[対談]言語学が輝いていた時代
2009年 02月 21日
まずタイトルを見て思った。
言語学って昔は輝いていたんだ、と(爆)
どのぐらい昔まで輝いていたんだろうか。
私が無駄にあがいた時代は1970~80年代。あのときだって、そんなものを勉強したいという人はそんなにいなかった。
ずっと前に書いたとおり、私が言語学をやろうなんて思いついたのは鈴木さんに憧れたことが大きいのだが、鈴木さん曰く「私の本に影響されて言語学を始めてみたはいいものの、全然つまらなくてがっかりしたという学生が何人も会ったことがある」と。
うっ、、、勘違いしたのはわたしだけじゃなかったのね(爆)
いうなれば鈴木さんは「天才」。鈴木ワールドは読むだけにしておくほうが無難だった(苦笑)
その天才の考えに基づいて作られたのが慶応藤沢キャンパス(通称SFC)。別に慶応のファンではないけれど、SFCの理念(実態は知らないけど)は称賛に値すると思います。そのへんの大学の新設学部の一歩上を行っている。
一方の田中さん。
彼の代表的著作「ことばと国家」は1981年刊行。出たとき読んでみようと思ったのに未読のまま現在に至る。少年老い易く学成り難しの実例(汗)
この対談から感じるのは、彼は「秀才」。
魅力的なのはだんぜん鈴木さんのほう。
言語学概論を一応やった人、言語学者の名前になじみがある人なら、楽しく読める。
そうでないと、ちんぷんかんぷん。ベストセラーにはなり得ない本。
意外だったのは、ソシュールを翻訳したのは日本が世界でいちばん早かったということ。
だけれども、その理論をもとにしてなんらかの新しい考えを世界に発信した言語学者は皆無だったのだそうだ。つまり、ただ海外の偉い人の著作を日本語訳しているだけで、それに立脚するなり、あるいはそれに反対するなりして、新しいものを構築する学者がいない。
たとえば、ソシュールの翻訳とは関係ないけれど、鈴木さんたちより上の世代の「とても偉い言語学者」だった服部四郎。
出来の悪い学生だった私ですら、「この人はこれだけ外国の学者の理論をきちんとまとめて紹介することができるんだから、ものすごく頭が良いのだろう。でも、自分の考えというものはあるの?」と思ったことがある。日本人の学者の多くは、学者じゃなくて優秀な学生に過ぎないのかも。
あと、昔は英語の教職を取るには言語学が必修だったのだそうだ。私の頃はもうそうではなかったけれど。(ぢつわ英語の教職持ってたりします。使ったことないけど)
でも、「英文法」とか「英語音声学」だけではなく、一般的な言語学をさわりだけでもやっておくのは、英語という1言語を扱う上でも無駄ではないと思う。
ロシア語をのろのろ勉強している現在、今までいろいろな外国語をかじってきたことはもちろん、あの砂を噛むような一般言語学で文法上のさまざまな抽象概念や諸言語の現象を学んだことと、音声学で多岐にわたる音声の存在を教わり精密発音記号を学んだことが、かなり助けになっていることを実感してます。
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by foggykaoru | 2009-02-21 19:32 | バベルの塔 | Trackback | Comments(15)
「ことばと国家」、名著だと言われているけれど、そうなんだ・・・。やっぱり読まなくちゃ。
>トップの写真はペルーでしょうか?
ピンポン♪
>もしかしたらPukara?
ブー。
プカラには行ったことがありません。クスコです。
>砂を噛むような一般言語学
つまんなかったっていうことですよね・・・
(私は言語学ってやったことがないんです。一行でもよけいに本に触っていたかったので・・・そのわりにはたいして読んではいませんが)
外国語を学ぶのに役に立つなら、どんなものか知りたいですが、つまらないのですか・・・
英語史がつまらなくてつまらなくてやっとの思いで試験を受けましたが、今おもうと、すべては自分の素養のなさにつきるというところだったと思います。今やったら楽しめそう(というのは簡単ですね)。
面白くないけれど、抽象概念を学んでおくと、具体言語を勉強する際、多少視野が広がるかな、、、というかんじ。
あ、そうそう、一般的な言語学というのは、具体的な英単語の語源とか、古英語とかはやらないのですよ。
ふふ。はみさん好みかなと思ってました(^^;
はみさんとこがデザイン変更したのに刺激されまして。
HPやってかると、ブログの手軽さが逆に物足りなくなりますよね。
でも、私の場合、はみさんと違って、もとのテンプレートがどれだかがバレバレ。写真を取り換えて、リンクの色を変えた程度だから。
文系の中で限りなく理系っぽいと言われることが多いのですが、、、だから人気ないんですかねえ...。
おもしろいですよ!!
正直、語学には興味ありませんが(あれ?)、言葉の成り立ちにはロマンを感じます☆
言語学が理系っぽいかどうかはわからない・・・
ってか、言語学というのは、周辺領域も含めるとほんとに広いから。
日本語学だったんですね。
だったら今日のポストには反応していただけるかしら。
・・・でもチェコからじゃ、3月5日には間に合わないですねえ(TT)
鈴木さん、懐かしいです。
大学でやりましたよ「ことばと文化」。
ちなみに私の学校では「国語学」という名称でしたが
それもどうかと思います。
そして語彙研究に憧れ、やがて挫折?して
近代詩へ行ってしまった私です(苦笑)
一度ぐらい、鈴木さんの講演を聞いてみたかったなあと思います。
今もご存命ではあるけれど、あんまり人前には出ることはなさそうだから、たぶん永久にそのチャンスはないかも(涙)
今も「国語学」で通している大学は多いんじゃないかしら。

