黄金のアデーレ 名画の帰還
2016年 01月 07日
主役がヘレン・ミレンで、ヨーロッパがらみの話、ということで興味を惹かれたのです。
「黄金のアデーレ」はクリムトの絵。
「接吻」に似た感じの、黄金をちりばめた「アデーレさん」の肖像画。
で、このアデーレさんは、ウィーンに住んでいたユダヤ人のお金持ちの女性だったのです。
肖像画「黄金のアデーレ」はナチスによって没収され、第二次大戦後はウィーンのベルべデーレ宮殿のギャラリーに展示されていた。
しかし、命からがらアメリカに亡命した子孫が所有権を主張して・・・
この後、いったいどうなるんだろう?というドキドキ感はない。
なにしろ題名がネタばれしてるから。
ナチスが美術品をぶんどった話は知っていたけれど、知っていてもその非道さはヒドイ。
命からがら亡命する場面だけは、ほんとうにハラハラドキドキ。
私にはとても面白かったです。
特にユダヤ人のすごさが。
ナチス侵攻以前のユダヤ人の大富豪の暮らしぶり。
当時の人気画家だったクリムトに肖像画を描かせる家ですから、その他にもすごい美術品がある。
お父さんが趣味で弾くチェロがストラディバリだったり。
訴訟の際に頑張ったぺーぺーの弁護士が作曲家シェーンベルクの孫!
「肖像画を取り戻せたら、うちで買い取らせてください」と言ってきた「ノイエ・ギャラリー」は、化粧品のエスティー・ローダー社がやっている美術館。
みんなユダヤだったのね。
ところで、私がベルベデーレ宮殿のギャラリーに行ったのは、まだ20世紀のことで、「黄金のアデーレ」はまだ展示されていた。
なのに何にも覚えていない(涙)
(「接吻」は覚えてます。)
この映画の公式サイトはこちら
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以下は映画とは関係無い話。
メインサイトの「世界の美術館を斬る」(私が観た美術館に関する独断と偏見に満ちたコメント集)は今日をもって閉鎖しました。
あのコンテンツ、以前からどうしようかと思っていたのですが、この映画を観て閉鎖を決心しました。
美術館の展示品は移動する。
いくら個人的な感想であっても、もう置いてない作品のことを「ここには○○がある」とか書いてあるのを放置しておくのは、良心が咎める、、、ほどではないけれど、気になってしまって。
ベルベデーレにはもう「黄金のアデーレ」は無い、ということに関しては、なにしろ観たこと自体忘れてたから、別に問題無かったんですけど。
ところで
旅行記だけは細々アップしてます。
たまにやらないと、やり方を忘れてしまうんです(苦笑)
by foggykaoru | 2016-01-07 21:38 | 観もの・聞きもの | Trackback | Comments(4)

「アデーレ」がNYに移った、と聞いて、
しまった~、住んでいた(郊外ですけど)のに見逃した。
と嘆いているところです。
見逃しついでに
私も、フリックコレクションには二回(3回かも)行ったのに、
肝心のフェルメールの記憶がない、という
もったいないことです。

ベルベデーレはむか~し行ったのですが、あの長男がまだ1歳くらいで、美術館をあきらめたのです。庭だけ・・・
クリムトの絵をみたかったのですが。あの時行っていれば、「黄金のアデーレ」を観ることができたのかと思うと、残念です。
おお、やっぱりドイツ語圏が関わっている映画はご覧になってるんですね!
クリムトは金ぴかのイメージが強いけれど、ああいう絵を描いたのは人生の一時期だけなんですよ。
たとえば、印象派のような風景画もけっこう描いてるんです。
驚きました。
・・・なーんてことを覚えているのに、なぜ「アデーレ」の記憶が無いんだろう?