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さだまさし著「茨の木」(幻冬舎)

周囲で話題騒然だったこの小説、ようやく読みました。

ランサムよりも一般人になじみがあるものを主題に置いているけれど、その裏にランサムへの思いがこめられているという、いわば「確信犯」による本です。

まず目次。
第一章「東京」、第二章「ロンドン」、そして第三章は「ボウネス」!
ボウネスはウィンダミア湖畔の町。この町は、日本人が大好きなピーター・ラビットと、日本人がけっこう知っているワーズワースのふるさとである湖水地方の玄関口。だから、この町が出てくるだけでは驚くに値しないかもしれない。
でもそれだけではない。何気なく、しかしはっきりと、ランサムの名前が出てきます。

それだけじゃない。
主人公の回想場面に、ランサムにインスパイアされたとしか思えない話が出てきます。ランサムを読んでる人にしかわからない形で。(「超弩級」の意味、もう決して忘れません。)
半分過ぎたあたりで、もうこれ以上ランサムネタはないよねと思っていたら、どどーんともう1つ出てきて。これは絶対にあの巻のあの場面とあの巻のあの場面の融合ですってば。
きっとさだ氏は昔、実際に似たような場面に遭遇して、「ひゃー、これってまるでランサムじゃん!」と感動したに違いない。

さらに想像するに、さだ氏は自分の友達とか兄弟にランサム・サガを勧めたことがあるのでしょう。そして、それは実を結んだわけではなかった。そして、大人になってから湖水地方に行ったことがあるのでしょう。でもコニストンのことは知らなかった。1977年当時の私のように。今も知らないかも。

ランサムファン必読です。
よくできた小説ですから、ランサムファンでなくても面白く読めます。特にイギリス好きにお勧め。

第四章は「グラスゴー」。
かねてからここの美術館には興味があります。
いつの日かアウター・ヘブリディーズ諸島の旅をするときは、絶対にグラスゴーに寄るつもりです。


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by foggykaoru | 2009-01-25 09:12 | 児童書関連

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