お嬢さん
2015年 09月 09日
三島由紀夫の小説。
三島には興味があります。
大して読んでないけど。
最初の出会いは大学のとき、友人に勧められて読んだ「夏子の冒険」
夏子という良家のお嬢様を主人公とする他愛のないお話なのだけれど、とても面白かった。
そこらへんの平凡な作家も同じような筋書の小説は書けるだろうけれど、日本語力の裏付けがあると違うなあと感嘆した。
そして「潮騒」(「メロディー」はつかないよ)
素晴らしい。
私にとって恋愛小説(そんなに読んでないジャンルだけど)のイチオシ。
で、この作品。
題名からも推察されるように、「夏子」的な軽いお話。
昭和35年に雑誌「若い女性」に連載されたという。
私の小さい頃の臭いがする。
コーヒー1杯が30円。
で、公衆電話が10円。高い!!
など、当時の社会状況が懐かしいけれど、それはつまり、もはや古いということでもある。
主人公はなんの苦労もせずに生きているいいとこのお嬢さん。
適度に知的(でも中途半端)で、かつ、暇なので、いろいろどうでもいいことを考える。自意識過剰。
なんだこいつは・・・と思ってしまうけれど、人間、こういうことはある、と納得させる。つまり普遍的。古くならない。さすが。
一歩間違えたら(というのも変だけれど)純文学(の定義はよくわからんが)に十分なりうる作品なのだと思う。
というわけで三島はすごいと思います。
でも、女嫌いだよね・・・
褒めておきながら、王道の「金閣寺」とか「仮面の告白」を読む気はないんです。なんか重そうなんだもん。
by foggykaoru | 2015-09-09 21:06 | 普通の小説 | Trackback | Comments(2)
関係ないツッコミでゴメン。