アンのゆりかご
2010年 11月 06日
著者である村岡恵理氏は村岡花子の孫。
出たときから読みたかった本です。
読みたかったけれど、著者が身内というところにちょっとひっかかっていて、期待半分・不安半分という感じで手にとったのですが・・・
よかったです。最後はうるっときてしまいました。
クリスチャンの家庭に育ち、カナダ系ミッション校である東洋英和で学ぶ。
学費が払えないために「給費生」、いわゆる奨学生として。
太平洋戦争のために帰国することになったカナダの女性宣教師からプレゼントされた『アン』の原書を、出版されるあてもなく、特高の目が光る中、こつこつと翻訳し続けた。。。
その姿はアンと、そして原作者モンゴメリの姿と微妙に重なり合います。
そういう翻訳者を得た『赤毛のアン』という作品は幸せだと思いました。
そして、それは神様がお決めになったような気がしました。
私はクリスチャンではないけれど。
今にして思えば、『アン』は非常に敬虔なキリスト教徒の物語です。
その精神性を歪みなく伝えるという点において、村岡花子は適任者だった。
また、翻訳の実際面に関しても適任者だった。
東洋英和の寮で、カナダ人宣教師とともに青春を過ごした彼女だからこそ、カナダの生活習慣、たとえば、お茶とかお菓子などのことも、正しく翻訳できたのではないでしょうか。
村岡花子は、日本にはティーンエイジャーのための文学作品が無いという思いから、児童書の翻訳に携わったのだけれど、どうやら自ら作品を書くことにもかなり興味があった模様。実はいくつか作品を書いているのだそうです。
でも、翻訳者としての仕事に忙しくて、そこまで手が回らなかったし、英米の良質な児童書を日本に紹介することにも一種の使命感を抱き、そちらに専念したのでしょう。
原作『赤毛のアン』の出版100周年だった2008年、東洋英和は、劇団四季のミュージカル『赤毛のアン』を、劇場を借り切って全校で観に行ったと聞きました。
そのときは「へえ、私立の名門校はすごいことをやるんだな」と思っただけでしたが、そのぐらいのことをして当たり前だったのでした。
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by foggykaoru | 2010-11-06 09:42 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(2)
ライトノベルズや漫画はありますが、文学作品とは何かが違います
うまく説明できないのですが…
アンもランサムも出来る事と出来ない事を見極めて責任を真っ当してゆく大人になる為の試練の話なのに、本屋で山積みになっている日本製の漫画やハイティーン向けのノベルズって、なんだか大人を目指さない幼さを追求してゆくストーリーばかりのような気がしています
これって私の偏見かも知れませんね

