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名画の言い分

著者は木村泰司という美術史の専門家。

2400年にわたる美術史を1冊で説明しようという、普通はできないことに挑戦している本。
なかなかすごいなと思った。著者の頭の中にある膨大な知識のエッセンスをいただけるのだから、お得な本だと思う。
でも読んだとたんに忘れちゃうのよね(涙)
あと、とても読みやすい文章であるにもかかわらず、一気には読めない。
エッセンスがぎっしり詰まりすぎているから。


今覚えていること。

1)中世までは子どもは生まれてもすぐに死ぬから、あまり可愛がって育てられなかった。
それは死んだときの母親のダメージを軽くするため。
「家族仲良く」というのはフィレンツェあたりから始まる。
商人と職人の町だから、父親がいつも家族とともにいた。
そんな土壌に「聖家族」というテーマの絵が生まれた。

2)ヘンリー8世以後のイギリスとか、オランダは、プロテスタントなので、宗教画は好まれなかった。
ルター以後のドイツしかり。ドイツはそもそも絵が好まれなかった。偶像崇拝の道具だったから。
そこで音楽が発展した。

図書館で借りて読んだのだけれど、買って何回も読み直すと、教養が高まるだろうな。
あと、文庫だと、いかにも図版が小さい。ほんとうは単行本で読むべき。


あっ、最大のツボを忘れるところだった!

3)普通だったら「○○様式」という呼び名は、後世になってから「あの時代に盛んだった様式を○○様式と呼ぼう」と決められる。
「○○洋式は×△年に始まった」などとは言えない。
でも、ゴシック様式だけは1137年から始まったとはっきり言える。
というのは、その年にパリ郊外でサン・ドニの聖堂の建設が始まったから。
そのあたりの情景が描かれていたのが、ケン・フォレットの小説「大聖堂」の下巻。


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by foggykaoru | 2011-10-23 17:20 | 西洋史関連

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