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ヨハン・シュトラウス

2000年刊の中公新書。著者は小宮正安という人。

旅行の事前研究のために読んだ。
息子のほうのヨハン・シュトラウスの生涯よりもむしろ、彼が生きた頃のウィーンの歴史や世相が中心。副題の「ワルツ王と落日のウィーン」のほうがこの本の内容を正しくあらわしている。

かなり面白い。この前読んだ本の5倍は面白い。
終盤に差し掛かったところで、旅行自体が危うくなってちょっと水を差されてしまったのだが。

ヨハン・シュトラウスが死んだのは1899年、つまりぎりぎり19世紀。
覚えやすいし、彼の音楽にふさわしい感じがする。

近世ヨーロッパの中心はフランスとオーストリア、つまりパリとウィーンだったのだということが改めてわかった。(イギリスは?ロンドンは?と突っ込まれるかもしれないけれど、あれはヨーロッパの脇にある島)
強い王権(ハプスブルク家は王家ではないけど、まあ似たようなものだ)のもとで繁栄し、華麗な文化が花開いた。
その後、市民階級が勃興し、彼らが貴族のやっていたことを真似する。
それがカフェやオペラなど、今、私をはじめとする日本人が憧れるヨーロッパ文化。
だから今も世界中から観光客がやってくる。
つまり遺産で食っているという点もこの2つの都市に共通している。

メッテルニヒ体制というのは、政治的には不自由だけど、経済は自由だった。
目はしのきく人々はせっせと稼いで成り上がれる。なんだか今の中国みたいだ。
でも、一番強く感じたのは、落日のウィーンが今の日本にオーバーラップすること。
でも日本の場合、バブル期の遺産で今後100年も食っていけるとは思えないのが悲しい。
今後の日本の「ウリ」はマンガやアニメぐらいしかないかもよ。あれは立派な日本文化だと思います。大切にしていくべきなんじゃないでしょうか。

この本に関する情報はこちら


「オーストリア」というタグを作るほどではないと思うんだけど、「ドイツ(語)」にしたらウィーンっ子が怒るだろう。「東欧」のほうがマシのような気がする。ほんとうは「中欧」なんだけど。

by foggykaoru | 2010-12-21 22:11 | 西洋史関連

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