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ケルト第四弾: ウェールズ

武部好伸さんの『ウェールズ「ケルト」紀行---カンブリアを歩く』です。

「北アイルランド紀行」に比べてずーっと普通に楽しい旅。
南から入って北上していき、後半は「灰色の王」を通じてなじみになった「グウィネズ」という地名がばんばん出てくる・・・んだけれど、私たちが行ったところは完全に無視じゃん!と思っていたら、最後の20ページぐらいになってスランゴスレン、(機関車トーマス)そしてカステル・ディナス・ブラン(ブラン城)が出てきて、おおっ!
そして、最後のほんの数ページのところで、カステル・ア・ベレが登場。
(このあたりのことは、メインサイトの「児童文学の旅」の「クーパー&ランサム聖地巡礼記」に書いてあります。)

しかし、「タウィン」でなくて「ティウィン」、「タル・ア・フリン」でなはくて「タリスリン」なんて書いてあったりします。武部さんみたいなケルト・マニアでも間違えるんだ・・・。

「イングランド編」を読んだときも思ったのですが、このケルト・シリーズには「闇の戦い」関連のスポットはほとんど出てきません。スーザン・クーパーが舞台にしたスポットというのは、アーサー王伝説ゆかりの地の中でも、かなりマイナーな部類のようです。
どうしてクーパーはそんなところばかり選んだのかなあ。
あえて手あかのついていないところを選んだのかしら。
あるいは、、、、アメリカに渡ったクーパーが、たまたま休暇を過ごしたことのある場所を選んだだけだったりして。


武部さんのこの本には、グウィネズ王国の中心地として、アングルシー島が登場します。

この島を中心としたウェールズの王朝の歴史は、以下のとおりだそうです。
(1)9世紀末のロードリ・マウル(大王)によるもの
(2)11世紀半、のグリュフィズ・アプ・スウェリンが全ウェールズを統一
(3)イングランドを支配したノルマン人に脅かされる
(4)1195年、スウェリン・アプ・イオーワース(大スウェリン王)即位。その直後、ウェールズのほぼ全土を治める
(5)その後、イングランドの侵攻
(6)1246年、スウェリン・アプ・グリュフィズ(最後のウェールズ大公)即位。イングランドのエドワード1世に最後の抵抗をする


アングルシー島といえば、「修道士カドフェル」の、かなりあとのほうの巻の地図に出てきました。
あれっていつのことなのかな? 
気になったので大昔のポストを確認してみたら、1135年からしばらくの間でした。
つまり(3)の時代。なるほど。

武部さんのケルト紀行シリーズ、面白いんですが、立て続けに読んだら、ちょっと飽きてきました。


この本に関する情報はこちら

by foggykaoru | 2008-11-03 21:58 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(2)

Commented by Titmouse at 2008-11-06 23:26
スウェリンってきっとリューエリンだよね・・・と思っていたらやはりそうですね。LLの発音の表記、スランゴスレンにタリスリンときたならスルエリンになりそうなものだけど、ほんと難しくてブレるのもしかたないし、一般的な表記というのも単語によって違うんでしょうね、きっと。
鳥岩近くの城跡はどのリューエリンの城だったのかと思ったら(なんでみんな同じ名前なんだ~)、(4)の人のようでした。
Commented by foggykaoru at 2008-11-07 20:48
Titmouseさん。
そうそう。(4)の人が作ったお城。
落城したのは1283年ですって。
この落城を機に、ウェールズの独立は消えたんだそうです。

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