さだまさし著「茨の木」(幻冬舎)
2009年 01月 25日
ランサムよりも一般人になじみがあるものを主題に置いているけれど、その裏にランサムへの思いがこめられているという、いわば「確信犯」による本です。
まず目次。
第一章「東京」、第二章「ロンドン」、そして第三章は「ボウネス」!
ボウネスはウィンダミア湖畔の町。この町は、日本人が大好きなピーター・ラビットと、日本人がけっこう知っているワーズワースのふるさとである湖水地方の玄関口。だから、この町が出てくるだけでは驚くに値しないかもしれない。
でもそれだけではない。何気なく、しかしはっきりと、ランサムの名前が出てきます。
それだけじゃない。
主人公の回想場面に、ランサムにインスパイアされたとしか思えない話が出てきます。ランサムを読んでる人にしかわからない形で。(「超弩級」の意味、もう決して忘れません。)
半分過ぎたあたりで、もうこれ以上ランサムネタはないよねと思っていたら、どどーんともう1つ出てきて。これは絶対にあの巻のあの場面とあの巻のあの場面の融合ですってば。
きっとさだ氏は昔、実際に似たような場面に遭遇して、「ひゃー、これってまるでランサムじゃん!」と感動したに違いない。
さらに想像するに、さだ氏は自分の友達とか兄弟にランサム・サガを勧めたことがあるのでしょう。そして、それは実を結んだわけではなかった。そして、大人になってから湖水地方に行ったことがあるのでしょう。でもコニストンのことは知らなかった。1977年当時の私のように。今も知らないかも。
ランサムファン必読です。
よくできた小説ですから、ランサムファンでなくても面白く読めます。特にイギリス好きにお勧め。
第四章は「グラスゴー」。
かねてからここの美術館には興味があります。
いつの日かアウター・ヘブリディーズ諸島の旅をするときは、絶対にグラスゴーに寄るつもりです。
この本に関する情報はこちら
by foggykaoru | 2009-01-25 09:12 | 児童書関連 | Trackback(1) | Comments(12)
この本の元になった実話の映像もあります。
知りませんでした
超弩級ですか…
ドレッドノートと言われて、建艦史に革命をもたらした(当時としては)巨大戦艦を連想するのは艦船・軍事マニアですが、小船を連想するのは絶対にランサムを知っている人ですね
ところで、Amazonでランサム、って検索すると「ガンダムでよろしいですか」って
出てきて絶句です。ランサムって、岩波少年文庫とかになってないんですね。
最近、私立入試に合格した生徒(6年生)に贈りたいと思ったのですが、うーん、
ドリトル先生にしようかな・・・
確かにドレッドノートだけだとランサマイトと決めつけるのは早いんですけどね。
他の小ネタとの合わせ技です。
もし興味があったらぜひ読んでみてください。
なるほどとお思いになるはずです。
以前、「ツバメ号とアマゾン号」だけは少年文庫に入ってましたが、長いこと絶版状態です。
ただ、去年あたり、非常に確かな筋から、改訳?版が少年文庫から出るという情報がきました。
もういい加減、刊行されてもいい頃なんですけれど、いったいどうなっているのかなあ。
ランサムとさださんにこんなかかわりがあるとは意外でした!>Titmouseさん
今日コンサートに行ったのだけど、読書の話になったので思わずドキドキしちゃった(もちろん出てこなかったけどね)。
最後のランサムネタってもしかしてあの事件ですか? そこまでは結びつけなかったなあ。(過度な期待をしないように自制しているんだと思います。)

