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世界の野菜を旅する

玉村豊男著。

第一章の最初の項目「ポルトガルの味噌汁」を目にしたとたん、味噌汁みたいなあのスープの味が懐かしくなり、衝動的に買ってしまった。めったに新刊を買わない、この私が。

タイトルどおり、世界の野菜の蘊蓄が語られているのだが、タイトルの中の「旅する」という部分がポイント。
単なる蘊蓄なら、他の人にも書けるかもしれない。
でも、ほんとうに現地に行って味わってきた人ならではの手触り、いやむしろ舌触りみたいなものが感じられる文章は、この人にしか書けないだろう。
しかもこの人、今や田舎で農業までやってて、自ら栽培してるのだ。鬼に金棒(←ちょっと使い方が違う?)

でも、読み終わったのはたぶん1週間ぐらい前なので、もうすでにかなり忘れてしまっている(涙)

覚えているのは以下の2点。

アイルランドがジャガイモの疫病に襲われ、多くの餓死者を出したことは知られているが、アイルランド人はほんとうにジャガイモ「だけ」を食べて生きていた。長年ゆでたジャガイモ以外食べなかったので、アイルランドの主婦はゆでジャガイモ以外の料理を忘れてしまったのだそうだ。そしてジャガイモ「だけ」を栽培し続けた結果、土壌が疲弊し、ジャガイモ自体の品質も劣化していった。悲惨。

今やトマトのないイタリア料理は考えられないけれど、唐辛子の入っていないインドカレーやキムチも考えられない。
新しい野菜が入ってくることにより、その土地の料理は大きな変化をとげてきたのだけれど、どの国にもその野菜が広まったとは限らない。
日本人は七味唐辛子ぐらいにしか使わなかった唐辛子を、朝鮮半島の人々はキムチにじゃんじゃん使うようになった。
タイ料理はピリ辛なのに、ベトナム料理はそうではない。
なぜその差が生まれるのかは永遠の謎。
たいしたことじゃないけれど、玉村氏にそう言ってもらえると、「やっぱりそういうだったのね!」と不思議に感動してしまった。


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by foggykaoru | 2011-09-26 20:44 | エッセイ

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