THE S.O.U.P.
2014年 10月 26日
サイバーテロの物語。
事件があって、その謎を解いていく、という筋書からすると、推理小説のカテゴリーに入れられないこともない。
2001年に刊行された当時は「近未来」だったはず。
文庫の解説に「今は古くなったことが少なくない」みたいなことが書かれているけれど、私にはどこが古いかわからないし、わからなくても全然大丈夫。というか、わからないほうが「こんなの古い!」とダメ出ししなくて済むから楽しめるかもしれない。
「夏のロケット」の爽やかさはない。
だって登場人物の多くがネットやPCに憑りつかれた人々。寝食を忘れてそのままじゃ死んじゃうよと言いたくなる人がたくさん。実際死んでるし。
でも、このブログを読んでくださっている方々に私が伝えたいのはそんなことじゃない。
主人公は「伝説のRPG」の開発者です。
で、それ自体はどうでもいい(苦笑)んだけど、
なんとそのRPGが
「指輪物語」と「ゲド戦記」を下敷きにしている
それどころか
その2作品に最大の敬意を払って作られている
ということ。
作者の川端さんは、ランサマイトじゃないけれど、ランサム・サガもちゃんと知っている人だけあって、子供時代に(ランサムよりもメジャーな)この2作品を愛読したのでしょう。
というわけで、この2作品のファンの方には嬉しい小説です。
そうでなくても楽しめます。
それにつけても「指輪」と「ゲド」は2大ファンタジーなんだなとしみじみ思う今日この頃。
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by foggykaoru | 2014-10-26 11:52 | 指輪物語関連 | Trackback | Comments(0)