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ポケットに外国語を

ちくま文庫。
黒田龍之介のエッセイ集。

この人の本を読むのは久しぶり。
読んでみて、やっぱりいいなあと思った。

特に巻末の「ことばへの異常な愛情」と題するエッセイが素晴らしい。
万人向けではないでしょうけれど、私は非常に感動しました。
黒田さんは、とにかく個々の言語に実際に触れて、学ぶことが好き。
このあたりの感覚が、私にはツボです。

私も「ことば好き」
だけど、ぜんぜんレベルが違う。
もしも毎日5時に仕事が終わるのなら、新たな外国語を勉強するのだけれど(←仮定法。現実に反する仮定)
でも、今の仕事量では、体力的に語学学校に通うのは無理だし
・・・って、最初から独学を放棄しているあたりが、ダメ。ぜーんぜんダメ。

その上、私は純粋じゃない。
「この言語を学んで、もとがとれるだろうか? 使う機会がどれほどあるだろうか?」という邪心がある。
だから、英語一辺倒の現代の一般日本人と、メンタリティーにおいて大差が無い。

私にとって、黒田さんは、高野秀行さんと同列の存在なのだなあとしみじみ思う。
自分にはとうていできないけれど憧れていることを、代わりにやってくれる。

なので、高野さんの本と同様、黒田さんの本は、必ず新刊で買うことにしてます。
実入りの少ないジャンルで頑張っているお二人に、ちゃんと印税が入るように。

黒田さんは、大学に見切りをつけて退職してしまったのだけれど、本当は彼のような人にこそ、大学で教えてもらいたいところです。

by foggykaoru | 2016-04-12 20:21 | バベルの塔 | Trackback | Comments(0)

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