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英国パブリック・スクール物語

著者は伊村元道という大学の先生。

「イギリスの良家のおぼっちゃんのための全寮制の学校」というイメージの強いパブリック・スクールの歴史が、とてもわかりやすく説明されている。

以下は備忘録。

実はパブリック・スクール、最初はどちらかというと貧しい家庭の子供たちに教育を与えるために作られた。
その後、紆余曲折を経て大きく変質していき、金持ちのための学校になっていく。
19世紀前半にラグビー校の校長になったトマス・アーノルドという人が成功をおさめた。
その成功を見て、他の学校も追随する。
アーノルドが念頭に置いたのは「クリスチャン・ジェントルマン」の育成。
「ジェントルマン」の起源は「ジェントリー」
「ジェントリー」とは最下層の地主の総称で、それは準男爵(バロネット)・勲爵士(ナイト)・郷士(スクワイア)・紳士(ジェントルマン)などに分かれる。
これら「地方の名士」たちが都市化し、地主からブルジョワジーへ、有閑階級から知的専門職へと移行していく。
そのときに、信頼できる教育機関として、パブリック・スクールが選ばれた。
そして、もともとの上流階級である貴族の子弟と、成り上がりのアッパー・ミドルの子弟が、同じ釜の飯を食い、「質素な生活を分かち合う訓練」を施され、英国の新エリートたる人材が生まれていき、ヴィクトリア朝英国の繁栄の原動力となった。

19世紀後半からスポーツが奨励されるようになる。
ただし、個人競技は不可。団体競技に限る。
夏はクリケットとボート。冬はフットボール(サッカーとラグビー)


この本に関する情報はこちら

by foggykaoru | 2009-07-11 21:46 | 西洋史関連 | Trackback | Comments(13)

Commented by むっつり at 2009-07-11 23:57
先日、「ハリー・ポッターと賢者の石」を放送していましたが、そこで出てきた魔法学校は全寮制
第一作という事もあって、イギリスのパブリックスクールの雰囲気を伝えるのに大半を費やしていましたね
「チップス先生さようなら」の舞台もパブリックスクールでしたよね
ランサムでは間接的にしか出てきませんでしたが、男の子の学校?女の子の学校?寮生活?それが常識?と行間からまだ見ぬ不思議な世界が垣間見えていたのを覚えています
Commented by naru at 2009-07-12 00:25
まさに そのラグビースクールの卒業生が来日したときのことです。その人は、なーんとハーマイオニー役のエマの通っていた小学校の教員。しかも理科の教諭。

縁あって参加した、日英親睦旅行の時に、部屋割りで、その教員と同室になったのは、
誰あろう、この私 でした。(因みに私、正真正銘の女性です。中高年ですが)

受けないですか この小話?二十代のラグビースクール出身者と日本人のおばさんが雑魚寝か!?って驚いてくださ~~い。

kaoruさん、いつからラグビースクールが、男女共学になったか、その本に書いてありました?私はとても興味を持っています。
聞くところによると、近年の経済情勢から、たとえ名門校でも、共学にしないと優秀な(?)生徒が集まらなくなったそうです。

寄付に頼ってばかりでは、学校経営が安定していかなくなったの、かも、って思っています。或いは少子化で、いいとこのお家に、必ずしも男の子が生まれなくなった、とか?
Commented by foggykaoru at 2009-07-12 22:02
むっつりさん。
ランサムの子供たちの学校は、ほんとうにチラリズム(笑)で、興味をそそられました。
「ラグビーのシーズンでなくてよかったよ」とかね。
Commented by foggykaoru at 2009-07-12 22:06
naruさん。
この本は19世紀までのことしか書いてないんです。
「日の沈まぬ帝国」に、パブリックスクール出身者が貢献したけれど、彼らの限界みたいなものもある、、らしい、、、ということがなーんとなく感じられるという微妙な書き方で終わってます。

英国の男性と部屋をシェアするなんて・・・・
ユースのドミトリーが男女同室だったりするあたり、むこうの人の感覚には、ニッポン人たる私にはついていけないところがあります。
Commented by leirani@crann at 2009-07-12 23:25
>naruさん

得がたい経験ですよね~ その場ではどれほどnaruさんが(@@)だったりムンクの叫びのオクチをしていらしたか、と想像してしまいますが(笑)
大勢で雑魚寝だったらなんとかいけそうですが、男女二人だと気を遣いすぎて疲れるかなあ、という、オバサン的な感想です・・・

ラグビーとサッカーのこと、いろいろ調べてみたのですが、だんだんわからなくなってきました(苦笑)
Commented by naru at 2009-07-13 18:52
あのあの あの~~~~

私の書き方が悪いからか。お二人が示し合わせているのか??

ラグビースクールは今は共学: つまり、私の同室者は Helen と言う女性だったのですよ==~~ ^0^

ていうか、日本旅館で同じ部屋で一泊したのでした。
さすがに温泉は別々に入りましたが。

うーーむ、「小話」を語る力が、非常に未熟だと、再確認しました。トホホ・・・
長文でお邪魔して、本当にごめんなさ~い。
Commented by foggykaoru at 2009-07-13 20:57
naruさん。
えっ、、
女性だったんですか? 
じゃあ何が問題だったんだろう・・・?
別に年齢が何十歳離れていてもいいんじゃないかと思うんですが。。。
Commented by ケルン at 2009-07-13 21:10
>女性だったんですか? 
>じゃあ何が問題だったんだろう・・・?
>別に年齢が何十歳離れていてもいいんじゃないかと思うんですが。。。

わたしも、わたしも。個室じゃなくて知らない人とシェアというのがダメという意味なら、それもそうですけど。

ふふふ、naruさんのこのコメント
>(因みに私、正真正銘の女性です。中高年ですが)

これって、引っかけだったのかな?と思ってました~~
Commented by leirani@crann at 2009-07-13 23:24
えっ!私も、「共学前のラグビー校」出身者、とみましたよ~
かおるさんと私って、同じ反応しやすかったでしたっけ?(苦笑)
naruさん、ほほほと笑って騙してくださってもよかったのに(笑)

女性同士だったら、まさにおばーさまでもおこさまでも、私は平気だと思うけど・・・
男性だったら、上に書いたように、2人じゃ困るけど雑魚寝ならかまわないと思います。
Commented by naru at 2009-07-14 18:14
「問題だった」のは、ラグビースクール出身者と一夜を同じ部屋で過ごした、ということです。

だって、普通 相手は男性、と思うじゃないですかぁ。

ちぇっ、つまんなーい!!
「雑魚寝」と入れなければ良かったんですね。

「ほほほ」と自慢すべきだったんでしょうねえ。年齢層を隠して(爆)
Commented by foggykaoru at 2009-07-15 20:38
naruさん。
じゃ、「男女相部屋」だと思いこんだ私の反応は正しかったんですね♪
Commented by naru at 2009-07-16 17:28
はい、ご明察!!

でも~~「ん まぁ~~っ!!」というようなご感想をいただきたかった でーす。
Commented by foggykaoru at 2009-07-16 21:09
naruさん。
がっかりさせてごめん。
ユースに泊まって朝起きたら男性が同室にいてびっくらこいたという経験があるので、その程度の反応しかできなかったんです。。。
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