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戦火の馬

興味があったけれど見逃した映画。
友人宅のホームシアターで鑑賞する機会を得ました。

原題は「War Horse」
直訳すれば「軍馬」なのだけれど、素敵な邦題でよかった。「ウォー・ホース」なんかだったら泣いちゃう。

第一次大戦を背景に、馬と少年の絆を描く。
というより、戦争に翻弄されたお馬さんがたくましく生き抜くお話。
はい、主人公は馬です。
そしてこの馬が主演男優賞モノの名演技を披露します。しかもイケメンです。(サラブレッドだから)

とってもヒューマン。スピルバーグがディズニーと組んで作った映画なんだから、お子様向け。良い映画ですが、ヒネた大人の目には甘いと映るでしょう。
でも、「カラーパープル」のハッピーエンドを観て映画館の椅子から落っこちそうになった経験のある私は、最初から「スピルバーグなんだし」と思って構えていたので、ぜんぜん大丈夫でした。

で、この映画、なんともともとは舞台作品なのだそうです。
舞台を観て感動したスピルバーグが映画化を思いついたという。
舞台では人間が馬を演じました。
そのメイキング画像をネットで見たのですが、かなり感動でした。
今年の夏に日本公演するそうなので、観に行こうかと思案中。


舞台で人間が馬を演じるのもすごいことです。
それを映画化すると、ホンモノの馬が演じることになる。
同じ物語であっても、媒体の違いによって、根本的に違う作品になる。

でも、馬だけじゃないのです。
舞台作品を映画化すると、もとの作品の構成が映像の向う側に透けて見えてしまうことが多い。
ああ、ここは上手と下手それぞれをピンスポで照らして、違う場所で起きた出来事を同時進行で見せてるんだろうな、、とか。
この映画にはそういうことはありません。
映像作品として一級品。オリジナル。

英国軍の将校は「マイティー・ソー」のロキでした。今回は良い人でしたよ。
そして、その友人である隊長は「シャーロック」です。ちょび髭付けてるせいでわからなかったのですが、エンドロールに出てきたので、慌てて映画を観なおしました。
あんなにたくさん喋っているのに気付かなかった私は、シャーロック・ファンを自称する資格なんか無いかも。







まずは「ランサム」ネタです。
そもそも、この映画に興味を抱いたきっかけは「ふくろう鳴きが重要シーンに登場する」と、ランサム仲間から聞いたからでして。

お次は「マスター&コマンダー」ネタ。
19世紀初頭の英国海軍では、士官だけでなく、士官候補生、しかも10歳かそこらの少年であっても、「ミスター・ブレイクニー」と呼ばれていました。
それが20世紀初頭の英国軍では将校同士が名前呼び。
100年の間に、英国社会は劇的な変化を遂げたんですねえ。何がきっかけだったんだろう?


以下は「指輪物語」ネタ。

初めての戦闘シーン。
英国軍がお馬に乗って剣を振りかざし「とつげきー!!!」
ええっ、ローハン軍?
20世紀なのに。
第一次世界大戦の初期、ほんとうに英国軍はあんなだったの?
鎖国していた日本じゃあるまいし。
(日本だって、数百年前の織田の鉄砲隊はすごかったんでしょ?)

さすがにその後は飛び道具中心の戦いになります。
馬の持ち主だった若者が戦争に駆り出され、銃を片手にへっぴり腰で銃弾飛び交う沼地を走り回る。
うわお、トールキン教授! 死者の沼地!!
飛行機は? 飛行機さえ出てきてくれれば・・・ 出てこなかった。ざんねん。

教授にとって、第一次世界大戦での体験がトラウマになり、それが「指輪物語」に現れている、というのはトールキニアンの常識、だそうで。
さらに、この大戦で初めて使用された飛行機に対する恐怖はすごかった。それがナズグルとして結実した、、ということになっておりますようで。

by foggykaoru | 2014-04-03 21:28 | 観もの・聞きもの | Trackback | Comments(4)

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Commented by Titmouse at 2014-04-03 22:21 x
それでもって原作は馬の視点から書かれているというのでどんなふうなのか読んでみたいです。作者のモーパーゴはカーネギー賞の候補に何度かあがっている人で、いくつか読んだ作品もなかなかよかったですし。
Commented by むっつり at 2014-04-03 22:24 x
この映画、映画館で見て、更にWOW○Wでも見ました
旧日本軍もですが島国が外征すると、戦争に勝っても負けても軍馬は帰ってこないんですよね
戦争が終われば用済みで処分…
騎兵突撃は確か第二次世界大戦まで使われました
ソ連軍騎兵連隊が小規模なドイツ軍歩兵部隊に攻撃を敢行して、文字通りの全滅をしているはずです
日本軍は日露戦争当時から人馬の体力差や技術を考慮して、二度ほどの例外を除いて突撃はしていません(コサックと正面からやりあうなんて無謀、というのが当時の軍部の判断)
以後、あくまで機動歩兵として第二次世界大戦終了まで運用されました
第一次世界大戦では当時、世界最強とされていたフランス騎兵も映画と、まったく同じ事になりました
あまり知られていませんが、第一次世界大戦までは、旧日本軍以上の突撃主義だったんですよね
その教訓がマジノ線という、極端な形になったのですが…

この映画、CGの使用を最低限しか使っていないのは驚きですし、ファンタジーなのに極端なまでに精密な時代考証も驚異かと存じます
Commented by foggykaoru at 2014-04-04 21:58
Titmouseさん。
>原作は馬の視点から書かれている
へえええ、馬の一人称なのかな。
モーパーゴという人なのですね。初めて知りました。
検索してみよう。
Commented by foggykaoru at 2014-04-04 22:02
むっつりさん。
「とつげきー」はそんな最近までやっていたんですか・・・
やらないと気が済まなかったのかしらん。
>人馬の体力差や技術を考慮して
それは正しい判断ですね。

マジノ線ってどういうのだったんだろう?と思っていたんです。
とつげきー!の反省から生まれたんですね。
でもダメだったんだけど。
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