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ブラック・ジャックは遠かった

副題「阪大医学部ふらふら青春記」からうかがえるとおり、阪大出身のお医者さんが過ごした学生生活の思い出の記。

著者の久坂部羊(くさかべ・よう)という人を知らなかったので、あとがきを読んでみたらこんなことが書いてありました。
単行本になると決まったとき、彼女(著者の奥さん)が最初に言ったセリフはこうだ。
「そんな本、買う人おるん?」
私がムキになって「おもしろいことも書いてるやろ。昭和の医学生の記録にもなってるし」と反論すると、彼女はこう言った。
「わたし、基本的に他人のことは興味ないから」
「夫は他人かい!」と、そんときは悶絶しながらツッコんだ。
<中略>文庫化が決まったときも、彼女は反射的にこう言った。
「えーっ、大丈夫? わたしやったら、ぜったい出さへんわ」
わはははは・・・。これは楽しそうだな、と思って読んでみたのでした。

まあ、どうってことないけれど、面白いです。

南木佳士が自らの学生時代をもとに書いた「医学生」とは全然違う。
あっちは暗い。暗くても面白いけど。
こっちは明るい。能天気です。
あっちは秋田大学の学生のバイブルになってるそうです。
こっちはバイブル・・・・ではないかも。
こっちは私と限りなく同世代なので、その時代感がよーくわかるところが、個人的にはツボです。
のんきでいい時代だったなあ。


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by foggykaoru | 2017-04-17 20:29 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

老いと収納

著者は群ようこ。
溜まりに溜まった不用品を処分するお話。いうなれば断捨離エッセイ。

すごいなあと思ったのは、服装の総チェック。
ファッションの専門家である友達からのアドバイスをもとに、クローゼットの服を総とっかえに挑戦してるんです。
「今、似合うもの」を厳選して。
長年、自分に似合うと思っていたものが、実はそうでなかった、ということが多々ある。
年を取ったせいで、昔似合ったものが今はそうではない、ということもある。

私も服装チェックはしています。自力で。
「昔は似合ったけど、今はダメ」を発見しては処分しています。
でも、自分だけだと「明らかにダメ」なものしかわからない。
ファッションセンスあふれる友人がいてくれたら、どんなにいいでしょう。

あと、夏の部屋着として「高島ちぢみ」を採用したんだそうです。
今度夏のパジャマを買うときは、ぜひ高島ちぢみにしてみよう。

群さんとの大きな違いは、本の量。文筆家だもんね。
そして着物。これがすごく場所をとる。
私は着物には一切興味がなくて、ほんっとうによかった。


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by foggykaoru | 2017-03-21 21:52 | エッセイ | Trackback | Comments(3)

漂うままに島に着き

内澤旬子の本。
乳がんになり、身体の言いなりになり、気づいたら丈夫になり、東京にしがみついている必要はないじゃないか!と思いつき、小豆島に移住する、体験ルポ。

老後の生活をあれこれ考えはじめている私としては、興味津々でした。

小豆島というのは高松の目と鼻の先だったのですね。
そして、高松というのは、適度に大きくて楽しい町のようで。
高松にはネットで知り合った友達もいるし、悪くないかもね~

今住んでいるところを人に貸して田舎に移住したら、経済的には全然なんとかなるんですよね。

そして、いくら治療しても治らない上咽頭炎。
(治療は有効なんです。耳鼻科の先生の名誉のために言っておくけど)
たぶん都会に住んでいる限り、完治しないんじゃないかと思うのです。

しかし、内澤さんの場合、今までのキャリアがなんだかんだ言って、島の生活に非常に役立っています。
それは豚を育てて、つぶして食べたというキャリア。
だから狩猟の免許をとってイノシシとか、狩りして解体して食べてるんです。
家の周りの雑草を始末してくれるヤギを飼うことを、思いついてすぐにできたのは豚の飼育経験があったからこそ。
そして、そのヤギのおかげでどんどん人が話しかけてくれて、どんどん知り合いが増える。
犬の散歩で知り合いが増えるというのと同じです。

そーゆーキャリアが無い私はどうかなあ・・・

あと、虫のすごさにはちょっと引きます。

うーん、ほんとに老後どうしよう。
とりあえず、断捨離を続けよう。


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by foggykaoru | 2017-01-12 19:08 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(2)

枕もとに靴

副題は「ああ無常の泥酔日記」
もともと超人気日記サイト(ブログが登場する以前)にあげられていた記事を精選(?)したエッセイ集。
著者は北大路公子という人。
北海道在住なので北大路、日ハムの「ハム」から公子なんだそうである。

これをきっかけにプロになったというだけあって、そんじょそこらの日記とはわけが違う。レベルが違う。

全般的にはタイトルどおり「泥酔ネタ」。
飲んで酔っ払った、という事実はあるんだろうけれど、今の言葉を使うなら、かなり「盛って」いる。正直、ちょっと引いてしまう。
でも、そういうネタばかりではない。
特筆すべきなのは文章力。
さらに、ときたま挟み込まれている純然たる創作ものがすごい。
中には宮沢賢治と見まごうような作品もある。

もとはと言えば、この人の旅エッセイを書店で見つけて、名前を覚えて、この本を古本屋で見つけて買った、、という経緯がある。
これなら、最初に見た旅エッセイを新刊で買ってもいいかなと思っているところ。普通の旅行記ではなくて、絶対に参考にならないだろうけれど。



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by foggykaoru | 2016-12-29 11:23 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

マナーの正体

読売新聞の夕刊に連載されていたエッセイを収録。
十数人の著名人がかわるがわる書いています。
さだまさし、竹内久美子、逢坂剛、鎌田實、藤原正彦、荻原アンナとか、錚々たる面々が。

1篇が見開き2ぺージ。
新聞の連載記事ですから、しみじみ感動するとか、忘れがたい印象が残るというほどはないけれど、どれも一定のレベルには達している。想定内の面白さ。
特に半身浴のおともとして、かなりの日数、役立ってくれました。

そんな本ですが、実はわざわざユーズドで探してまでして購入したんです。
なぜなら友人が
「執筆陣の中に高野秀行もいる」
と教えてくれたから。

高野さん、出世しましたね~

そう言えば、週刊文春にも高野さんの連載記事があるんです。
すっごいですね~

なんかもう、なにも私がせっせと新刊を買ってあげなくても、ソマリランドでの取材費に困ることはないんじゃないか、、、なあんて思っちゃったりして。
序の口、、というのは言い過ぎかな、、、幕下ぐらいから贔屓にしていた力士が、ついに三役に昇進したときの相撲ファンの気持ちというのはこんな感じなのかしら。



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by foggykaoru | 2016-12-14 20:10 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

ひとり暮らし

谷川俊太郎のエッセイ集。
タイトルに惹かれて読んだけど、、、

・・・・渋い

渋すぎる

さらに、
中ほどの「ことばめぐり」はお手上げでした。
谷川俊太郎の詩をよく読んでいる人でなければついていけない。

私には「猫に小判」な本でした。


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by foggykaoru | 2016-11-11 21:40 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

すてきなあなたに&エプロンメモ

ともに「暮しの手帖」に連載していたものをまとめた本。
この2冊をついつい買ってしまったのは、まだ朝ドラ「とと姉ちゃん」をやっていた9月のこと。
あのドラマのお蔭で「暮しの手帖社」はさぞかし儲かったことでしょう。

====================
まずは「すてきなあなたに」

著者は「とと姉ちゃん」ご本人、つまり大橋鎭子。
連載当時は、「いったいどういう人が書いているんだろう?」と思いながら読んでいた。

今、彼女のことを知って読むと、なるほどです。
明らかに今で言う「キャリアウーマン」。バリバリです。
なんとなく独身っぽいムード。
著名人と親しくおつきあいしている。
まさに編集者ですよね。
外国にも知り合いが多いというところが、当時としては(今であっても)かなり驚異です。

冒頭の「紅茶の淹れ方」ははっきり覚えている一篇。
とういうか、このエッセイで私は紅茶の淹れ方を覚えたのです。

「とと姉ちゃん」、つまり家長として、家族とともに一生を送った人だから、
「人というのは、本来、1人で暮らすものではないと思う。
 だから、一人暮らしの友達に連絡を入れてあげよう」
なんてのもある。
私、別にそういう連絡を待ってませんけど・・・。

半身浴のおともとしてはなかなか良い本でした。続編も読むかも。

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「エプロンメモ」

大橋鎭子の妹である大橋芳子の手になるもの。
昔の私は「すてきなあなたに」よりも、こちらのほうが好きだったような気がする。
今読んでも、こちらのほうが好きです。

昭和の主婦の知恵です。
今や全く役に立たないことが多いんですけどね。
たとえば、余ったご飯の活用法。
電子レンジがいかに偉大な発明であったのかが、よくわかります。

実はこの本、まだ読み終わっていません。
いつ読み終わるかわからない。
なにしろ三段組でして、「暮しの手帖」に掲載されていたときを彷彿とさせて懐かしいのですが、ものすごいボリュームなのです。
それに、もともと一気に読むタイプのものではないですから。
時々手にとって、ちびちび読む、という感じで楽しんでいます。






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by foggykaoru | 2016-10-24 20:37 | エッセイ | Trackback | Comments(2)

京都ぎらい

井上章一著。ただいまベストセラーです。

今年度本屋大賞を受賞しただけのことはある。
とても読みやすく(文字が大きめ! そしてひらがなが多いのです)、面白い。

京都の「いけず」は伝え聞いているけれど、我々「よそもん」にとっては へー ほー の世界。
「いけず」の一番の被害者は京都の近所の人。
常日頃、洛中の人の「いけず」によって傷つけられているんですって。
大変ですねえ。関東に生まれ育ってよかったわ~

でも、物を書く人にとって、いろいろやられて屈託を抱えることは、むしろ糧となる。
だから今、筆で立つことができているのは、「いけず」のおかげなのだ、と筆者は一生懸命皮肉をこめて語っている。

そして古都で最大の勢力、それは寺。
そりゃそうなんでしょうねえ。
江戸時代まで寺の領地はそりゃあまあ広大だったそうで。
それを明治政府がふんだくった。
このあたり、英国のヘンリー8世が教会の財産をふんだくった歴史を思い出す。
近代化に至るまで、洋の東西を問わず、似たようなことがあるんだな。

そして、筆者の思いは南北朝までさかのぼる。

著者が言うように、京都に関する著者の発見が書かれているわけではなくて、誰もがなんとなく思っていたけれど、特に口に出さなかったことを、白日のもとにさらけ出した本。お薦めです。


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by foggykaoru | 2016-10-17 21:05 | エッセイ | Trackback | Comments(4)

殿様の通信簿

「武士の家計簿」(←未読です)で知られる磯田道史の本。

歴史上の有名人が、実際にはどんな人となりだったのか。
浅野内匠頭はもともと「殿中」をやらかしかねない人だったらしい、とか、面白いです。

一番スペースを割いて書かれているのが前田家。
前田利家は秀吉の仲良しだったけれど、徳川の世にもしっかり前田家は存続し、ただ存続しただけではなくて、最後まで相当存在感があった、ということは知っていた。
ひょっとしたら、西が豊臣、東が徳川、というふうに、日本は2つに分かれても不思議はないぐらい、徳川の天下統一はきわどかったそうで、そのときの前田家の動きが趨勢を決したそうで。
利家→利長→利常 という流れがなかなかに興味深かったです。
利常が前田家の家督を継ぐことができたいきさつが特に面白い。
「もしもコルシカがイタリアのままだったらナポレオンは皇帝になれなかった」ぐらいに。(ちょっと違う。ぜんぜん違う!)

司馬遼太郎がこういうネタを得たら、小説に仕立てたんでしょうね。



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by foggykaoru | 2016-09-08 20:58 | 日本の歴史 | Trackback | Comments(4)

極め道

三浦しをんの「爆裂エッセイ」
古本屋で購入。

三浦しをんの本は、数冊読んだ限りにおいて、いちばん好みに合ったのは小説でなくて文楽関係のエッセイでした。
小説は味はあるけれど、ちょっと構成が弱い感じがして物足りないんですよね・・・

というわけで、このオタク感満載のエッセイを手にとってみたわけです。
私についていけるかな
という心配もあったのですけれど。

正直、最初は多少の違和感あり。
マンガの話、わかんないし。
でも、3分の1ぐらいまで読んだら、すっかり洗脳され(爆)、ハマりました。

文章のテンポが早く、リズムが心地よい。
自虐ネタもうまい。

彼女の本領はエッセイだと思います。

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by foggykaoru | 2016-09-06 20:48 | エッセイ | Trackback | Comments(0)