モーツアルトの台本作者

副題は「ロレンツォ・ダ・ポンテの生涯」

ちょっと前に「ドン・ジョヴァンニ」という映画をやっていました。観には行かなかったんだけど。で、これがモーツアルトというより、ダ・ポンテという台本作者の話らしい、、、ということを聞いていたので、この本に手が伸びたわけです。
あとがきを読んだら、まさにこの映画がきっかけで書かれた本でした。

この人、こてこての旧世界で人生を過ごしたかと思いきや、後半生はニューヨークで過ごしたんだそうな。

イタリアのヴェネト地方生まれのダ・ポンテ。
ユダヤ人だったけれど、家族をあげて改宗。当時はそういう風潮だったらしい。
そして学問をつけさせてもらったけど、女出入りがあって、地元にいられなくなり、ウィーンに行ってオペラの台本作者稼業へ。
ナポレオン戦争の影響で、オペラどころじゃなくなり、ちょうどイギリス人の妻を得たこともあり、ロンドンへ。ほんとうはパリに行きたかったんだけど。
妻の一族がアメリカに移住したということで、彼もアメリカへ。
アメリカにはオペラの土壌なんかないので、台本作者としての彼のキャリアもここで終わり。
でも、祖国イタリア文化をアメリカに根付かせようと、イタリア語を教えたりして、まあまあ安定した老後を送ったようだ。
なにしろ、できたてのコロンビア大学の教授になったりしたのだ。学生はいなかったけど。

音楽がらみの人の評伝としては、「ベートーヴェンの生涯」のほうが数段上。
でも、彼を通じて旧世界の歴史と新世界の歴史がリンクしました。これは大収穫。

でも個人的に最大のツボはアメリカへの船旅だったりします。
大したことは書かれてないのですが、とにかくつらい旅だったのだと。
「シャーロット・ドイルの告白」を読んだ直後だったので、おおっ!と思いました。


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by foggykaoru | 2011-07-13 21:41 | 伝記・評伝 | Trackback | Comments(2)

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Commented by むっつり at 2011-07-14 05:52 x
当時は客船なんて概念自身からしてありませんでしたから。
お金を払っているのに、無茶な扱いをする船員が普通…
貴族でもない限り、快適な船旅なんて望めませんでしたね

ユダヤ人は改宗しても、元ユダヤ人というのが一生付きまとったらしいですね
それが、新大陸へ移り住んだ理由の一つだったかも?
Commented by foggykaoru at 2011-07-15 07:13
むっつりさん。
>ユダヤ人は改宗しても、元ユダヤ人というのが一生付きまとったらしいですね
それが、新大陸へ移り住んだ理由の一つだったかも?

はっきりはわからないけれど、著者はそう思っているようです。
最大の理由は、パトロンだったオーストリア皇帝が亡くなったことと、ナポレオン戦争で、ヨーロッパの王侯貴族がオペラどころじゃなくなって、仕事がなくなったということらしいですが。

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