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セリア・リーズ著「レディ・パイレーツ」(理論社)

原題は「Pirates!(海賊だ!)」です。素朴というか単純というか。もうちょっとなんとかならなかったのかなと個人的に思ったりもするのですが。

女海賊もので、そして主人公の名前がナンシー、ということから、最近、一部のランサマイトの間で話題になっている本。図書館に行ったらあったので、迷わず借りてきました。

時は18世紀初頭。アフリカから新大陸へ奴隷を運び、新大陸からヨーロッパに砂糖を運ぶために、帆船が大西洋を走り回っていた時代です。

恋あり冒険あり、ということで、これは児童文学の中でも比較的年のいった子ども向け、いわゆるジュブナイル小説だと言えるでしょう。主人公ナンシーは海賊の家系でもなんでもなく、いいとこのお嬢さん。でも、運命に翻弄されて海賊の仲間になってしまう・・・というのは、どうしたって映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」を思い出してしまいます。事実、読んでいる間じゅう、私の頭の中では映画のヒロインを演じたキーラ・ナイトレイの顔がちらついていました(苦笑)。しかも、ナンシーに深い関わりを持つのがブルームという名前なんです。オーランドじゃないけどね。

帆船での出来事が多いけれど、帆船用語の知識は不要です。
ヨーロッパ近世史が好きな私はむしろ、史実との関わりの中でスリリングな物語が展開するのを楽しんで読みました。

加えて、ランサムでなじんだいくつかの人名や単語がときどき登場する。言葉として知っていても、その中身を深く考えたことがなかった「船底くぐり」については、その描写を読んで、ちょっぴり衝撃を受けました。

この著者は子どものときから海賊に心惹かれていたのだそうで、長年書きたくてたまらなかったことを書いたのだろうと思います。だから、この物語がいちばんヒットするのは、きっと海賊好きの子どもなのではないかな。

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by foggykaoru | 2005-10-09 20:10 | 児童書関連

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