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魂のピアニスト

ピアニスト、フジコ・へミングの自伝。

以前、テレビで話している彼女を観て、「強烈!」と思った記憶があるが、この本を読んで納得した。

まず、母親が強烈。
強い子どもでなかったらつぶれてしまうんじゃないか。
そしてつぶれない子どもはさらに強くなる。

追い打ちをかけるのが国籍問題。
スウェーデン国籍の父親を持つ彼女はスウェーデン国籍だったのだが、長年一度もスウェーデンに行かなかったから、国籍を抹消されていた。そして日本は国籍をくれない。ひどい話だ。無国籍のままほうっておくなんて人権問題だ。

そしてようやくかなったドイツ留学。極貧の中で暮らす。
日本に帰るか? 
母親は「日本にはあなたの活躍する場なんてない」とばっさり。
ようやく注目され始め、大々的にリサイタルを開こうという矢先に倒れ、聴覚を失う。
療養後、ある程度は回復するが、聴覚は完全にはもとに戻らない。
演奏家としての道はなかば諦め、教師として生きようと、資格を取る。
15年間ドイツに暮らすことにより、年金を受給する資格を得る。
晩年になってから日本で急に注目され、演奏家として活躍する。

こんな人生を送ってきた人が強烈にならないはずがない。

「書きおろし」とあるが、「語りおろし」という感じ。
字が大きくて、1時間ぐらいで読み終えた。
巻末に載っている彼女の絵日記やイラストがなかなかのものである。
そのセンスはデザイナーだったという父親ゆずりなのだろう。
骨の髄までアーティストなのだなと思った。

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by foggykaoru | 2013-01-26 20:34 | 伝記・評伝

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