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最初の刑事

副題は「ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件」
著者はケイト・サマースケイル。
この人のデビュー作「ネヴァーランドの女王」は、ランサムの言及を見つけたのに、全然うれしくなかったという稀有な例として、忘れられない本。

1860年に実際に起きた殺人事件の顛末。
舞台は田舎のお屋敷。
使用人がいっぱい。
家族もいっぱい。
お金持ちの立派な家族かと思うと、まるでゴシックロマンのような人間関係があって。
いつまでたっても解決がつかないので、被害者が埋葬された後になって、ようやくロンドン警察の腕利き刑事が派遣される。
この人が、今でいう犯罪捜査官のはしりで、だから「最初の刑事」
でも、いくら有能でも、ろくな証拠が残ってないんだから、そりゃ大変。

ハードカバーを一気読み。
英国の推理小説が好きな人にはたまりません。
なにしろ、小説顔負けの舞台設定。
というより、この事件が、後々の英国推理小説をインスパイアした、ということらしい。
(RPG好きな人が、「指輪物語」を読んだり映画を見たりして、「なーんだ、RPGみたいじゃないか」と言うけれど、そもそも「指輪物語」こそが、多くのRPGのもとになっているんだよ、、という話を聞いたことがある。それとおんなじこと)

高野秀行氏が2015年度のベスト10ノンフィクションとして挙げている本の1冊。
他にも読みたい本があって、どうしようかと悩み中。

この本に関する情報はこちら

by foggykaoru | 2016-02-14 21:48 | ルポ・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

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