ヤコブへの手紙
2011年 03月 02日
実は昨日ポストした「青い光が見えたから」を読んだのは1週間ぐらい前でして。
その直後にタイミング良くこの映画の存在を知り、なかなか評判がいいようなので、観に行こうかなあ、でもこういう映画はわざわざ大画面で観なくてもレンタルDVDでいいかなあと思ったり、でも逆に、えらく渋そうだから、家で観ると集中できなくて良さがわからないかもしれない、やっぱり映画館で観るべきなのかなあ・・・などと迷っていたら、上映があさってまでだというので、大慌てで銀座に行ってきました。
うん。
想像どおりでした。良い映画です。
とても渋いです。とても静かです。人口希薄です。涼しそうです。冬は寒そうです・・・(笑)
そして、短いです。75分。
今日はレディースデイだから良かったけれど、1800円払うとなると、ちょっと高い気がします。
この映画は絶対に飯田橋のギンレイホールとか早稲田松竹あたりに来ることでしょう。
これらの映画館は2本立てですから、割高だという問題は起こりません。
興味がある方、その時にぜひ観てみてください。お薦めです。
観たくなった理由の半分は「言語」、フィンランド語でした。
大変興味深く聞きました。
ほんとうに母音が多い言語で、聞いて繰り返すのはわりと簡単そうです。
猫の言葉だとは思わなかったけれど。
どうやら否定文は文頭に「エン」がつくらしい・・・と思って、帰宅してすぐ「フィンランド語のしくみ」を確認しました。
「エン」以外の否定形もあるけれど、とにかく文頭で否定するのですね。オモシロイ。
フィンランド、再訪してみようかな。
この映画の公式サイトはこちら
予告編でフィンランド語が聞けます。語学マニア必聴。
by foggykaoru | 2011-03-02 20:30 | バベルの塔 | Trackback(3) | Comments(6)

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「Postia pappi Jaakobille」…aka「Letters to Father Jacob」 2009 フィンランド レイラにカリーナ・ハザード。 ヤコブ牧師にヘイッキ・ノウシアイネン。 郵便配達人にユッカ・ケノイネン。 監督はクラウス・ハロ。 1970年代、フィンランドの片田舎。殺人事件を起こした後、12年間刑務所に収監されていたレイラは模範囚として恩赦を受け出所を許される。そしてある日、住み込みで働く牧師館にやって来る。深い森の中に建つ古い牧師館に暮すヤコブは盲目...... more

1970年代のフィンランドの片田舎を舞台に、人を寄せ付けない元囚人と悩める人々を癒やす盲目の牧師との繊細な交流を描き、各国の映画祭で称賛された感動的な人間ドラマ。刑務所を出所したヒロインが牧師のために手紙を音読する日々と、二人の心に宿る絶望と希望とを淡々と...... more

とっても静かな映画でしたね。
フィンランドは、まだ行っていないけれど、国も人も静かというイメージがあります。
この主人公は、他の人(郵便屋とか)を誤解させてもしかたない境遇にいますね。見ている私も、ついつい斜めに見てしまっていることに気づいて、自分の狭量さとか心の貧しさに気づいて、イヤになったり・・・。
フィンランド語は知らないけれど、近所の国のゲルマン系北欧語でおもしろいのは、定冠詞・譜定冠詞を単語の末尾で調性するところ。
大人の映画ですよね。
人を救うのは人とのつながりなのかな、と思ったり、でも、信仰がある人が観れば、それもまた神のお導き、ということになるのだろうな、、と思ったり。
フィンランド語はアジア系、ウラル・アルタイ語族だから、他の北欧語とはぜんぜん違うはずです。
そもそも冠詞が無いし。
あの音の響きを聞くと、ちょっと勉強してみたくなります。

ついでにつっこみ。今はウラル・アルタイ語族とは言いません。ウラル語族の近縁性はOKらしいのですが、アルタイは語族というにはまとまりがないそうです。

なるほど。今度から「アルタイ諸語」という用語を使う人の書くことは眉につばをつけて読みます。