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野宿入門

著者のかとうちあきという女性は野宿をこよなく愛する人のための雑誌『野宿野郎』の編集長。
TBSラジオの『安住紳一郎の日曜天国』にゲスト出演していて知った。話し方はごく普通の女性。強烈でもなんでもない。なのに趣味が野宿!と、おったまげたのでした。
すっかり忘れていた彼女のことを思い出したきっかけは、高野秀行氏のブログ。『あたらしい野宿』という新刊書が紹介されていたのです。
で、とりあえず第一作を読んでみることにした。

野宿と言ってもいろいろある。
テント無しで寝袋だけで寝るタイプの野宿だったら、そんなに目をむくことではない。
だって古くは1930年ごろ、英国のとある児童文学作品の中にそういう描写があるくらいだから。
10歳前後の子供たち4人が、登山の途中で野宿する。

で、この本は、題名どおり、野宿をやってみようかという人のための本
・・・というより、ひたすら野宿にいざなう本。啓蒙書(笑)
ユーモア満点で非常に面白い。
だまされたと思って読んでみて。 
特にランサマイト必読?!

私の琴線に触れた部分のご紹介。

わたしたちは野宿をすることで、それまでまったく接点のなかったそこかしこの場所を、いっときだけ自分のとても身近なもの(=我が家)として惹きつけている。
野宿をすることによって、その場所を、より自分に近しいものにすることができるのです。
(中略)
だから、たとえ旅行中、家のようなところ(無人駅とか)で行う野宿を理想としたとしても、それがイコール、家で寝ればいいのだ、ということには、けっしてならないように思うのです。

私はホテルにチェックインすると、(翌日の出発がよほど早くない限り)荷物を広げます。洗面用具をバスルームにセットし、クローゼットに服をしまい、小物を引き出しにしまいます。引き出しがたくさんあれば、「ここは下着」「ここは薬」とわかりやすく分けてしまいます。
バッグに入れっぱなしでガサガサやっていては、いつまでたってもその部屋は「我が家」にならない。
でも、たとえホテルの部屋が我が家のように思えたとしても、それがイコール、旅しなくていいのだ、ということには、けっしてならないのです。


もしも油壷のヨットクラブで泊まりのイベントがあったら、野宿を体験する絶好のチャンスになるかも・・・なあんて、ほーーーんのちょっぴり思っている私であります。


この本に関する情報はこちら

by foggykaoru | 2013-11-08 21:51 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

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