フランス史関係の小説で知られる佐藤賢一の、真面目な歴史本。
とは言っても新書なので、コンパクトだし、読みやすい。
なのに読了するのにえらく時間がかかりました。
というのは、テンプル騎士団の楽しくない結末がわかっているから、読んでて楽しくないのです。
十字軍のために作られた騎士団が、十字軍がなくなっても存続する。
しかも国家の枠を超えた強大な力を得る。
その力は周囲にとって便利で頼りになる。
頼りにしていたくせに、そのうちに邪魔になる。
なにしろ国家の枠を超えているから国王に服従しない。
嫌な奴らだ。
財産も持ってるし。
これはぶっつぶして没収しちまえ・・・
こういう歴史って大なり小なりいろんなところにありそう。
新鮮だったのは以下の3点。
・テンプル騎士団の息の根をとめたフィリップ4世(美顔王)は実はあんまりお利巧ではなかった
・テンプル騎士団の幹部たちはあることないことで責め立てられ、罪を認め、それで騎士団がぶっつぶされたのだけれど、実は命取りになったのは認めたからではない。認めた後で「あれは無理矢理言わされたのだ」と言を翻したのがいけなかった。カトリックは罪を認めて悔い改めれば、赦すから。
・ぶっつぶされた後、騎士たちはあっちこっちで生き延びていた。