人気ブログランキング |

カント先生の散歩

ドイツ文学者・池内紀による、カントの生涯。

去年までカントについて私が知っていたことといえば、哲学者で、その代表的著書は「純粋理性批判」ということ。世界史受験だったからね。でも内容は何も知らん。
その程度の私がなぜこの本を読んだかというと、カントはケーニヒスベルクの人だから。
ケーニヒスベルクは今やロシアの飛び地・カリーニングラード。
ベラルーシ→リトアニア→カリーニングラードと、ロシアの縁をのたのた巡った去年の旅の記録はこちら

カリーニングラードの大聖堂は、今や教会としての機能を失っているけれど、その片隅にカントのお墓がある。
ということをただポカーンと見てきた私なのですが、この本を読んで、ようやくいろんなことがわかり、非常に感慨を覚えました。
行く前に読んでいたらどんなによかっただろう・・・

というわけで、旅の相棒(というより、引率者)だった友人に、この本はプレゼントしたいです。(連絡してね)

カントが生きた時代が18世紀末で、フランス革命と同時期だった。
フランスではそのちょっと前に啓蒙思想家がたくさん出て、それがフランス革命の種をまいたわけだけど、ドイツはちょっと遅れたわけだ。
そして、彼の哲学の触媒的な役割を果たしたのが、親友だった英国商人。英国は新大陸やインドやアフリカだけでなく、バルト海にも進出していた。考えてみたら驚くべきことではない。近いんだもん。
このあたりが、実に新鮮な発見でした。

カントはかなり長寿だったけれど、あまりにも長寿だったので、肉体が死ぬ前に、理性のほうが先に死んでしまった。理性を具現化した人だったのに。悲惨。
このあたりがまるで現代。



by foggykaoru | 2017-12-26 22:52

<< 犬が星見た ロシア旅行 猟師になりたい >>