人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アーティスト

観てきました。

フランス語が一言も話されないフランス映画だということは知っていましたが、話されないだけじゃなかった。
画面に表示される言語がフランス人スタッフやキャストの氏名以外、全部英語です。
(たとえば「presented by」とかね。「presente par」ではないのです。)

つまり、徹頭徹尾アメリカでヒットすることを狙った映画なのです。その目論見が大アタリしてアカデミー作品賞まで取っちゃった。やったじゃーん!

とにかく、古き良きアメリカ映画をよく模しています。
なにしろ性的な場面が皆無なのです。男性と女性が心を通じあっているのに。フランス映画だったら、あんな交流があったら、絶対にベッドにGO!のはず。ロマンチックなシーンがあっても、ギリギリのところでプラトニックなままで抑えているのが、いかにも昔のアメリカです。フランス人がこんな映画を作るとは・・・と妙なところで感心してしまいました。褒めてるんです。100点満点!

そして物語。
20世紀初頭の映画界となると、どうしても最近見た「ヒューゴ」とかぶってしまいます。
それと、大昔テレビで観た「雨に唄えば」。
この2つを足して2で割ったような印象でした。
とても楽しかったんですけどね。
でも私には「ヒューゴ」のほうが新鮮でした。

私にとっていちばん面白かったのは俳優の演技です。
無声映画はずーっと昔、チャプリンの映画がリバイバル上映されたときぐらいしか観たことがないので、実質的には今回が初体験でした。

台詞無しで観客に理解させるためには、ある程度大げさな演技をすることが必要になる。でも、この映画はコメディーではない。笑わせるのが目的ではないし、現代の観客を引かせるほど大げさにするわけにはいかない。誰にでもわかりやすい「定番」の動きや表情を、やりすぎない程度にはっきりと見せる必要がある。
「こういうときにはこういうふうに見せるとわかりやすい」というお手本みたいなアメリカ人(演じてるのはフランス人だけど)の演技をじっくり見ることができるという点で、ESSで英語劇をやっている学生サン必見の映画です。

by foggykaoru | 2012-04-24 21:38 | 観もの・聞きもの | Trackback(6) | Comments(0)

Tracked from LOVE Cinemas.. at 2012-04-24 22:11
タイトル : アーティスト/The Artist
新しい時代に対応できないサイレント映画のスター俳優と、その彼に見出されトーキー映画のスターへと上り詰める女優、2人のロマンスをモノクロ映像で描いたサイレント映画だ。『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』の監督ミシェル・アザナヴィシウスが脚本と編集も務め、主演の俳優も同作品のジャン・デュジャルダン、ヒロインをベレニス・ベジョが演じている。古きよき映画の時代が偲ばれる作品だ。... more
Tracked from 映画のブログ at 2012-04-25 00:48
タイトル : 『アーティスト』の画期的なところは何か?
ʱDzѤä DzϡѤοŸȤȤ͡ǤդäƤäȡ()⥫顼(ŷ)⡢夫ääǤǤ롣 ɤ⸽αDzκꤿǤߤ˻ȤʤƤ뤫ϵǤ롣 ¿δѵҤˤȤäơ뤳Ȥ⥫顼Ǥ뤳Ȥ� αDzˡɬ䥫顼ɬˤΤ� פСȤǴĥǥӥ塼͡졼뤬ϤƼȤȡΤββ٤Ǥϡ֤βäƥդʹʤ̤äȡȡ»ʤĩŪʱФʤƤ ޤΥDzǵϰ̤ΩƤŰϺĤ⡢顼DzäƤϲ̤ˡ֤䥫פۤؤζ ߥҥ㥨롦ϥͥĤΥDzڤΤ...... more
Tracked from 映画 K'z films 2 at 2012-05-01 23:50
タイトル : アーティスト
Data 原題 THE ARTIST 監督 ミシェル・アザナヴィシウス 出演 ジャン・デュジャルダン  ベレニス・ベジョ  ジョン・グッドマン  ジェームズ・クロムウェル  ペネロープ・アン・ミラー 公開 2012年 4月... more
Tracked from よしなしごと at 2012-08-22 20:30
タイトル : 映画:アーティスト
 84回アカデミー賞で最多5部門で受賞したサイレント白黒映画、アーティストの記事です。... more
Tracked from kintyre&#039.. at 2012-09-16 15:59
タイトル : 映画『アーティスト』を観て〜アカデミー賞受賞作品
12-36.アーティスト■原題:The Artist■製作国・年:フランス、2011年■上映時間:101分■字幕:寺尾次郎■観賞日:5月12日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ □監督・脚本・編集:ミシェル・アザナヴィシウス◆ジャン・デュジャルダン(ジョージ・ヴァレンティン)◆ベレニ...... more
Tracked from はらやんの映画徒然草 at 2013-05-18 23:17
タイトル : 「アーティスト」 映画の進化
第84回アカデミー作品賞受賞作品です。 サイレント映画からトーキー映画に移行する... more
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 飛びすぎる教室 長いお別れ >>