『かはたれ』『たそかれ』
2009年 10月 08日
『かはたれ』は最初の4分の1ぐらいまでは遅々として進まなかった。どうも入り込めなくて。
以前から思っているのだが(そしてしばしば口にしているのだが)、私は英国児童文学で育ったためか、児童書を読むときには無意識のうちに「英国の香り」を求めてしまうようで、あんまり日本の児童書はぴんとこないのである。
今回も「河童かあ・・・。ネズミの騎士とかエルフとかのほうが好みなんだけどなあ」と、図書館に返してしまおうかとすら思ったぐらい、のれなかった。
でも、主人公がめちゃくちゃかわいいので、それに免じて我慢していたら、突如あるところでギアがトップに入り、あっという間に読了。
涙をふく間も惜しんで『たそかれ』に突入した。
そしてついさっき、喫茶店で読み終わった。
お勘定をするとき、目が赤くなっているのを店の人に気づかれやしないかと、気が気じゃなかった。
著者の朽木祥という人と私は同世代。
そして、私と同じような本を読んで育った(ということを確かな筋から聞いている)
若いときにそれと知らずにすぐ近くにいて、すれちがったこともあるかもしれない。いや、絶対にあったはず。
ああ、あのころに知り合えていたら、どんなに感動したことだろう。
(そういう人、少なくないんだけどね。ラッコ庵さんとか。)
妙にツボだったのは以下のくだり。
そもそもお父さんは、フィクションはあまり読まない。『さまよえる湖』とか『エンデュアランス号の漂流』とか、そういう類の本が好きなのだ。
なーんとなく、フラム号の本棚を物色するドロシアを彷彿とさせません?
『かはたれ』に関する情報はこちら
『たそかれ』に関する情報はこちら
それにしても渋いタイトルだこと。
子供に媚びないっていうか。
編集者は異議を唱えなかったんだろうか?
by foggykaoru | 2009-10-08 19:49 | 児童書関連 | Trackback(2) | Comments(4)