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「大いなる休暇」の地名にこめられている意味

思えば、去年の前半は「王の帰還」と「マスター&コマンダー」を繰り返し観るため、多忙を極めていたのでした。
そして、この2作の公開が終わってすでに1年になるのに、映画館に行く習慣だけはしっかり残ってしまった。
というわけで、今年、私は今までの人生でかつてないほどたくさんの映画を観ています。

今年の暫定的マイベストは「ベルヴィル・ランデブー」「コンスタンティン」「コーラス」でした。
最近になって、このリストに彗星のごとく加わったのが、「大いなる休暇」です。
カナダはケベックの映画。ケベックはフランス語圏。つまりフランス語の映画。
ベスト4のうち、「コンスタンティン」を除く3作がフランス語の映画というのは、やっぱり私の趣味が偏っているせいでしょうか? 

カナダのフランス語は、フランスのフランス語とはかなり違う響きを持っているのですが、役者さんたちはさすが玄人、意外なほどまともなフランス語を喋っています。(フレンチカナディアンの方、ごめんなさい!)
島の住民の中で、いちばん強烈な訛りで喋っているのは誰なのかというと、いちばん都会的であるはずの銀行員役の俳優なのです。
このあたりの演出、実に興味深いです。
・・・というようなことが何もわからなくても、この映画は十分に楽しめますので、どうぞご心配なく。

「大いなる休暇」の原題は「La grande seduction」(seductionのeの上には右上がりのアクセント記号が付きます)、直訳すれば「大いなる誘惑」。
北林谷栄主演の「大誘拐」の向こうを張って「大誘惑」にすることもできたわけですが、まあいいか。

前置きがひどく長くなりましたが、今日のテーマは地名だったんでした。

この映画の舞台はケベック州の小さな島の過疎の町(というより村)Sante-Marie-la-Mauderneサント・マリー・ラ・モデルヌ。
この地名、フランス語がわかる人なら、聞いたとたん「ふふふ」と笑うところ。
「Mauderne」は「moderne」、つまり英語の「モダン」を連想させるからです。
一応確認のために「Mauderne」で検索してみたら、カナダの映画情報サイトが引っかかりました。
映画評のタイトルが「Loin de la maudernite」。
「mauderniteから遠く離れて」の意味。
「moderne」の名詞形「moderniteモデルニテ=英語のmodernity=近代性・現代性」を意識しているのは明白です。

「サント・マリー」はご想像どおり、英語の「Saint Mary」。
救いを求めているこの町に「聖母マリア」はぴったりと言えます。
でも、フランス語で「サント・マリー」から始まる地名といえば、真っ先に思い浮かぶのは複数形の「サント・マリー・ド・ラ・メール」。たまたま聖母と同じ名前の、3人の聖女ゆかりの町です。これも海辺。地中海ですけど。

by foggykaoru | 2005-06-27 20:56 | バベルの塔

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