困ってるひと
2013年 01月 29日
大野更紗という人の病気体験記。1984年生まれ。若い!
ミャンマー問題に興味を持ち、フィールドワークのために精力的に飛び回っていた24歳の彼女を、ある日病魔が襲う。
病気自体がすさまじいのだが、それに輪をかけて、病名がつくまでの検査がすさまじい。
人間ドックの胃の透視程度だってダメージがあるのに、彼女の受けた検査は「健康な人でも死ぬんじゃないか?」と言いたくなるほどキツイ、痛い。
そしてようやく自己免疫不全の難病だという診断が下る。
病名がわかっても治療法があるわけではない。すべては対症療法。ステロイド剤やら何やらの塩梅が非常に難しく、医師の処方もヤマカン的。
量が多すぎるとこれまた死にそうになる。
「壮絶な闘病生活をユーモラスに描いている」という点で、高く評価され、賞を受賞したそうで、確かにその点がきわめてユニーク。
でも表面的なテンションの高さに惑わされてはいけない。
底流にある、ものの見方は公平。
極限的な状況に置かれているけれど、一本芯が通っている。たいしたもんだ。
個人的に「エクストリーム」とか「アメイジング」とか、カタカナ英語が多いのは気に入らないのだけれど。
日本での入院生活というのは、家族がいないとやっていけない。
大野さんの場合、両親はいるけれど、福島に暮らしている。彼女の医療費のためにせっせと働いているので、そうそう東京に来れるわけではない。
勢い、大学の友人に頼むことになるのだが、友人の側にだって限界はある。
熱帯雨林のレビューを見ると「医師に対する感謝が足りない」とかいうのもあるが、それは的外れだと思う。
大野さんは心から感謝しています。でも、自分は健康で病人の気持ちを本当には理解していない医師の不用意な一言には、ひどく傷つくのです。それを正直に書いて何が悪い。この本、医師や医師の卵は読むべきです。
大野さん以外にも、医師ですらよくわからない難病に苦しむ人はたくさんいることでしょう。そんな人々が戦う相手は病魔だけではない。病気と同じぐらい恐ろしいのは日本の医療制度の欠陥という怪物である。
そして、そういう人々すべてが文章を書けるわけではない。
だから書ける人は書くべきです。それはミッションです。
興味を持った方、この本はぜひ買って読んでください。
この本をプロデュースしたのが高野秀行氏だということを知ったのは、読んだ後でした。高野さん、いいことしましたね。
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by foggykaoru | 2013-01-29 21:40 | エッセイ | Trackback | Comments(2)
と言っても文字ばかりで10分間もある長編なので、見るのが大変ですけれど、ある闘病者が2ちゃんに投稿したものをまとめたものです。
嘘かもしれないですけれど、信じてもよい話だと思っています

