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フランス語版のだめ vol.10: 愚痴後編

昨日の続きです。

誤訳というより、編集の段階で貼り間違えたんだなあと思われる台詞もあります。
でももうその程度のことには慣れっこになりました(苦笑)

今回は新機軸です。

旅行中、他に読む本がなかったから、巻末の「取材協力」のページまでじっくり読んでしまったのです。
そしたらSHIGEKI DAISUKEという見なれない名前が。
はて・・・?と思っていたら、すぐあとに HAUBOISTE(オーボエ奏者)と書いてある。あの人は「しげき」さんじゃないよ。どーしてこーゆー間違いが・・・? 
・・・あっ、そうか、「茂木」の読み方を知らなかったんだ!!

知らなきゃ読めない「大澤徹訓」はちゃんと「AKINORI OSAWA」となっています。
これは調べたのでしょう。または問い合わせた。
でも、「茂木」は問い合わせなかった。間違えるなんて思いもしなかったから。
今、再チェックしたら「星野大地」という名前は「DAIJI HOSHINO」になっていました。これも違うと思うんですけど・・・(でもひょっとしたら、ほんとに「ほしの だいじ」なんですか?)

名前を間違えるのは重大なんですけど、確かに固有名詞はむずかしい。

そして、最後の「長田家」なんですけど。
これをNAGATAKE(Eの上にアクサンあり)というのはいかがなものかと思う。
「け(家)」は「家族」という意味だということを知っていてあえてこう訳したのか、、、えっ、もしかして、わからなかったの・・・?

でも、ここまではいいんです。

今回は普段見ない、カバーの折り返しにある「作者ひとこと」までチェックしたのです。他に読むものがなくて暇だったから。(しつこい)
パリ編が始まりました。
とうとう取材範囲も世界へ・・・。
すっかりパリが好きになりました。
パリで漫画が描けないものか、
一瞬考えたけど、だめだったです。


フランス語訳は以下のとおり。

Et voila, ils vont a Paris! いよいよ彼らはパリに行きます。
Et moi aussi, du coup, pour la documentation... 
だから私も取材のために・・・。
J'aime beaucoup Paris. 私はパリが大好きです。
J'ai pense que je n'aurais jamais le temps de dessiner a Paris. 
私はパリで描く時間なんか絶対に持てないだろうと思いました。
Et j'y suis arrivee. そしてできました。(または そして到着しました。)


これを読んだ瞬間、「ええっ?」と声をあげてしまいました。(フランス語版だけ読んで、二ノ宮さんの原文と違うと気付くわたしって何?とも思わないでもないが(苦笑))

なぜ「だめでした」が「できました」(または 到着しました)になる?!
読み間違えるはずがないでしょうに。

こんな翻訳、変です。こんな翻訳をする翻訳家、変です。

「千秋、北海道に飛ぶ」の俊彦の台詞と同じぐらい、明らかに文をねじまげている。

原文を離れてフランス語のほうだけ読むと
「私は(日本で忙しいから)フランスで描く時間なんか持てないだろうと思ったんだけど、パリが大好きだから、来ちゃいました」ととれないこともない。
でもやっぱり変。とにかく変。

・・・もしかしたら、漫画を描くための「取材」の意味、はきちがえている? 
「取材に来る」ということを、単に「スケッチしに来る」という意味だと思ってる?
(取材というのはむしろスケッチする暇さえほとんどなくて、写真撮りまくってすませることもざらにあると思うんですが、私、間違ってます?)
それとも、「漫画を描く」の意味がわかっていない? 
二ノ宮さんが言っているのは、単に絵を描くということではなくて、「作品として仕上げる」の意味なんだけど。
このあたりが把握できなければ、二ノ宮さんの言葉は、そりゃあ不可解だったことでしょう。
だったら、「この作者は、何わけがわからないことを言っているんだ!」と頭にきて、無理やりねじ曲げて訳してしまった気持ちもわからないでもない・・・


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by foggykaoru | 2011-01-13 20:14 | マンガ | Trackback | Comments(6)

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Commented by むっつり at 2011-01-13 21:59 x
取材って肌で感じる事ですものね
単に風景だけなら、ネットでいくらでも手に入ります
大好きなパリに来て嬉しくて絵を描く間が無かった、と翻訳家は解釈したのかも?
モギは日本人でも間違える人が多いですから
人名は難読ですね
神戸のように地名と人名では読み方が違うのもありますし…
Commented by luna at 2011-01-14 08:27 x
それにしても、のだめ好きのネイティブチェッカーなんてパリにもたくさんいるだろうに……お金かけてないんですかね>フランス語版
Commented by foggykaoru at 2011-01-14 21:50
むっつりさん。
>大好きなパリに来て嬉しくて絵を描く間が無かった、と翻訳家は解釈したのかも?
なるほど。その可能性もありますね。

どの言語でも固有名詞は難しい。
だから素直にネイティブに聞くしかないんですよ。
Commented by foggykaoru at 2011-01-14 21:51
lunaさん。
>のだめ好きのネイティブチェッカーなんてパリにもたくさんいるだろうに……
ほんとうに。
コンヴァトの掲示板に募集をかければあっという間ですよねえ。
Commented by ケルン at 2011-01-15 01:49 x
そこまで味わえるかおるさん。二重三重の楽しみというか、悲しみというか・・・

すぐ例を思いつけないけれど、英→和でもそういうことはありますね。前後でなんか意味が通じない、と思ったら、たいてい翻訳者が途中の解釈をまちがえて、ねじまげてしまうというパターン。途中が間違ってるとは思いもしないので、無理やりつじつま合わせる・・・・。原文はすっきりと筋が通っているのにもかかわらず。フィクションってすべて作者の頭から出てくるものだから、その翻訳はたいへん。
Commented by foggykaoru at 2011-01-15 20:47
ケルンさん。
そこまでって・・・どこまでのことなのでしょうか?
シアキのこと?
まさか二ノ宮さんの「ひとこと」のことじゃないですよね。

翻訳というのはどうしてもネイティブの助言者が必要なんじゃないでしょうかね。。。
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