0)

モゴール族探検記

この本読んだのはたぶん1か月ぐらい前。
感想文を書くのをすっかり忘れてしまっていた。

著者は国立民族学博物館の初代館長だった梅棹忠夫氏。
アフガニスタンにわずかにいるという、モンゴル帝国の末裔を探し回った旅の記録。
(wiki見たら、1956刊のこの本は梅棹氏にとって初めての著作だった。)

あえて学術的なことは避けて、一般向けに書かれた本なので、かなりざっくばらんな語り口で読みやすい。でも昨今のチャラい文体の本を読みなれた目には地味な書きぶり。なにしろほとんど60年前の本なのだから、比べちゃいけない。

高野秀行氏はきっとこういう人になりたかったんだろうな。

その後、アフガニスタンの情勢は紆余曲折。
もはや調査に訪れることもできないところがたくさんあるだろう。

この本に関する情報はこちら
私はユーズドで購入したけれど、今も版を重ねているなんてすごい。
[PR]

by foggykaoru | 2014-11-24 17:23 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

国マニア

副題は「世界の珍国、奇妙な地域へ」
著者は吉田一郎という人。
著者紹介には現さいたま市議とあるけれど、Wikiによると、その後、さいたま市長選に出て落選しちゃったそうで。

世界の50のちょっと変わった国または地域がとりあげられている。

冒頭の「極小国家ベストテン」が面白かった。
特にモナコ、サンマリノ、リヒテンシュタインの歴史が。
たぶんこれは私がヨーロッパ好きのせいだろう。ウィーンにリヒテンシュタインの美術館があって、行きたいと思いつつ行けなくて、それにしても何故にウィーンに?と思ったのだが、この本を読んでようやくわかった。

その他、アトス山が女人禁制はけしからん!と欧州議会が言ったんですと。
確かに行けないのは悔しい。
でも、普通に行けたらそれはそれで興味が半減するような気がする・・・

この本が書かれてから世界の情勢が変わっているから、たとえば香港の記述など、どうかなという感じ。クリミア半島はロシアになっちゃったし。

おお、ソマリランドのこともちゃんと書いてある!と思って「謎の独立国家ソマリランド」を確認したら、なんとなんと、高野さんをソマリランド行きに駆り立てたのはこの本だったのでした。すごいじゃん!

あとはビロビジャンという名前に反応してしまった。
この夏のシベリア鉄道の旅で、通ったのです。
ハバロフスクの近く。ユダヤ人自治州の首都だったところ。

ランサマイト向けとしては、スバールバル諸島に関する記事もある。
えっ、何って? シュピッツベルゲンのことです。ちょっと行ってみたいのよね。

毎日ちびちび読むといいと思う。
1日1つだと50日もかかってしまうから、2つずつ読んで約1か月で読み終えるといいでしょう。


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2014-10-18 19:54 | その他のジャンルの本 | Trackback | Comments(4)

イザベラ・バードの旅

副題は「『日本奥地紀行』を読む」
宮本常一という大学の先生による講演を原稿に起こしたもの。
明治時代に日本を旅したイギリス人女性イザベラ・バードが書いた「日本奥地紀行」を読んでみようかと書店で手にとってみたのだけれど、ぶ厚くて、しかも文字がぎっしりだったので、一目でメゲて、その隣に置いてあったこちらで誤魔化すことにした(苦笑)

講演の記録だから、実に読みやすい。しかも面白い。
こっちにして正解。

イザベラ・バードのことは知っていたけれど、たいした旅行者だ。
なにしろ当時の日本の田舎は蚤の巣窟だったそうで。
シュリーマンは清国と比べて日本は清潔だと絶賛してくれたけれど、蚤のことは書いてなかった気がする。彼は日本の中でも先進地域しか旅しなかったのかも。(この本のことです。超お薦めです。)
田舎は貧しかったから、人々は風呂にもろくに入らず、着物も1年中着たきり雀だったそうで。

オーストラリアに蠅が多いなんて文句言ってたら、天国のイザベラさんに怒られる(笑)

興味深かったのは、「日本の店は通りに面して開かれている」という点。(語源的に「店」は「見せ」なのだそうだ。)
今のアジア諸国の店がまさにそんな感じ。
その他いろいろあったような気がするけれど、読んだとたんに忘れてしまった(涙)
とにかく、明治時代の日本は今の日本よりもはるかに「アジア」だったんだなあとしみじみ思った。(当たり前な感想ですいません)


この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2014-10-13 16:44 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(6)

探検家、36歳の憂鬱

探検家・角幡唯介著。
ごく軽いエッセイで、彼が書いた渾身の探検記とは比ぶべくもない。
彼に関心がある人が、そう思って、つまり大して期待せずに読めば十分楽しめる。少なくとも私は楽しめた。

この本を書いたときは独身だったけど、今や結婚して一児の父。
その嬉しそうな様子は彼のブログを見ればわかります。
ほんとうにおめでとうございます。

探検は実は本にするにはふさわしくないのだそうで。
たとえば、極地探検のときは、ただただ毎日雪や氷と戦って、食べて寝るだけ。それを書いても退屈なだけ。
彼の探検記は、過去の探検家たちの格闘の歴史が織り込まれているところが上手だなとは思っていたのですが、そうせざるを得ないんだな、と納得しました。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2014-09-28 08:39 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

メコン・黄金水道をゆく

椎名誠がラオスの奥地からメコン川を下っていくルポ。

今までに読んだ椎名誠の旅関係本の中ではいちばん退屈だった。
期待しすぎだったのかな?
ずっと川をくだっていくわけじゃなくて、途中は飛行機だったりするのにがっかりしたのは確かです。

それとも、ある程度自分が知っているところだから、大して発見がなかった?
椎名さんにしては妙に真面目な筆致だから?

いやいや、単に私の頭が疲れていて読書を楽しめなかったのかも。

熱帯雨林のレビューでは絶賛されてます。こちらです。
だから、興味のある方はぜひ。
[PR]

by foggykaoru | 2014-09-27 08:16 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

熱風大陸

椎名誠著。
副題は「ダーウィンの海をめざして」

オーストラリア大陸を南から北へ縦断した記録。
オーストラリアに最近ちょっと興味が出てきたので読んだ。

とにかくめちゃくちゃ広い。
そして暑い。
そしてうんざりするほどたくさんハエがいる。
ということがよくわかった。

最初にオーストラリア縦断をした探検隊は悲惨な結末を迎えたのだそうだ。
そのあたりのことも触れられているけれど、椎名節ですからとても軽いです。
角幡唯介さんが同じことに挑戦したら、全然違う本になったことでしょう。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2014-09-07 21:02 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

パレオマニア

副題は「大英博物館からの13の旅」
池澤夏樹作。いちおう小説。でも「普通の小説」ではない。
名前も明かされない主人公が大英博物館に通い詰める。その次に、印象深かった作品が発見された土地に実際に行ってみて、いろいろ思索にふける、、、というお話。
主人公は明らかに作者本人。
つまり池澤さんが世界中を旅してまわった記録を、小説の体裁で書いたもの。
ほんっとに贅沢なことしてるなあと羨ましくなる。

一つ一つの作品と旅がしっかりと書かれているので、読みでがある。1日に1つで十分。一気に2つ読むととお腹いっぱいになってしまう。

実際に行ったことがあるカンボジアとメキシコの話はさすがによく理解できた。
うなずけるというか。それでも作者独自の視点が新鮮だった。

オーストラリアのアボリジニの旅が印象的。
あの大陸にはほとんど興味がなかったのだけれど、行ってみたくなった。

この本に関する情報はこちら
[PR]

by foggykaoru | 2014-08-22 23:39 | エッセイ | Trackback | Comments(2)