私とピアノ
2008年 11月 20日

一般に、子供自身がやりたがらない習い事を無理強いするのは良くないこととされています。
でも、ほんとうにそうなのでしょうか。
自分の体験から、案外教育的なのことかもしれないと思ったりもするのです。
まず、とりあえず忍耐力がつきます。
また、「まだ勉強のほうがマシ(!)だ」と思うようになる可能性があります。
でも、反抗する子供と毎日戦うには、親のほうも相当の覚悟が要りますけれどね。
母はすごかったです。
「勉強なんかする必要はない。そのかわりに毎朝30分ピアノを弾け。弾かないと起きてやらない。学校から帰ったら1時間弾け。弾かないと夕ご飯を作らない」
(だから勉強したかったのにできなかった・・・というのは嘘です。大手をふって何もしなかった(笑))
厭だ、やめたいという私を母が何と言って黙らせたかというと、
「やめたら後になってから後悔するわよ」
これを言われるとたまらなく不安になります。
そして追い打ちをかけるように
「あなたにとって今、厭なことはピアノだけでしょう? でも、大人になったら厭なことをたくさんしなくちゃらなくなるんです。だから厭なことのひとつぐらいは我慢しなさい」
ひえ~、怖い~!
大人になりたくないよーー!
と、びくびくしながら大人になったんですが、なってみたら大人は楽しかったです。ああよかった。
でも、本人にやる気がないと全然伸びないということは言えます。まさに私がそうでした。
私の場合、中学に入り「一応楽譜が読めるようになって音感が身についたから、もうやめてもいい」と言われたときに、「ここでやめたら何のために今まで我慢したのか」と思い、自分の意思で続けることにしたのですが、それ以後、自分で言うのもなんですが、けっこう進歩しました。
川辺に連れて行くことまではできるけれど、水を飲ませることはできない。
本人が飲みたいと思わなければ水は飲めない。
ということを身をもって経験しました。
大人になってからはほとんど弾かなくなってしまったけれど、たまーに弾きたくなることもある。シャミナードあたりの軽い曲を弾くのは気分転換に最適だし。
まっ、今となっては、無理やりピアノを習わせてくれた親には感謝してるわけです。
というわけで、ピアノの代わりになるものは欲しかったのです。
で、買ったのがKORGの電子ピアノ。
このメーカー、今まで知らなかったのですが、楽器店に行っていろいろ弾き比べて選びました。
納得して選んだのだけれど、
うーん、、、
まあ実にピアノとはまったく別物なんだなこれが。
でもヘッドホンをすれば真夜中だってガンガン弾けるのが電子ピアノの大きなとりえです。
今までは夜8時を過ぎると、近所迷惑を気にして弾けなかったから。
これからは、せいぜい指を動かして脳の老化防止に努めようと思います(自爆)
by foggykaoru | 2008-11-20 21:37 | ピアノ日記 | Trackback | Comments(10)

私の場合は、たしか4歳から高1くらいまで続けて、やめてもいいと言われた時は、さっさとやめました。
18歳になったばかりのころ、友だちの家で、たまたまバイオリンを見かけ、「弾く?」ときかれ、手に取ったけれど全く指が動きませんでした。びっくり。
嫌いなお稽古は、絶対子供にはやらせるな、が私のモットー。
ところで KORGは、30年くらい前、よく聴きに通ったグループのキーボード奏者が、時々弾いていたから、知ってました。ジャズっぽい演奏に、よく使われません?或いはロック、のイメージ。まだあるんですね、嬉しいし懐かしい。(そのキーボーディストは、一時期音楽の専門学校の講師をしていたくらい、かなり上手だしヤマハやローランドも使っていたので、耳は確かな人だったと思うんです。)
わかるわかる。
私も自分の意思で続けるようになるまで、習った曲は丸をもらったはしから忘れてしまいましたから。
でも、「バイオリンに比べたら、普通の勉強なんて軽い軽い」っていう気分にはなりませんでしたか?
最初はヤマハかなと思ったのですが、実際に売り場で弾いてみたら、ヤマハはいまいちですぐに脱落。
ローランドもけっこうよかったです。

わたしはピアノを弾きませんが、家にピアノがあるというのはやはり良いものというか、落ち着くような気がします。

私も基本的に「習い事は本人の希望」派です。自分も強制されたことないし。それプラス「子どもが自分で通えるところ」。嫌がってもやらせる親や送り迎えする親はすごい、と思います。
>鍵盤をたたく音だけが聞こえて演奏する音楽は聞こえず、
そう。はたから見ると奇妙なんだろうなと思います。
楽器を弾くのはすべからく楽しいと思うのですが、ピアノというのは自分でメロディーも伴奏できるのが強みです。
だから他の楽器に興味があってもなんとなく物足りない気がしてしまって手が出ないとも言えます。
他の楽器なら合奏の楽しみがあるというのはわかっているんだけど。
いやーとんでもない。
小学校のときの勉強はゼロです。今追記しておきました。
将来の進路を決めるときに、音大も視野に入っていたんですが、最終的に普通の受験勉強のほうがまだマシだと思ったということです。
ピアノは1日さぼると1週間練習したことが水の泡になってしまう。
それに比べると、普通の勉強のほうがずっと楽です。
伝統芸能の伝承者の中には、必ずしも家業が好きではなくて、私のピアノみたいな経験をする人がいるんじゃないかな。
でも最終的には立派な後継ぎになる。
それにしても、音楽の家系でもないのに、うちの母はほんとに頑張ったものです。
その原動力は「自分が音痴で恥ずかしかった」ということなんです。。。

わたしは、むかしむかし一度ヴァイオリンを習いましたが(1/8サイズの楽器を使ってました)、1年たつかたたないかでやめてしまいました。バスと電車に乗っていくところで、送り迎えをしていた母がそのころ病気をしたので、ずっとそのためだと思っていたのですが、数年前のある日「あなたが嫌がったから無理にさせなかった」と言われ、愕然。というわけで、失った年月を取り戻すべく、今になって悪戦苦闘しているのでした。
特技なんて無いものなあ。そろばんと九九は算数をやっていくなら基本インフラだと思います。これは問答無用で子供に仕込むべきだと個人的には思います。
働いて家事をして生きていくだけで精一杯だった母に、叱られるというか指導された記憶のない私にとっては、かおるさんのお母さんに厳しくも深く教育してくれたことが、うらやましく思えます。