タグ:日本の小説・文学 ( 142 ) タグの人気記事

眉山

眉山とは徳島にある山だそうです。
徳島生まれの女性が主人公で、彼女の目を通して、その母親の死に様、そして生き様を描いています。

この母親がなんとも魅力的。女傑。

死をテーマにしたさだまさしの小説としては「アントキノイノチ」というのがある。
そしてこの作品。

人の死に関わる、大きな出来事が、さださんの周囲にあったのだろうと思ってしまった。

死を扱っているけれど、重くはありません。
さらさら読めます。
興味があったら、気軽に読んでみてください。

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by foggykaoru | 2017-09-25 20:32 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

あまからカルテット

柚木麻子の軽~い小説。
女子校時代の仲良しグループが、大人になっても助け合って幸せをつかむ・・・的なお話。
暇つぶしによさそうだと思って読んだのだけれど、いくら暇つぶしでも、ここまで軽くなくてよかった。
同じ作者の「ランチのアッコちゃん」、あれのほうがずっと面白い。

でも、女子校育ちの人なら、きっと私よりもずっと楽しめるはず。

正直、この本に出てくる女友達の世界は、共学育ちの私にとっては異世界だったのでした。



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by foggykaoru | 2017-09-21 20:21 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

高台にある家

著者は水村節子。
自らの生い立ち、ひいては自らの母親の数奇な運命をたどるという、自伝的小説。
著者唯一の小説なのだそうだが、きちんと小説作法の先生について(しかも、最高の批評家を得て)書かれたため、十分に読むに堪える作品になっている。それどころか面白い。

で、水村節子の娘である、作家・水村美苗が、あとがきに文章を寄せている。
彼女は母親と祖母から話を聞かされて育ち、「これは小説のネタだ」と思っていたら、、、
母親が先に書いちゃった。
しかも、さかんに「どう思う?」と原稿を渡され、やいのやいのと批評を迫られ、「なんで私がこんなことをしなくちゃならんのか」と地団太踏んだんだと。

そして、、
壮絶な介護の末、母を見送った水村美苗は、母の手になるこの小説があるにも関わらず、改めて「母の遺産」を書いちゃったのです。

というわけで、この小説は「母の遺産」とかぶっていることがたくさん。
こっちを読むと、「母の遺産」のどこがフィクションなのかがわかる。
なにも両方読むことはない、という考え方もあります。
ですが、ネタとして面白いという点は間違いないので、立て続けに読むのはどうかなとは思いますが、「母の遺産」を興味深く読んだ人にはお薦めできます。






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by foggykaoru | 2017-07-15 06:22 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

有頂天家族

森見登美彦の京都ファンタジー。
狸の家族の物語です。能天気です。阿呆です。

解説を書いているのは上田誠という人。
森見原作のアニメ「四畳半神話体系」の脚本を書いた人だそうで。
「物語の核を見極めて、それ以外のところをそぎ落していけばいいだろう」と思って脚本を書き始めたら、大変なことになったそうで。
なぜなら、そぎ落としてしまうと、物語のいちばんの魅力がなくなってしまった。。。。

なるほどね、と思いました。
この作品も、どーでもいー話で満ち満ちていて、それをそぎ落としたら、大したものは残らない。
なにしろ阿呆な狸たちの物語ですから。
阿呆なエピソードのひとつひとつを味わって楽しむ物語なのです。
読んでると極彩色の絵柄が脳内に描かれます。

それは悪くない。ぜんぜん悪くない。

でもしょせん狸。
ユーモラスだけど、ロマンチックじゃない。
そこんとこが私にはいまいち。いまに。いまさん。

今まで読んだ森見作品の中で、いちばんロマンチックなのは「宵山万華鏡」です。

以前からうすうす感じていたことが、はっきりしました。
私は、脳内映像がかっこよくないファンタジーには魅力を感じないのです。
だから「指輪物語」はOKだけど、「ホビット」がダメなんだ。



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by foggykaoru | 2017-04-27 20:35 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

母の遺産

水村美苗作。副題は「新聞小説」
この人の小説は長い。これも文庫上下巻。

どっぷりハマりました。
何回も読み直しました。

とても強烈なキャラの母親を抱えたアラフィフ女性が主人公。
上巻は母親の介護と看取りの悪戦苦闘。日本の医療に対する批判もたっぷり。
下巻はその後。主人公は自らの行き方を模索していく。

登場人物がわざとらしいとか、あり得ないとか、批判もあろうかと思いますが、私は心から楽しみました。まるで映画を観ているみたい。

老母のキャラ形成の裏側とともに、副題の意味もが明らかになります。
ほおおおっ!
なるほどねえ。
小説というのは人々にそういう影響も及ぼすのですねえ。

また、兄弟が多いと、同じ両親から生まれた子供でも、長じてからの人生に大きな差が出る。
そこに(兄弟自身だけでなく、その子供にまで)妬み・羨みなど、フクザツな感情が渦巻き、それがドラマの母胎ともなる。

ちなみに主人公は1970~80年ごろにパリに留学したという設定になっていて、当時の留学生の生態、「ブルシエ」と呼ばれるフランス政府奨学生と彼らのその後の人生が、私には実に興味深く、また、非常に説得力があるなあと感心したところでありまして。

でも、ブルシエなんて聞いたこともないという人でも大丈夫。
とにかく女性、特にアラフィフ以降の女性には超お薦めです。心に響くところがたくさんあるはず。

私はこの本、ブック○フで見つけたんですが、1冊108円でした。
まともな古本屋だったらそんな値段付けませんよ。作家が可哀想です。
興味を惹かれたあなたは、できたら正価で買ってあげてください。
(108円で買ったくせに何を偉そうに<私)



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by foggykaoru | 2017-03-06 21:15 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

ヨッパ谷への降下

筒井康隆の「自選ファンタジー傑作集」なんだそうです。

読んだのが1か月以上前なので、ほとんど覚えていないのですが・・・
彼の大人向けのファンタジーは、大人イコール成人向けでして、かなりエロチック。
この本の中にも「エロチック街道」なんていうのがあるんですが、そっち系は私にはちっとも面白くないのです。男性はドキドキして面白いんでしょうか。きっとそうなんですね。

面白いのは子供が主人公のもの。
「北極王」。実に良いです。なんなんでしょうこのしみじみ感。
そして「家」。とても良いです。ゲドとか出てきそうです。
この二編は、普通に(って何が普通なんだかわかりませんが)ファンタジーが好きな人なら気に入るはず。





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by foggykaoru | 2017-02-25 20:47 | その他のジャンルの本 | Trackback | Comments(0)

神様がくれた指

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

たまたまですが、年越しをはさんでタイトルに「神様」が入っている本が続きました。

今回のこの本は佐藤多佳子による小説。
今まで読んだ彼女の本は「一瞬の風になれ」と「しゃべれどもしゃべれども」。
どちらも一人称の作品だったので、これもそうかと思いこんでいたら、三人称だったので、あらあらちょっとびっくり。
しかも、メインの二人がちょいとやばい感じ。
にもかかわらず、作品全体に漂う雰囲気が爽やかなのが、佐藤さんならではなのだろう。

やばい感じではあるが、メインの二人は非常に魅力的です。
解説でも「こんな人物たちに惹かれてしまう自分が怖い」的なことが書かれていますが、読んだ人はみんなそう感じることでしょう。
特にそのうちの一人は「一瞬の風になれ」に登場する、天才的スプリンターを微妙に思い出させます。彼もとても魅力的だったなあ。

お薦めです。
佐藤さんの小説が好きな人には超お薦め。(もっとも、彼女のファンはとっくに読んでるはず)







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by foggykaoru | 2017-01-04 21:05 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

神様

「センセイの鞄」でちょっと気になった川上弘美の短編集。
それぞれの話は関連しているような、ないような。

裏表紙に「不思議な<生き物>たちとのふれあいと別れ」とある。
<生き物>なんだかよくわからないけれど、現実には存在しない「変なもの」が出てくる。
そういう意味ではファンタジー?なのかな?
でも、私の感覚ではファンタジーというより、「文学的な試み」という感じ。

すごく好きなわけではないけれど、これはこれで興味深く読ませていただきました。





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by foggykaoru | 2016-12-30 22:22 | 普通の小説 | Trackback(1) | Comments(0)

太陽の塔

最近ちょっと注目の森見登美彦の出世作。

ファンタジーノベル大賞受賞作だというので、どんなファンタジーかと思ったら、いつまでたってもファンタジーにならない。
その代わりに、恋人にふられた大学生の悶々が延々と。
男子のこういう述懐は、女子の私にはあんまりピンとこないのよね。

結果的にファンタジーなんだろうけど、じゃなくて、確かにファンタジーなんだけど、その要素は10パーセントぐらい。
それでもファンタジーノベル大賞に値するのだというのが、わたし的には発見でした。

「宵山万華鏡」のほうがずっと好きです。

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by foggykaoru | 2016-12-21 22:27 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

3時のアッコちゃん

「ランチのアッコちゃん」の続編。

前作でちょっと唐突に感じられたエピソードが、ちゃんとつながります。
作者の柚木麻子さんは、子供の頃から児童文学に親しんで育った人なのだろうな
と感じてはいたのですが、絶対にそう。

「アッコちゃん」は、閉塞した現代日本で苦労している若者たちにとってのメアリー・ポピンズなのであります。

若者というには歳をとり過ぎている人にも、けっこうお薦めです。






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by foggykaoru | 2016-12-11 11:59 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)