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近代美術の巨匠たち

高階秀爾著。
2008年に岩波現代文庫として出版された本だが、もともとは1969年に美術出版社から刊行されたもの。その後、青土社から刊行されてから、さらに文庫化されたのである。

フランスの印象派以降の有名な画家の生涯が要領よくまとめられている。さすがいろいろな出版社から出ただけのことはある。さすが高階さん。

高階さん自身、「絵画を鑑賞するために必要不可欠というわけではない知識」だと言っているけれど、有名な人の生涯というのは、それ自体、けっこう興味をそそられるし、なんてったって高階さんだし。高階さんを越える人は、今後なかなか出ないだろうとしみじみ思った。


読んだとたん忘れてしまったことが多い(汗)けれど、印象的だったのは

・ゴッホの唯一の理解者だったとされる弟テオだが、実際は特に兄思いだったわけではないようだ。兄弟の中でいちばん成功したから、ゴッホをはじめとする他の兄弟を援助しただけのこと。「兄思いのテオ」というイメージはテオの未亡人の演出によるらしい。

・「ルノワールは陶器の絵付け職人だった、印象主義の画家の中で、唯一、職人階級の出だった」ということは、高階さんの他の本で知ったけれど、絵付け職人から画家に転身した大きな理由は、機械による絵付けが可能になったため。手描きの陶器の人気が下がってしまい、仕事がなくなったのだという。これにはびっくり。


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by foggykaoru | 2013-01-22 21:01 | 伝記・評伝

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