「ケティー物語」
2005年 03月 19日
「ケティー物語」(原題"What Katy did")はアメリカの女流作家クーリッジが書いた少女小説で、小学校低学年の頃の私の愛読書でした。
「キケリ」はこの作品に出てくる言葉。主人公ケティーが発明した遊びの名前です。
その後、欧米の作家による児童文学の翻訳作品が次々と刊行される中、私は「ナルニア→カッレくん→ランサム」というコースをたどりました。
1977年には、夢にまで見た湖水地方の旅を果たしたわけですが、そのとき、ふらりと立ち寄ったロンドンの書店で見つけたのが、"All that Katy did"、「ケティーがしたことすべて」、つまりケティー物語とその続編の合本でした。身体が震えるほど感激して、衝動買いしてしまったのですが、買っただけで満足して、その後20年の間、読まずじまい。
あるとき、知人のお嬢さん(当時大学の英文科の4年生)と話をする機会があったのですが、彼女の卒論のテーマがなんとクーリッジでした。
「クーリッジを、キケリを知っている人がいるなんて!」
私たちは年齢差を越えて意気投合。
そして、原作がなかなか手に入らないと嘆く彼女に、すっかり茶色くなってしまった"All that Katy did"をプレゼントしたのでした。
私が読んだ「ケティー物語」はたぶんこれ。絶版状態のようです。
ポプラ社からも出ていると聞き、「すてきなケティ」を読んでみたところ、数十年ぶりに再会したケティ(ー)は、思いの外あっさり風味でした。
この作品を通して知ったこと、それは、欧米の一定レベル以上の家の主婦は、「家事のきりもり」をする、ということです。自ら掃除洗濯炊事をするのではなくて。数年後、ランサムのある作品の中で「家事のきりもり」という言葉に再会したときは、けっこう懐かしかったのでした。
何十年も住み込んでいるコックやばあやなら、なにも他の人に「きりもり」してもらわなくても、自分の頭で考えて仕事を進めればいいのに…などと、つい思ってしまう私です。身分社会を知らない上に、使用人を使ったこともないから。
by foggykaoru | 2005-03-19 22:50 | 児童書関連 | Trackback | Comments(7)

作るのはコックに任せて、メニューと食器類を決める。銀磨きは、メイドのお仕事。
あぁぁぁ、生まれ変わったらそんなことしてみたいな。
私も家事の切り盛りって、自分でやることだと思ってました。
『昔気質の少女』のポリーも、おうちは貧しいといってますが、メイドさんのひとりくらい、庭師のひとりくらいはいそうですものね。
コックさんはベックフットのおばさんがいいな。べたべたする黒いケーキが食べてみたい(笑)

先日、某巨大文房具店でお祝儀袋(ポチ袋)を眺めながら友人と交わした会話。
「こういうのを帯の間から出して『はい、ご苦労様』って、やってみたいなぁ。」
「生まれ変わらないと、無理だねぇ。」
というわけで、私は、西洋屋敷に住む、明治時代の奥様に生まれ変わりたいと思います。
コックとメイドと運転手と庭師のほかに書生もいるのよっ。夢のようだわ。
(本当は執事もほしい)
…すいません、こういうのもネタっていうんですか?
>メニューと食器類を決める。
選ばなくてはならないほど食器を持ったことが無いので、どうもぴんとこないのです。
なんて貧しい人生なんでしょう・・・(涙)
>こういうのもネタっていうんですか?
奥様、おっしゃるとおりでございます(爆)
私はわりと妄想体質であることを自覚しているのですが、自分が奥様になるという妄想は抱いたことがないみたい。
きっと、奥様になる適性ゼロなのでしょう・・・(^^;

人に仕事をしてもらうのはとても大変で、多分させる自分の方が働きます。
そこで、ケティーが頑張って、寝たきりなのに、家事のきりもりを一手に引き受け、立派にこなす、、、というすごい話なのです。
考えようによっては、これはファンタジーかも(爆)
ケティーは、奥様業に関して、すごい才能を持っていたのかも(笑)