身体のいいなり
2013年 01月 16日
この本、ベストセラーなんですってね。
正月に実家に行ったら見つけまして。
なんでも、叔父が母(つまり叔父の姉)に電話をかけてきて「この本は面白いから買って読め」と言ったんだそうな。(買ってプレゼントしてくれたんじゃなくて)
言われて素直に買った母。実はそんなに感銘を受けなかったらしいのだけれど。
で、私はというと、私は面白く読みました。
相当ハードな旅をたくさんしているはずの内澤さん、実は虚弱体質だった。
前書きに「生まれてからずっと、自分が百パーセント元気で健康だと思ったためしがなかった」とある。
これは私のことだ!
いや、正確に言うと、「百パーセント健康だと感じたこと」は1度だけある。
20年ぐらい前、もっと前かな?
朝起きたときからすっきりして、元気モリモリだったのだ。
くもり空がすっと晴れ渡った気持ちがした。
たぶん、あのときは朝から血圧が110ぐらいあったのだろうと思う。
そして3日後、再び空が曇った。たぶんまた血圧が下がったのだ。
なおも読み進むと、
「小さいとき、三度の食事は苦痛。夜眠れなかったらどうしようとしょっちゅう心配していた。外で遊ぶよりも家でごろごろしているほうが好きだった」と。
これは私のことだ!
と、また思ったのだが、内澤さんの不健康さはすごかった。
「風邪を引きやすい。一度引くとなかなか治らない」という程度の私とはレベルが違う。
ほんとにあちこち具合が悪いのです。すごい。よくもまあ。
そして乳癌になる。
この本が他の追随を許さないのは、単なる「癌克服記」ではないこと。いや、事実上克服したんだけど。完治ではなく。(癌は完治しないから。)
乳癌の手術の後、乳房の再生手術も受けている。
婦人科の病気は癌に限らずいろいろ精神的にたいへん、という話は聞くけれど、なるほどねえと思った。
内澤さんは言っている。
「この分野にはもっと女性の医師が必要」と。なるほどねえ。
医師であり、小説家である南木佳士は言っている。
「医者という職業はハードだから、元気でないとできない。だから医者は患者の気持ちがわからない、ということに、病気になって初めて気づいた」と。
ましてや、女性特有の病気にかかった女性の気持ちを、男性医師がわかるはずない。
このハンデをカバーするには、豊かな想像力と思いやりを備えた男性でなければならない。
そういうこと、医学部ではちゃんと教育してるのかね?
あと、内澤さんは、いつも不健康だったから、それが「常態」で、どういうことが健康なのかわかっていなかったのだそうだ。
なんとなくわかる気がする。
どういうことが健康なのかわかっていないということは、目指すものが見えないということだ。
だから、健康になろうという努力ができない。
内澤さんは癌になってからのほうが元気になった。
その立役者はヨガ。
けれど、これは結果オーライ、ひょうたんから駒、犬も歩けば棒に当たったのである。
我々の最も身近なところに謎に満ちた神秘の世界がある。それが身体。
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by foggykaoru | 2013-01-16 22:00 | エッセイ | Trackback | Comments(4)

人によって痛みの感じ方も違うように思えますし、苦しさも不愉快さに取って代わる瞬間ってありますし…
しかも医師によっては患者を小馬鹿にしていたり、ルーチンワークになっていたりしますから
風邪を引きやすいのは免疫が低下しているからですので、お大事にしてください
それでも私なんてまだまだマシなほうだわーと思ってしまう今日この頃。
ネッ友さんとか見てると、私より体弱そうって人がいっぱいいるんですもん。
私はなんだかんだいっても寝込むことってほとんどないし・・・。
でも健康でもないけど・・・(^^;)
一度低血圧(一過性のもの)を経験しましたが、すごく気持ち悪い
ものなのですね。
2日ほど、動くのもつらかったし・・・。
低血圧はいやだなあと思ったのですが、私は高血圧タイプなので、
それも問題なのです(^^;)