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パリに見出されたピアニスト

フランス映画です、当然のことながら。

なんと芸の無い題名だ
とは思ったけれど、原題の「Au bout des doigts」の直訳である「指の先」だったら、気づきもしなかっただろうから文句は言えません。
話題になってないし、「貧しい移民の若者が北駅の構内に置かれているピアノを弾いていたら、才能を見出されて・・・」というあらすじを読んだけで、全部わかってしまった気もしたけど。

で、結論。
予想通りの展開でした。
フランス人的には頑張って作った音楽映画かもしれない。
でもこちとら日本人。
「のだめ」を観ちゃってるんですから、この程度じゃ満足できましぇん。
コンクールで主人公が弾くピアノコンチェルトはおなじみラフマニノフの2番。

気になったのは、「のだめ」でその外観を知ったパリのコンバトの姿がちょっと違って見えたこと。
本当にコンバトでロケしたのかな。
それと、レッスン室がオクレール先生のレッスン室とは全く違う。
もんのすごく広々した部屋の真ん中にグランドピアノが鎮座していて、他に何も置かれていない。

あと、移民の若者たちのフランス語が全然聞き取れない。
一方、コンバトの先生たちは本当に正統的なフランス語なので、とてもよくわかる。
学生にも敬称(vous)で話すんですねえ。
私の大学の恩師は40年前既にtuで話してましたけど。

で、結局、いちばん感じるのは「格差」
主人公がピアノコンクールに参加することを知ると、昔の仲間たちは
「へっ、ピアノ~? おめえ、あっち側の人間になりやがったな」という態度をとる。
「あっち側」に対する憎悪。

今年の夏、久しぶりにパリに行って、移民の増加を肌で感じました。
帰国便に乗るために、夕方、RER(郊外電車)に乗ったのですが、北駅でどどっと人が乗りこんできて。
帰宅ラッシュでした。
みんな移民。

「北駅」と「移民」はフランスではとても自然な設定なんでしょうね。



by foggykaoru | 2019-11-08 20:43 | 観もの・聞きもの | Trackback | Comments(0)

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