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パワー

『西のはての年代記』の最終巻。

このシリーズは巻を追うごとに「不可思議」系要素が薄くなる。そしてこの本、3冊の中でいちばん厚い。

舞台は「西のはて」にある都市国家。その奴隷制に基づく社会システムが、主人公である少年奴隷の目を通して、丹念に描かれる。やがて、運命に翻弄された彼はさまざまの環境で、さまざまの経験をしていくのだが、その描写は非常に説得力があるし、わかりやすい。歴史小説の肌合いで、時として「文化人類学入門」?
近代国家において、奴隷制を採用している社会は無いのだけれど、果たして我々は真に自由人となったのだろうか?奴隷ではないと言えるのか?・・・なあんてことを考えさせてくれる。

なぜか最初はとっつきが悪かったのだけれど、そこさえ乗り越えるとあとはとても読みやすかった。途中でやめられず、1日で読了した。読み終わったとたん、あちこちを読み返した。そのぐらい気に入った。

ル=グインに慣れたのかな?(笑)


本の内容とは関係ないけれど、この3部作、いまどきの作品名ですよね。
「ギフト」は作品中で「たまもの」と訳されているのですが、作品名としては採用しにくい。
「声」「力」というのもねえ。
一昔前だったら、原題とはまったく違ったものにしたことでしょう。
(『Peter Duck』が『ヤマネコ号の冒険』、『Miss Lee』が『女海賊の島』になったという実例がある)

この際、タイトルには文句言いません。
でもこれだけは言わせてください。
「カウボーイ」は「牛飼い」でしょう! 西部劇じゃないんだからさ。


この本に関する情報はこちら

『西のはての年代記』の他の巻の感想文はこちらこちら

by foggykaoru | 2011-04-17 20:30 | 児童書関連

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