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珍作? 怪作? はたまた傑作?

洋子姉さまが、もっとわがままに、もっと烈しく、あたしを責めて下さつたなら……。
あたしを抑えつけて、眼の廻るほど、ぐんぐん引つぱつて下さつたなら……。

今日からこのブログは同人系に衣替えすることにしました。というのは冗談です。

上に引用したのは友人@ネタ大明神が貸してくれた小説の一節。中学の頃に愛読したのだそうです。すごいですねー! 栴檀は双葉より芳し(爆)

ところでこの小説、誰が書いたと思います?




書いたのは川端康成。
その題名は「乙女の港」。
そしてそのテーマは「エス」。

「エス」というのは「sister」の頭文字。戦前の女学校では、女生徒同士の疑似恋愛をこう呼んでいました。私は、「昔そういうものがあった」ということだけは知っていましたが、小説にまでそういうジャンルがあったとは、思いもしませんでした。
川端康成は、出版社にリクエストに応じて書いたのでしょう。ということは、この手の小説は、けっこう需要があったということなのでしょう。

文学的価値という点からすると、どうということはないのでしょうが、日本のある時代の風俗を描いているという点で、資料的な価値はあると思います。今や絶版らしいけれど、消え去るがままにするには惜しい作品です。

ちなみに、「乙女の港」という題名だけあって、舞台は港町。しかも東京近郊。
主人公の通う女学校は、その町の「基督教女学校」。どうやらカトリックです。
戦前なのにネイティブによる英会話やフランス語の授業があります。すごい!
この学校のモデルは、現在の横浜○葉だと思うのですが。

でもね、この小説、カトリックの教会に牧師がいたりするんです。
(牧師はプロテスタント。カトリックは神父。)
川端康成も、その手のことには疎かったようです。

by foggykaoru | 2005-06-02 21:15 | 普通の小説

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