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東大助手物語

著者の中島義道氏については、ずーっと昔「ウィーン愛憎」を読んで知った。
ウィーンでの壮絶な体験記で、飽きずに一気読み。
でも、ほんとうにウィーンというのは住むとそんなに恐ろしいところなのか、もしかしたらご本人の性格も関係しているんじゃないの?などと失礼なことも思ったりした。

その後、彼の本は書店や図書館で手にとってみて、ちらりと中を読んだりしたことがあるけれど、ちゃんとは読んだことはない。
いろんなこと(日本はうるさい、とか)を激烈に批判する人だな、という印象は「ウィーン愛憎」以来変わらない。

今回のこの本。
学者の世界というのは、けっこう大変だということはもれ聞いている。
研究が大変、ということではなく、人間関係、特に上司にあたる教授との関係が。
で、中島氏。「ハズレ」を引いちゃった。
今でいうところの、パワハラの記録です。
壮絶。
中島氏の書くものはどれも壮絶というか、激しいけれど、それにしても壮絶。

それだけだと、やっぱり「ご本人の性格もあるし」みたいな感想がメインになってしまうところだけれど、ギリギリそうはならない。
ご本人が自分の家庭環境、成育歴を客観的に描いているから。それができる人の言葉には真実があると思う。

解説の人選がいい。
「京都ぎらい」の井上章一氏なのである。
京都の真ん中出身の教授に嵯峨出身を馬鹿にされて「なんでそこまで言われなければならないのか」とむかついた経験の持ち主だから。
解説にそのことが書かれているわけではありませんけどね。







by foggykaoru | 2019-03-26 23:52 | ルポ・ノンフィクション

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