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Nodame cantabile vol.13(追記あり)

パリ編になってすっかり刊行ペースが落ちたフランス語版「のだめカンタービレ」。13巻はまだ日本のフランス語専門書店には入っていないので、パリで買ってきました。それも「ここで手に入らなかったらおしまい」という店----ジュンク堂パリ支店----で。6.95ユーロ。今買うと安い!

この巻はノエルの巻でして、個人的には良いタイミングでした。

リュカが歌うクリスマスの歌に関して、原注には「賛美歌第二編219番」と書いてあるだけですが、フランス語版にはわざわざ「19世紀中ごろに2人のフランス人によって作られた歌である」と書いてある。へえええ。二ノ宮さんはそういうこともちゃんと調べてるのね。

久しぶりに帰ってきた千秋に「ピアノを聴かせろ」と言われてのだめが「後日」と言います。これは「後」であるところが、なんとものだめ的で笑わせるのですが、フランス語では「plus tard」(英語の「laiter」)で片づけられてます。意味は合ってるけど面白くない。こういうのが翻訳の限界というものなのでしょう。

エリーゼの「試合に勝って勝負に負けた」は「Tu as gagne une bataille, mais pas la guerre(あんたは戦いに勝ったけど、戦争には負けた」)。なるほど。これは大変面白い。

ちょっとまずいのはマジノ先生の「やっぱり恋をしなくては! 結婚していても! 忙しくても!」
フランス語に訳すときは、主語が必要になるわけですが、この場合は「人」ですよね。
「人は恋をしなくてはいけない!」
それなのに「私」にしています。うーん。主語は難しいよねえ。

明らかな間違いはこれ。
「若くて安くてパリ在住の指揮者」としてマルレの代振りをまかされた千秋がシャワーを浴びながら心の中で絶叫する「もう誰も信じられない!」→「Faites confiance aux autres apres ca=これからは(←この訳、自信ありません)他人を信用しなさい」
エリーゼの台詞だと誤解したから、わけがわかんなくなったのでしょう。話し手を正しく認識していないために泥沼にはまるというパターンはこれまでもたびたびありました。
がっ、、、
変だな。エリーゼは千秋に「tu」で話しているから、動詞は「faites」ではなくて「fais」になるはずなのに・・・ いったいこれは誰の台詞なんだろう? 翻訳者、混乱しまくってるようです・・・

まっそれよりも、オーボエ奏者の茂木(もぎ)さんの名前が、いつまでたっても「SHIGEKI」のままであることのほうを、問題にするべきなのかもしれません。

[1/9追記]
「試合に勝って勝負に負けた」のフランス語訳のもとになっているのは、「La France a perdu une bataille! Mais la France n'a pas perdu la guerre!(フランスは1つの戦いに負けた。しかし戦争に負けたわけではない)」なのだそうです。
これはフランスの英雄ドゴールの言葉とされています。
フランスは1940年にナチス・ドイツの攻撃を受け、あっさりと占領を許し、ペタンによる傀儡政権が樹立されます。当時将軍だったドゴールはロンドンに逃げ、英国首相チャーチルと会談。そしてBBCを通じてフランス国民に戦いの継続を呼びかけるのですが、そのときの演説の「要旨」がこの言葉なのです。
この言葉は1944年の英米連合軍によるノルマンディー上陸大作戦の際の上陸の地アロマンシュに建てられた碑に刻まれ、あたかもドゴールが言った言葉そのままかのように1人歩きしています。
(ゆきみさん、ありがとうございました!!)




フランス語版のだめカンタービレに関する記事のインデックス

by foggykaoru | 2012-01-07 21:24 | マンガ | Trackback | Comments(7)

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Commented by ゆきみ at 2012-01-08 12:01 x
エリーゼの台詞、ドゴール将軍の言葉の逆ですね。私はこれで、batailleとguerreの違いを覚えました。
Commented by ranndosuke-pu at 2012-01-08 12:40
あけましておめでとうございます!
foggykaoruさんのおかげで、いろいろな本を通した世界を旅させてもらって、感謝しています。
今年も楽しみにしております。
よろしくおねがいいたします^^
Commented by foggykaoru at 2012-01-08 20:31
ゆきみさん。
おお、ドゴールがそんなことを言っていたんですか!
勉強になるわ~ 
・・・いつ言ったの?
私はてっきり、英語でもバトルとウォーを使った同じような表現があるのかと思ってました。
>逆
「のだめ」にはそういう表現が多いですよね。
「人を憎んで罪を憎まず」とか。
Commented by foggykaoru at 2012-01-08 20:32
ranndosuke-puさん。
あけましておめでとうございます。
あんまりまともな読書ブログでなくてゴメンナサイ。
たまには何かの参考になるのだったら、とても光栄です。
今年もどうぞよろしくお願いします♪
Commented by ゆきみ at 2012-01-08 23:10 x
アロマンシュ(ノルマンディー)の道端のオブジェに「La France a perdu une bataille, mais la France n'a pas perdu la guerre !」と刻んでありました。

DEGAULE/bataille/guerreで検索できます。
Commented by ゆきみ at 2012-01-08 23:12 x
つづきです。
「肉を切って、骨を切られる」とかかな?と連想してしまいました。
Commented by foggykaoru at 2012-01-09 11:37
ゆきみさん。
検索してみました。
一般ののだめファンにとってはどうでもいいことですが、私の覚書として追記します。めるしーぼーくー。
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