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ギフト

「ゲド戦記」のル=グインによる異世界ファンタジー。
ゲドはあんまり得意じゃないのですが、挑戦してみました。

「西のはて」の世界の高地には、各部族ごとに固有のギフト(超能力)を持つ人々がいる。
ある部族の長の息子であるオレックは、そのギフトが強すぎ、自分でもコントロールできないため、父親によって封印されてしまう・・・。

最初から明るい話ではないのだが、封印されるあたりから、かなり苦しくなる。
自分がコントロールできない力って、原発みたいじゃん。
今、原発にうんざりして、癒しが欲しくてファンタジー読んでるのに。

正直、途中でやめようかと思ったぐらい。

でも、終盤になり、事態は急変します。
最後はカタルシスがあります。
途中が苦しかっただけに、ほっとしましたし、感心しました。
実に知的に作りこまれています。さすがです。

さすがなんですが、やっぱりあまり得意じゃない。
この作品は、『影との戦い』と同じく、「少年が大人になるときに避けて通れない精神的格闘」の色彩が強い。
ゲドには無くて、この作品にあるのは、「息子にとっての父親」というテーマ。
これは現代の日本にも十分通用する、というより、父と息子の間に存在する永遠の問題なので、そこがすごいと思う人もいるかもしれない。実際すごいんですが。
でも、私はそういうことをファンタジーには求めていない。
ファンタジーどころか、そもそも小説に求めていない。

そう言えば、最近読んだ『卒業の夏』も(父子問題は無かったけど)「荒ぶる青春の雄叫び」という感じでした。だからあまりハマらず、淡々と読み終わってしまったのかも。

あと、この作品は十分にSFともなりうる。SFの匂いがする。(ル=グインはSFも書いているそうですね。)
私はSF、あんまり得意じゃないんです。

私が好きなファンタジー、それは「あらあら不思議。イギリスの古いお屋敷では、運がいいと何百年も前の子どもたちに出会えるんです」的なファンタジーのほうで。

さんざんいちゃもんをつけましたが、これでも続編を読む気はけっこうあるのです。
そのぐらい良い作品でした。

この本に関する情報はこちら

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夕方の余震は職場に地震予知警報が流れ、カウントダウンとともに揺れを待ちました。どんぴしゃりで揺れ始めたので、「おお!」と感動(?)しましたが、それにしてもいきなり揺れるのとどっちが精神的に楽なんだろうか?と疑問にも思いました。

つい2、3分前にも余震。

しかも震源地は原発のすぐそばときてる。暗澹。

by foggykaoru | 2011-04-11 20:53 | 児童書関連

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