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「キングダム・オブ・ヘブン」の役名について

なにゆえにバリアンがバリアン・ディブランではなく、バリアン・オブ・イベリンなのか?
なにゆえにギーがギー・ド・リュジニャンなのか?

気になったので、公式サイトの各国語版を見てみました。中国語やハングルもあったけど、そちらはとんとわからないので、チェックしたのは横文字の言葉だけ。

しかし、なんと。。。イタリア語が無いんですね。
まさかイタリアでは公開されてないなんてこと、ありませんよね。
スペイン語については、スペイン本土(カスティリア)と南米の二つの版があるのに。

で、結果です。

バリアン・オブ・イベリン
(英)Balian of Ibelin
(独)Balian von Ibelin
(仏)Balian of Ibelin
(西)Balian de Ibelin
(ポ)Balian of Ibelin

ゴッドフリー・オブ・イベリン
(英)Godfrey of Ibelin
(独)Godfrey von Ibelin
(仏)Godfrey of Ibelin
(西)Godofredo de Ibelin
(ポ)Godfey of Ibelin

きちんと自国語に訳そうとしているのはドイツ語とスペイン語だけ。他ではなーんも考えてない模様。

ホスピタラー
(英)Hospitaler
(独)Johanniter
(仏)Hospitaler
(西)El Hospitalario
(ポ)Hospitaler

このホスピタラーって何者なんだか、いまだにわからないんですけど。
で、ドイツ語の「ヨハンニテール」って何?

ギー・ド・リュジニャン
(英)Guy de Lusignan
(独)Guy de Lusignan
(仏)Guy de Lusignan
(西)Guy de Lusignan
(ポ)Guy de Lusignan

驚くべき結果です。
この人の名前を自国語に訳そうとする国はなかった。
ということは、よっぽど有名人なのですね!

それにしても、日本とポルトガルが英語どおりなのはともかく、フランスの配給会社が何一つ手を加えようとしなかったなんて。
この無為無策というか、やる気の無さは何なんでしょう?
だって、出てくるヨーロッパ人、みんなフランス系なんですよ。

でも、タイトルを見たときから、やる気なさそうな感じはしていたんですけどね。

キングダム・オブ・ヘブン
(英)Kingdom of heaven
(独)Konigreich der Himmel
(仏)Kingdom of heaven
(西)El reino de los cielos
(ポ)Cruzada(=十字軍)

なんと! 
ポルトガルでさえ、ちゃんと自国語にしてる。。。
日本と並んで英語べったりなのが、フランスだったなんて! 
あり得ないーー! いったいフランスはどうしちゃったのでしょう?

エンドロールで「リチャード獅子心王」、どう書いてあるのかご存知ですか?
Richard the Lion-Hearted じゃなくて、Richard Coeur de Lion、つまりフランス語なんです。

じゃあ、どうしてバリアンはBalian d'Ibelinじゃないんだ!と話はまた元に戻るわけなのであります。。。(苦笑)

by foggykaoru | 2005-06-09 20:57 | バベルの塔 | Trackback | Comments(10)

Commented by いさべる at 2005-06-09 22:28 x
こんばんわ。
ホスピタラーは、「ホスピタル騎士」つまり「聖ヨハネ騎士団」なのだそうです。(「ヨハンニテール」とはこのことでしょうか…ドイツ語わからないので…)
個人名はあえてつけられていなんですね…
でも、とっても印象に残ってます。
Commented by crann at 2005-06-10 00:12
かおるさん、こんばんは。

↑のいさべるさんのおっしゃる通り、ホスピタラー=聖ヨハネ騎士団です。
映画のルーピン先生(笑)の修道服はまさに聖ヨハネ。黒に白十字。
聖ヨハネの名をつけた療病院(笑)がその始まりで、まさに従軍看護師であり司祭でありました。
十字軍関係の本、5冊ばかり所蔵してまして(忘れてた)、いくつかはかおるさん(と、ゆきみさん)にとってもお好みだと思います。

せっせと読んで覚書を作っている最中なので、ヨハネ=ホスピタラー、テンプルの十字徽章、エルサレム王国時代のテンプル騎士団など、これからレポート作るつもりですが・・・
Commented by Titmouse at 2005-06-10 17:23 x
フランスは英語をあまり好まないというイメージがあるのに、ちょっとびっくりですね。
公式ページ、Englishが2種類あるのはどこがどう違うのか気になってしまいました。とりあえずOutside North Americaの方が下のメニューが少ない(ブロードバンドとかチケットのがない)ですね。
Commented by foggykaoru at 2005-06-10 21:27
いざべるさん。
おお!教えてくださってどうもありがとう! 十字軍といえば、テンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団。ヨハンと言ってるのに気が付かなかったなんて、私はなんとオバカだったのでせう。
これからもいろいろ教えてくださいね♪
Commented by foggykaoru at 2005-06-10 21:29
crannさん。
私、ハリポタは2作までしか見てないんで、みんなが「ルーピン先生だ」と言っても、ちいともぴんとこないのです。(^^;
>十字軍関係の本、5冊ばかり所蔵してまして
すごい! さすがcrannさん! これからの研究の成果を楽しみにしています♪


Commented by foggykaoru at 2005-06-10 21:32
Titmouseさん。
ねっ、びっくりでしょ。
フランス人は、外国語で書かれた本を翻訳するとき、教授みたいな人に指示されなくても、固有名詞をフランス語っぽく変えてしまう人種ですからね。
今、フランスには何が起こってるんでしょう・・・?
Commented by crann at 2005-06-10 22:02 x
なおかつ・・・

字幕で「獅子王」とでたのには吃驚仰天。
獅子王って、たてがみあり?(爆笑)
字幕については、これまた改善委員会が腕をふるってくださっているのでしょうね。
Commented by foggykaoru at 2005-06-11 10:02
crannさん。
えっ、そうだったの?! 私、字幕は必要無いというほど英語がちゃんとわかるわけではないけれど、無意識のうちになっちの字幕はきちんと読まないようにしているのかもしれない。。。(苦笑)
それは誤訳というより校正ミスと思いたいけれど、チェックするのも彼女の仕事ですよね。
Commented by go_to_rumania at 2005-06-12 18:33
有名人というのもあるかもしれませんが、この訳を見ていても、やっぱりヨーロッパの言語は似てる・何各語できても当たり前、という感じがしますね。(それなのに、ルーマニア人は「私は英語ができて、~ができて」という。私からすると母語がルーマニア語なんだから当たり前・もっと完璧にできなきゃ!と思ったり!)
★ルーマニアの若い人のルーマニア離れは・・ホント深刻です。。。真剣に「ルーマニアを良くしよう」という若者がいないと、この国は絶対代わらない。。でもルーマニアないで得られるお給料じゃねえ、、、、
Commented by foggykaoru at 2005-06-12 21:37
go_to_rumaniaさん。
ほんと、ヨーロッパ言語はお互いに似てます。
ルーマニア語はラテン系と言われるから、フランス語やイタリア語を覚えるのは、ルーマニア人にとって、楽でしょうね。英語はそれを崩せばいいんだから、これまたラクチン。
ラテン系の言語同士だけじゃなくて、たとえば、フランス語とドイツ語だって、私に言わせれば方言みたいなもの。また、ブルガリアに行くときに自習書でかじった経験からすると、スラブ系の言語だって、けっこう西欧の言語に似てます。
日本人で、ヨーロッパ系言語をネイティヴのように使いこなせる人というのは、語学の天才なんだと思います。どんなにそれがすごいことか、欧米の人にはなかなかわかるまい。。。
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