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パンツの面目ふんどしの沽券

米原万里著。
この人の文章は好きだなと改めて思った。
高橋秀実とか宮田珠己とか、(面白いんだけど)文体が自分の好みでない本を読んだ直後だったせいかもしれない。

米原さんの子ども時代の思い出@日本&チェコからなにげなく始まる。
ソ連兵はパンツをはいていなくて、ルバシカ(要するに軍服のズボン)のそのあたりが黄色くなっていた、とか
シベリアに抑留された日本人はトイレで紙がなくて困った、とか
子どもの頃、ミッション系の幼稚園で「イチジクの葉はどうやって付けたんだろう?」とみんなで悩んだ、とか
例によって、辛口だけど痛快な話かなと思っていたら・・・
どんどん深まっていく。
人間はどうやって自分の下半身を蔽ったか?ということを、世界の各エリアごとに文献にあたって調べたり。
聖書によると「恥ずかしいから隠した」とあるが、
実際は「隠すようになったから恥ずかしくなった」のではないか、とか。

これは文化人類学の著作になったはず。
もしも米原さんが病に倒れなければ。

あとがきが痛々しい。
もっともっと調べて書きたかったんだろうな。

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by foggykaoru | 2012-11-14 21:18 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

マドンナの引っ越し

旅を愛するドイツ文学者・池内紀による短編小説集。
後半はエッセイ的な作品も混じるが。

長い年月をかけて醸造された名酒の味わい。

私もいつかこんな作品を書けたらいいな・・・
なんて一瞬でも思ってしまうのは、とんでもない思いあがりだ。
いくら旅してても無理。
才能が違うって。

旅好きの人、ヨーロッパ、特にイタリア・ドイツ・オーストリア、そして東欧好きの人に超お薦め。

唯一の欠点は、私が通勤時に電車に乗っている時間に対して、1つ1つの作品が短すぎること。
下手すると3つぐらい読めてしまった。
一話で完結したほうがしみじみ感動できるのに。
もっとゆっくり読めって話もあるが(苦笑)


この本はユーズドでしか入手できません。
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by foggykaoru | 2012-07-08 09:38 | 普通の小説 | Trackback | Comments(0)

アウシュヴィッツの音楽隊

ユダヤ系フランス人2人の共著。
だから原作はフランス語。
翻訳者の大久保喬樹氏がパリ留学中、偶然出会った本なのだそうだ。

日本ではアウシュヴィッツの名で知られるユダヤ人強制収容所、その第二収容所ビルケナウでの体験談である。
音楽好きなドイツ人は、音楽の素養のあるユダヤ人を集めて音楽隊を作り、日常的に演奏させた。朝の行進の伴奏だけでなく、収容所の幹部の個人的な楽しみのためにも。
それだけでも十分興味深い話ではある。
でも、いちばん興味深いのは、収容所の日常。

初期の収容所では、送りこまれてきたユダヤ人を「選別」した。もともと身体の弱い人、そして過酷な労働で体力を消耗した人だけを選別してガス室送りにしていった。
ところが、どんどんユダヤ人が増えてくると、選別する暇がなくなった。連れて来たらみんな即ガス室送り。それだけで手いっぱいなので、その時点で生きながらえていた古株のユダヤ人は、ひとまず殺されなくてすむようになった。(もちろん体力を落としたり、何かのきっかけで親衛隊の逆鱗に触れれば生きてはいられないけれど。) 死体を焼く黒い煙を見ながら、彼らは生き延びる。

強制収容所という異常な社会。
その中で生きのびるためには、道徳観念を捨て去らなければならない。
真面目に働いたら衰弱してしまう。働くふりをして、物資の調達に知恵を絞る・・・

楽しくないけどお薦めです。
濃くてひたすら重い。でもすぐに読める。長くないから。

アウシュヴィッツにも、ビルケナウにも行ったことがある。
でも旅行記は書いていない。書けなかった。旅行者が何を書いても空々しくなるような気がして。
知りたい人はこういう本を読むべき。旅行記の出る幕ではない。


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by foggykaoru | 2011-07-27 23:52 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(2)

通訳ダニエル・シュタイン

ここんとこ、忙しくて、本は読んでいるのですが、感想文を書く暇がありません。でも、あまり時間がたつと忘れてしまうので頑張って書きます。

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著者はリュドミラ・ウリツカヤというユダヤ系ロシア人。ロシアでは人気のある作家なのだそうだ。

実在の人物をモデルとする主人公ダニエル・シュタインの生涯が、関係者の書簡集の形で綴られている。
彼はポーランド生まれのユダヤ人。第二次世界大戦中、ナチスから逃れ、出自を隠して生き延びる過程でゲシュタポに通訳として協力することになるが、その立場を利用して多くのユダヤ人を救う。さらに逃げ延びた先でカトリックの信仰に目覚め、洗礼を受け、修道士にまでなってしまう。大戦後、イスラエルが建国されて・・・

昔、「ユダヤ人の定義はユダヤ教を信仰しているということなのだ」と習ったが、もとからそうだったのだろうか? その考え方が強固になったのは、イスラエルという国ができてからなのかもしれない。

イスラエルという国。
今さら言うまでもないけれど、あの国が領有を主張している土地は世界全体を巻きこむ紛争の火種である。
パレスチナの人々を不幸にしたのはもちろんのこと。
でも、様々な土地にいたユダヤ人にとっても、イスラエルという国の枠組みの中に入ってそれに合わせて生きていくのは、必ずしも容易なことではない。

ダニエルは「聖人」の名に値する人だったのだと思う。
でもその考え方はなかなか受け入れられない。
まずユダヤ人にとっては、彼の生き方自体が不可解。
さらに、「真面目な」キリスト教徒にも受け入れられない。「異端」なのだ。
むしろ日本人のほうが、彼の言葉を素直に受け止めることができるのかも。

裏表紙に「一作で小説十作分の価値がある」とある。同感である。
読みでのあるものに飢えている人にお薦め。
宗教がらみであるという点からして、決してとっつきやすい小説だとは言えない。たとえば、ダニエルの行うミサの問題点なんて、何が何だかさっぱりわからない。でも彼の数奇な運命をたどるだけでも、得るもの、感じるものはたくさんあるはず。

最後に「旅する極楽トンボ」としての感想をひとこと。
歴史に「~たら」「~れば」はないということはわかっているが、もしもナチス・ドイツがあんなことをしなければ、今もなおヨーロッパにはたくさんのユダヤ人コミュニティーがあったはずである。それを旅人として垣間見てみたかった。


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by foggykaoru | 2011-06-01 21:44 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)

物語 チェコの歴史

これも地震前に読んで、メモ帳に感想を書いておいた本です。

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中公新書の「物語 ○○の歴史」シリーズの中で、かなり評価が高いほうなので、ずっと読んでみたいと思っていた。
でも、「森と高原と古城の国」という副題はちょっとどうも。
勘違いして観光ガイド代わりに読む人がいることを、編集者は期待したのだろうか?

著者は薩摩秀登という人。1959年生まれでこの本を書いたのは2006年、つまり47歳のとき。
そう思って読むと、若い学者が誠意をこめて書いた感じがしてくる。

そもそも「チェコ」という概念は後世の発明だ(そういうことを言いだすと、すべての国家が近代の発明なんだけど)から、どう書いたらいいのか悩んだのだと、著者は前書きで言っている。
そこで各時代の代表者として、何人かにスポットを当てて書いたのだと。
いいねいいね。それでこそ「物語」だ。(このシリーズ、「物語」が単なる枕詞になってしまっている本が多すぎる。)

慣れ親しんだフランスやイギリスの歴史とは雰囲気がかなり違う。

男子が絶えてこのままでは王家が断絶すると、みんなで集まって適当な人材を探してきて、国王に据える(つまり婿にとる)ということを何回もやっている。
宗教的にはけっこう融通無碍。
早くからカトリック教会への批判が生まれ、その先鋒だったフスが処刑されたのは高校の世界史でも習ったけれど、その事件以外、教会と教会批判派が血で血を洗うというような事態にはならなかった。
チェコの治世者の一般的な姿勢は、あくまでも「政治優先」。だからユダヤ人にも寛容だった。
そんな中でちょいとごり押し気味だったのがイエズス会。プラハ大学を我がものにしようとするが、果たせず、神学部と哲学部だけを担当するけれど、100年後にはマリア・テレジアの命令で解散させられてしまった。

群雄割拠のヨーロッパ大陸の只中に位置し、自らが中心になることこそなかったけれど、文化的にかなり進んでいて、そこそこ繁栄していた地域が、何事かあっても大もめにならないように、周辺とうまくつきあいつつ、したたかに生き延びた歴史。

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今日の経済活動:
昼は外食。パスタ。
普段通勤で歩くのとは逆方向に、おじいちゃんがやっている鶏肉専門店があります。
スーパーの肉とはレベルが違うので、そちら方面に行くと買うようにしているのですが、今日、午後2時ごろに行ったら、ほとんど売り切れ。わずかに残ったひき肉を買ってきました。
なぜそんなに早く売り切れるのか、聞かなかったけれど。

義援金送りました。

床磨き、壁に到達しました。
あとは境目をグラデーションにしてごまかすだけ(笑)

明日から通常営業に戻ります。戻れるはず。
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by foggykaoru | 2011-03-16 22:22 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(2)

よろこびの日

何が「よろこび」なんだ? と思われることでしょう。
本の題名です。1週間ぐらい前に読んで、メモ帳に感想を書いたままだったのです。

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副題は「ワルシャワの少年時代」
著者はI.B.シンガ―という人。ノーベル文学賞受賞者だそうな。
そんなすごい人が、(たぶん)肩の力を抜いて子ども時代を振り返って書いた本なら、けっこう楽しいかも、、と思って読んでみた。

渋かったです。
正確に言うと「ワルシャワの<ユダヤの家庭に生まれた子どもの>少年時代」。
そう、ポイントは「ユダヤ」です。
著者の父親はラビ。敬虔なユダヤ教徒。清貧そのもの。
そして描かれているのは9割がたがユダヤ人社会の中の出来事。
彼らの暮らしぶりが興味深い。

一番ウケたのは前書きの、以下の部分。
心配するな---と父はわたしに話してきかせた---ユダヤ人が神の教えにしたがって身を慎むかぎり、メシアはこの世に現れ、ユダヤ人ひとり残らずイスラエルの土地に戻るときがきっとくる。---だって、二千年といえば待つには長すぎるんじゃない。それに、ユダヤ人のみんなが神さまの定めた掟に気をつけるって、どうして信じられる。ここの通りにだって盗みをはたらく人もあれば、いろんなイカサマをやる連中もいるというのに。
そう。子どもの眼を通して見た、きれいごとでないユダヤ人社会の話なのです。
(少なくとも彼の周りには)大悪人はいない。けど、小悪人は山ほどいる。
でも、きわめつけの善人もいる。これがすごい。心を打ちます。

この本は岩波少年文庫創刊60周年記念の復刻版。
装丁も普通の少年文庫とは違って、昔懐かしい小花模様の表紙。

間違いなくこれは良書です。
でも、この本を手に取って読む子どもがいるとは思えない・・・

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今、この感想を読むと、不思議な感慨がわいてきます。
平凡な日々の暮らしの大切さ。
被災した人々に比べて、今の私の置かれた状況は天国みたいなもの。
でも、「平凡な日々の暮らし」は奪われています。

今朝は電車が間引き運転だろうからと早起きし、食べ物は自分で確保しておくにこしたことはないと考え、充実したお弁当を作ったところで「自宅待機」の連絡がきました。
首脳のみが出勤し、明日以降のことを協議するとのことだったのですが、いまだに明日の連絡はきません。

お昼は、あえて近所で外食しました。
今、被災していない人がするべきこと、それは経済活動。
でも、東日本在住の人間には、ろくな経済活動ができないのです。
なにしろ、電気を食うことはできない。
車(私は持ってないけど)で動き回ることもできない。ガソリン不足だから。
今思えば、間引き運転でも動いていた電車に乗って、家電量販店に電池を探しに行くことができたんでした。明日も今日と同じ運行状態で、かつ、自宅待機だったら、トライしてみよう。でももう電池は手に入らないかな。

家にいるときは、常にテレビかラジオをつけています。
ときどきネットをして、5時にシャットダウンしました。
冷たいお弁当をチンせずに食べました。
計画停電終了の知らせを聞いてネット復帰。

西日本のみなさん、私たちの代わりに活動しまくってください。遊ぶことも立派な経済活動です。
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by foggykaoru | 2011-03-14 19:47 | 児童書関連 | Trackback | Comments(8)

テルミン

副題は「エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男」
著者はテルミン奏者・竹内正実氏。

この本を手にとったのは、も・ち・ろ・ん 『のだめカンタービレ』の影響です。

2000年刊。
その10年後にテルミンが登場する映画がつくられ、その演奏を依頼されることになろうとは、著者も予想だにしていなかったことでしょう。

テルミンの発明者であるレフ・テルミンの人生は、ソ連邦の歴史に重なる。
1896年生まれで、幼いころから抜きんでて優秀で、特に物理と音楽が得意だった。
レオナルド・ダ・ヴィンチような万能の天才だったそうな。
青春真っ只中のときにロシア革命を経験し、ロマンに燃えて赤軍に入る。
できたての楽器テルミンをレーニンはいたく気に入った。
アメリカに紹介され、脚光を浴びるが、その後、悪夢のスターリン時代がやってくる。
苦労しつつもなんとか生き抜いたレフ。
ペレストロイカ以降、「あのレフ・テルミンが生きていた!」と(おもにアメリカで)話題になる。
亡くなったのは1993年。

スターリンというのはなんてひどい奴なんだろうと、今さらながらに思った。
手あたり次第の粛清。
誰でも命を落とす可能性があった。

竹内氏によると、テルミンはシンセサイザーの先駆けなのだそうだ。
だが、誰が演奏しても同じにできるという、現代の最先端のデジタル楽器とは正反対に、テルミンは非常に演奏が難しいために、忘れ去られかけた。
ところが、その後、音楽の潮流が変化する。
今や、「誰がやっても同じに弾ける」のではつまらない、努力して演奏技術を磨かなければならないというところがいいのだ、という考え方になりつつあるのだとか。

そりゃそうだ。
努力して、少しずつ練習の成果が現れてくるのが、面白いんですよね。

とはいえ、テルミンは依然としてマイナーな楽器です。
「メジャー」には永遠にならないと思う。。。
そういう摩訶不思議な楽器があるということだけは、以前からなんとなく知ってはいましたが。

こんな楽器を登場させた『のだめ』ってすごいなと、改めて思いました。
23巻の巻末に豆粒ほどの文字で参考文献がぎっしりと書かれていますが、あれで全部ではないのではないかと思ったり。


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by foggykaoru | 2011-02-18 20:57 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(10)

すっかり明るくなりました

c0025724_10383731.jpgモスクワはシェレメチェボ空港の新ターミナルです。

古いターミナルと違って明るくてきれい。
もちろんショップも開いています。(その昔、モスクワ空港にはショップがあっても、その半分以上がしまっていたんです)


メインサイトにて、極寒のヨーロッパ・音楽の旅「なんとなく『のだめカンタービレ』」連載中。
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by foggykaoru | 2011-01-23 10:44 | メインサイトのボツ写真 | Trackback | Comments(10)

これもまたロビンソン・クルーソー

c0025724_20325581.jpg
ARCのクリスマス会にて。(↑上↑はディナーで出た料理のごく一部です。胃の限界を超えてしまい、今朝は朝ごはんが食べられなかった(苦笑))

ディナーの前に鑑賞したのが「ロビンソナーダ」という映画。
タイトルから推察されるように、ロビンソン・クルーソーに関係があります。会員のひとりが高校生のときに観たお気に入りの映画だというので、みんなで観てみようじゃないかということになりまして。

なんとグルジアの映画です。1970年代の作品なので、正確に言えばソ連の映画。でも台詞はグルジア語(と英語)。ロシア語とは全然違うみたいです。文字も全然違う。くるくるしていてタイ語みたい。

舞台は1920年代。
インドを統治していた英国は、通信のためにロンドン~デリー間に送電線を設置します。つまりインドに至るユーラシア大陸に延々と電信柱を立てて、電線を張り、「電信柱の周囲3メートルは英国領である」という協定だかを関係各国と取り決める。そして、その送電線の管理のための要員を派遣する。英国ってすごいっす。
さて、グルジアの小さな村に派遣されたヒューズ氏。何事も起こらないのんびりした村で、それなりに楽しみを見つけて暮らしていた彼にとって、寝耳に水の出来事が起こる。それはグルジア革命。要するに、ロシアで起こった革命がグルジアにまで及んできて、共産党体制になったのです。
英国は各国にいる送電線管理人を本国に召喚するのだけれど、なぜかその指令は彼のもとには届かず。
だから、共産党から退去命令が出ても、彼は動かない。家を追い出されると、電信柱の足元に居座ってユニオンジャックをふりかざし、「英国領内に入るな!」
それがちょうど孤島で暮らすロビンソン・クルーソーみたいだという・・・。まにあっく。

ひじょーに渋いけれど、独特のユーモアがあり、しかも何が現実で何が妄想なのかよくわからないところもあるという不可思議な映画でして、「何だこりゃ。ファンタジー?」という声が上がったり(笑)
しかも、旧ソ連の体制下でよくもまあ検閲の目を逃れたものだなあと思わせます。
きっと、ロシア人にはグルジア語がわからないから、わかる係官、つまりグルジア人にチェックさせたのでしょう。で、この映画は決してグルジア人を悪く描いていないので、OKということになったのでは。

それにしても、いかにランサム好きであっても、「ロビンソン・クルーソー」つながりでこの映画をひとりで観に行った高校生って・・・。偉いというかすごいというか。そんな人は日本広しと言えども、1人しかいないはず。
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by foggykaoru | 2010-12-20 21:17 | 児童書関連 | Trackback | Comments(2)

ハプスブルク三都物語

著者の河野純一という人はウィーン大学客員教授の経験がある大学の先生。

三都とはウィーン、プラハ、ブダペストをさす。
とても読みやすいので入門書としてお薦め。
読んだはしから忘れてしまうのだけれど(涙)

かろうじて覚えていることをメモ。

・マリア・テレジアの息子であるヨーゼフ2世はいろいろ改革を行った。葬式のやり方についても。「棺桶は使いまわしすべし」とか。えらく不評だったそうだ。モーツアルトのあの葬儀のやり方は妻コンスタンツエのせいではなく、法律に基づいたものだった。

・モーツアルトを認めた都市はプラハ。ウィーン市民と違って、プラハ市民は彼の死を心からいたんだのだそうだ。

・ブダペストに温泉施設がたくさんあるのはオスマン・トルコの置き土産。

・ナチスドイツはユダヤ人音楽家の作品の演奏を禁じた。シュトラウスもユダヤの血を引いていたということを、ナチスはつきとめ、ゲッペルスにもその報告は行ったのだけれど、その事実は封印された。シュトラウスの音楽を否定することはナチスにさえできなかった。

・ウィーン・フィルは国立歌劇場(シュタッツオーパー)のオーケストラのメンバーの中から選ばれる。歌劇場での演奏だけでも年に300回あるから、ウィーン・フィルとしての活動は著しく制限される。定期演奏会の回数が非常に少なく、しかも日曜の昼間だという理由はここにある。

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by foggykaoru | 2010-12-13 20:12 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(4)