バビロンに行きて歌え
2010年 05月 26日
以前からこの作家には好感を持ってます。なにしろランサムの愛読者ですから。
ベイルートからやってきた密入国者ターリクが、大都会東京の中でさまざまな出会いを重ね、数奇な運命をたどっていく。
読み進むにつれて、ああだからこういう題名にしたのねと思った。
ピアノに忙しくて、あんまり頭が本を読む態勢になっていないのだが、抵抗なく読めたので、かなり読みやすいのだと思う。
面白かった。けど、最後はちょっと強引。
というか、ご都合主義かも?
でも読後感はとても良いのでけっこうお薦めです。
現在、ユーズドでしか入手できないようです。
by foggykaoru | 2010-05-26 20:52 | 普通の小説 | Trackback | Comments(6)
借ります!
「カデナ」も お忘れなく。読みやすさなら負けません!?
(これなら本屋さんで買えますヨ。)
ユーズドのみなんですか? (売っちゃわなければ良かった・・・もう遅い)
これは、確か『スティル・ライフ』の次に出た作品だったと思いますが、語り手がどんどん変わっていき、それで読み手が頭のなかに状況を作っていくのが面白かった覚えがあります。ふだん暮らしている街が、異邦人の目にはこうも見えるんだ、という新鮮味もありました。
この作家は前から好きですが、評論を読んでいると評論が良く、小説を読んでいると、やっぱり小説が良いなと思います。いまこれを書いているときの気持ちでは、評論は思考が直接あらわれてくるので、今はじっくりと書かれた短編か中編を読みたいな。
そうかー、手に入りにくいのか(しつこい)
>語り手がどんどん変わっていき
彼の恋人だったことのある女性は、いったいどういう状況でああいうふうに語ったのでしょうね。
まずいじゃないですか、彼にとって。
というふうに、わりと突っ込めちゃう小説なんですよね。
でも面白いけど。
「カデナ」はつい最近読みましたが、よかったです。「すばらしい新世界」、「静かな大地」もよいと思ってます。
池澤さんは自分の著書の中で、思いっきりランサムに言及しているんです。
しかも、そんなにランサムを持ち出す必然性がないところで。
だから相当好きなんです。間違いないです。
何と言う本だったか忘れてしまったんですが・・・
確か旅関係の本です。